現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 『BMW 635CSi』BMWの美麗なラグジュアリークーペが見せた実力【忘れがたき銘車たち】

ここから本文です

『BMW 635CSi』BMWの美麗なラグジュアリークーペが見せた実力【忘れがたき銘車たち】

掲載 1
『BMW 635CSi』BMWの美麗なラグジュアリークーペが見せた実力【忘れがたき銘車たち】

 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマはグループA規定の全日本ツーリングカー選手権を戦った『BMW 635CSi』です。

* * * * * *

『メルセデス・ベンツC11』圧勝で時代を締め括ったメルセデスターボCの集大成【忘れがたき銘車たち】

 1985年から1993年までの9シーズンに渡って“グループA”という車両規定のマシンによって競われていた全日本ツーリングカー選手権(JTC)。このJTCに投入されたBMWといえば、ディビジョン2を長く戦っていた『BMW M3』がもっとも有名な1台だろう。だが、この『M3』以前にもJTCに参戦していたBMWがいた。それが今回紹介する『BMW 635CSi』だ。

 『635CSi』は、BMWの誇るラグジュアリー2ドアクーペ“6シリーズ”のラインナップとして1978年に登場したモデル。レースでは1983年に日本より先行してグループA規定で行われていたヨーロッパツーリングカー選手権(ETC)にてデビューを果たした。

 BMWは『635CSi』をグループAレーシングカーへと仕立てるにあたって、まず車重を大幅に軽量化した。その結果、1500kg近かった重量を1200kg(数値はJTC参戦車のもの)にまで絞った。

 また搭載された3.5リッター直列6気筒SOHCのNAエンジンにもチューニングが施され、市販状態では200ps程度だった最高出力を285ps(JTC参戦時点では296psと言われていた)にまで高めていた。

 こうして誕生したグループA仕様の『635CSi』は前述の通り、まず1983年にETCに投入されると、デビューイヤーながらチャンピオンを獲得する。そして欧州での登場から2年後、1985年にJTCが始まるにあたって、日本にも持ち込まれた。

 この『635CSi』を日本のJTCで走らせたのはBMWのチューナーのハルトゲとスーパーシルエットレースなどで『BMW M1』を走らせ実績を挙げていたオートビューレックがタッグを組んだチームで、これを“M1使い”長坂尚樹と茂木和男のふたりがドライブし、シーズンを戦った。

 デビューとなったのはJTCのオープニングレースだったスポーツランドSUGOでの開幕戦で、このラウンドで『635CSi『は、いきなりポールポジションを獲得。しかし残念ながら決勝レースではクラッシュによりリタイアに終わった。

 だが第2戦以降はその実力をレースでもいかんなく発揮していく。『635CSi』は翌第2戦の筑波サーキットラウンド、西日本サーキットでの第3戦と2連勝を達成した。

 筑波サーキットや西日本サーキットはテクニカルなコースで、大柄なボディの『635CSi』には不利かと思われたが、ハンドリングの良さを活かして、コースを選ばず結果が残せることを証明した。

 その後、第4戦の鈴鹿サーキットラウンドを4位で終えた『635CSi』は、同年のJTC最終戦となった富士スピードウェイで開催されたグループAの国際交流戦 インターTECに挑んだ。このレースは海外より来襲した『ボルボ240T』の2台が席巻した1戦だったが、そのボルボ勢には敗れたものの、総合3位でチェッカーを受けた。

 結果、『635CSi』をドライブした長坂尚樹がドライバー部門で総合チャンピオンとなり、製造者部門でもBMWがクラスチャンピオンに輝いた。

 翌1986年はJTCでは前年ほどの戦果を残せなかったものの、ETCでは再びチャンピオンを獲得したほか、同年インターTECではオーストラリアチームの走らせた1台が総合2位となるなど、ETCでの投入から4シーズン目でもライバル車に対峙して見せたのだった。

 そして1987年になるとグループAで戦うために生まれたエボリューションモデル『M3』が登場する。『635CSi』はこの年もJTCを戦っていたが、次第に主力の座は『M3』へと移行していった。

こんな記事も読まれています

ゼネラルモーターズ、11番目のF1チームに。キャデラックブランドで2026年からの参戦で基本合意
ゼネラルモーターズ、11番目のF1チームに。キャデラックブランドで2026年からの参戦で基本合意
motorsport.com 日本版
日産『エルグランド』、15年目の大変身へ! 燃費倍増も、BEV化はおあずけ?
日産『エルグランド』、15年目の大変身へ! 燃費倍増も、BEV化はおあずけ?
レスポンス
ラリージャパンはヒョンデを駆る首位のタナクがクラッシュでトヨタのエバンスが優勝! 日本の勝田は惜しくも表彰台を逃す4位で終幕
ラリージャパンはヒョンデを駆る首位のタナクがクラッシュでトヨタのエバンスが優勝! 日本の勝田は惜しくも表彰台を逃す4位で終幕
WEB CARTOP
スズキが新型「カタナ」発売! めちゃ“レトロ感”あふれる「旧車風デザイン」に反響殺到! “鮮烈ブルー”採用した「レジェンドバイク」最新モデルが凄い人気!
スズキが新型「カタナ」発売! めちゃ“レトロ感”あふれる「旧車風デザイン」に反響殺到! “鮮烈ブルー”採用した「レジェンドバイク」最新モデルが凄い人気!
くるまのニュース
F1シート喪失ボッタスのメルセデスリザーブ復帰は「時間の問題」トト・ウルフ代表認める
F1シート喪失ボッタスのメルセデスリザーブ復帰は「時間の問題」トト・ウルフ代表認める
motorsport.com 日本版
約100万円! トヨタ最新「軽トラック」は使い勝手サイコー! 斬新モデル「エクストラ」は“豪華装備”がすごい! めちゃ「過酷な環境」で愛用される“超タフ軽トラ”の魅力とは!
約100万円! トヨタ最新「軽トラック」は使い勝手サイコー! 斬新モデル「エクストラ」は“豪華装備”がすごい! めちゃ「過酷な環境」で愛用される“超タフ軽トラ”の魅力とは!
くるまのニュース
これがなくっちゃ被っちゃいけない!?「SG規格」とは?【バイク用語辞典】
これがなくっちゃ被っちゃいけない!?「SG規格」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
パンク知らずで空気圧チェックも不要! ブリヂストンの夢のタイヤ「AirFree」に乗ったらアリだった
パンク知らずで空気圧チェックも不要! ブリヂストンの夢のタイヤ「AirFree」に乗ったらアリだった
WEB CARTOP
ステーションワゴン専用モデルに刷新した新型フォルクスワーゲン・パサートが日本で販売開始
ステーションワゴン専用モデルに刷新した新型フォルクスワーゲン・パサートが日本で販売開始
カー・アンド・ドライバー
いすゞ、EV路線バス「エルガEV」の量産を開始
いすゞ、EV路線バス「エルガEV」の量産を開始
日刊自動車新聞
【オープントップ ランクル】ピックアップトラックにも転換可能!トヨタ、SEMAでオープントップ ランドクルーザー コンセプトを初披露!
【オープントップ ランクル】ピックアップトラックにも転換可能!トヨタ、SEMAでオープントップ ランドクルーザー コンセプトを初披露!
AutoBild Japan
「日本一大きい交差点」立体化完成いよいよ“秒読み段階”へ!? 「合計40車線」で“大渋滞エリア”の仙台バイパスに悲願の高架道路
「日本一大きい交差点」立体化完成いよいよ“秒読み段階”へ!? 「合計40車線」で“大渋滞エリア”の仙台バイパスに悲願の高架道路
くるまのニュース
トヨタ『カローラツーリング』などリコール…後方カメラが映らなくなるおそれ
トヨタ『カローラツーリング』などリコール…後方カメラが映らなくなるおそれ
レスポンス
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年11月20日時点
【新車価格情報】国産車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年11月20日時点
カー・アンド・ドライバー
トライアンフの大排気量バイク「ロケット3」に“伝説のスタントマン”に敬意を込めた特別仕様車が誕生! 日本限定15台の超貴重モデルです
トライアンフの大排気量バイク「ロケット3」に“伝説のスタントマン”に敬意を込めた特別仕様車が誕生! 日本限定15台の超貴重モデルです
VAGUE
DSの新型電動SUVクーペ、年内デビューへ…ボディに描かれた「750」の意味
DSの新型電動SUVクーペ、年内デビューへ…ボディに描かれた「750」の意味
レスポンス
いま路線バスのサバイバルが始まっている! 電動バス・小型バス・二階建てバスで細かなニーズに対応することが鍵か
いま路線バスのサバイバルが始まっている! 電動バス・小型バス・二階建てバスで細かなニーズに対応することが鍵か
WEB CARTOP
大人の遊び心をくすぐるクラシックデザイン!「CRONOS」と「YADEA」がコラボ車両を発売
大人の遊び心をくすぐるクラシックデザイン!「CRONOS」と「YADEA」がコラボ車両を発売
バイクのニュース

みんなのコメント

1件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村