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新型トヨタ・クラウンの“個性”は受け入れられるのか

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新型トヨタ・クラウンの“個性”は受け入れられるのか

フルモデルチェンジによって大きく変わったトヨタの新型「クラウン」の方向性を、小川フミオが考えた。

4代目が残した教訓

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ようやく、という感じで、“パーソナルなクラウン”と呼べるクラウンが登場するかもしれない。

2022年後半に登場予定の「クロスオーバー」、それに続く「スポーツ」「エステート」「セダン」と4車型で大胆なマーケティングを展開する新型クラウンには、これまでと違って、明確な“個性”がある。そこが大きな魅力だと私は思う。

私は個人的に、クラウンは難しいクルマだと思ってきた。「いつかはクラウン」なんていって、トヨタ車の頂点に位置づけられていたのに、よく似合っている人をあまり見たことがない。

街中で見かけて、いいなぁと思うクルマは、たいてい乗っている人を含めてキャラがたっている。

メルセデス・ベンツ、BMW、レンジローバー、ポルシェ、それにトヨタのスポールブランドである「GR」だってそう。運転する人がそのクルマのオーナーであることを強く意識している。クルマって、電車とかと違って趣味性のあるものなので、人との相性がなにより大事なのだ。

「クラウンは、決してお客様の先を行きすぎてはいけない。それが4代目(クラウン=1971年発売)の残した教訓です」

新型クラウンの発表会場で、トヨタ自動車の豊田章男社長は、そう振り返った。

なるほど。4代目は大胆なデザインが特徴だったものの、それが仇となってしまいセールスは芳しくなかった。個性が希薄で、“クラウン像”が自分のなかでうまく形成できないのが残念だなぁ、と私が思ってきたのは、そのあたりに理由があるんだろうか。だから、キャラがあまりたっていなかったのだ。

明確な“個性”がある新型

2000年代になってから「クラウンの販売は、右肩下がりの状況」(豊田社長)だったのは、SUVやスポーティセダンに押されたせいだろう。まったく不思議でない。

スタイリング・コンセプトも技術的内容も、“クラウンでなくちゃ手に入らない”という個性が希薄。中古車市場をみると、むしろ失敗作と言われた上記4代目の価格が高かったりする。法人車としては敬遠されたかもしれないけれど、スタイリングがまとまっているからだろう。そして個性あるし。

新型クラウンは、その点、パッと見の個性が強い。よくみると、パッケージングはオーソドクスで、使い勝手はよさそう。だけど、奇矯に走らない範囲で、キャラクターを作ろうとしている。

ファストバックボディの「クロスオーバー」や「セダン」、面の張りを強調した「スポーツ」、ロングルーフの「エステート」という具合。フロントマスクは好き嫌いが分かれるだろうし、私としては、これでいいのかなぁ? と、思わないでもない。ただし、このあと手が入るかもしれないので、それに期待したい。

多様性が求められる時代だけに、クラウンを1車型にしぼりきれなかったというトヨタの考えは、正しいかもしれない。たしかに、クロスオーバーに乗る自分とか、スポーツに乗る自分とかは想像しやすい。趣味性があるからだ。

メルセデス・ベンツの「Eクラス」を例にとると、セダンとステーションワゴンが基本車型で、ステーションワゴンの全高を少し高めたオールテレインと、(別のクルマといえば別だけど)SUVのGLEとGLEクーペがあって、さらにピュアEVのEQEがある。

それを踏まえると、クラウンが1車型でなくたっていいや、と、思いませんか? 乗っていないのでなんともいえないけれど、トヨタ車だけに乗り心地はとてもいいだろうし、静かだろうし、加速性と操縦性を追求したという「デュアルブーストハイブリッドシステム」も期待がもてる。

クラウン、これからもどんどん個性的になってほしい。いまの私はそうエールを送るのである。

文・小川フミオ

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みんなのコメント

50件
  • 受け入れ難い
  • 俺は買い替えないか事にしたけど、買いたい人は買えばいい。
    日本人の為の日本のクルマ、それがクラウンの矜持だと思ってた。
    新型にはどこにもそれがない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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