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レインかスリックか。終盤のタイヤウォーズを制したGAINER TANAX GT-Rが大逆転優勝【第4戦GT300決勝レポート】

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レインかスリックか。終盤のタイヤウォーズを制したGAINER TANAX GT-Rが大逆転優勝【第4戦GT300決勝レポート】

 8月6日、静岡県の富士スピードウェイで2023スーパーGT第4戦『FUJI GT 450km RACE』の決勝レースが行われ、GT300クラスはGAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)が優勝を飾った。

 金曜搬入日から土曜予選日までは晴天に恵まれた富士スピードウェイ。迎えた日曜決勝日は早朝こそ太陽が顔を出していたものの、サポートレースが行われている午前10時ごろから雨が降り始め、その後も雨が降ったり止んだりという状況が続く。

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 12時15分から行われたウォームアップ走行も序盤はウエットコンディションだったものの、終盤には路面が乾き各マシンがスリックタイヤを装着していくコンディションに。しかし、そのセッション終了後にはふたたび雨が降り出し、スタート進行時の路面は完全ウエットになったことから、レースはセーフティカー(SC)先導で行われることが決まった。

 定刻どおり13時45分にグリッドを離れた各マシンたちは、隊列のなかでタイヤを温めながら走行を続けていたが、3周目からレーシングスピードでのレースが開始。そのスタートではホームストレートで水しぶきが上がるなか各車はクリーンな出だしをみせる。

 しかしその周回のセクター3で2番手からスタートしたSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人が先頭をいくグッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也を捉えてクラストップに躍り出る。

 さらに3番手につけるGAINER TANAX GT-Rの石川京侍も初音ミクAMGをGRスープラコーナーのアウトからオーバーテイクし、ダンロップタイヤ装着マシンがワン・ツーとなる。石川はさらに4周目のTGRコーナーで前をいくBRZのインをついてクラストップに立つ。

 一度はポジションを譲った片岡だったが、その後ペースを回復してBRZを再度捉えると、7周目にはGAINER石川の背後に迫る。そのままテール・トゥ・ノーズで最終コーナーを立ち上がった初音ミクAMGは、TGRコーナーでGAINER GT-Rのインをついてオーバーテイク、トップに再浮上する。

 その片岡の背後には、今戦からランボルギーニ・ウラカンGT3“エボ2”を投入したJLOC ランボルギーニ GT3の元嶋佑弥が迫るも、路面が乾いてきたこともあり9周目にGT300の上位勢が一斉にピットインを行う。翌周の10周目以降もスリックタイヤに交換するためにピットインする車両が多く、コース上はピット作業とアウトラップのタイムが異なることで順位が入り乱れる状況に。

 13周目にはGT300の全車が一度目のピットを完了。このタイミングではグッドスマイル 初音ミク AMGがクラストップとなり、2番手にJLOC ランボルギーニ GT3、3番手にGAINER TANAX GT-Rが続く。しかし、その後方4番手にはStudie BMW M4、シェイドレーシング GR86 GT、UPGARAGE NSX GT3などがスタートポジションから順位を上げてくる。

 ほぼドライコンディションになったことで、20周目以降は落ち着いた展開でレースが進んでいくGT300。27周目には開幕戦岡山でも先手を打ったピットインで勝利を掴んだUPGARAGE NSX GT3がいち早く2度目のピットに入り、小林崇志から小出峻にドライバーを交代する。

 しかしGT500のトップが35周目に入ったとき、コカ・コーラ・コーナー手前でHACHI-ICHI GR Supra GTに車両火災が発生してしまう。ドライバーの佐藤公哉はマシンを降りたが、消火作業と車両回収のため即座にSCが導入された。

 レースはホームストレート上での隊列整理完了後、41周目から再開を迎える。その後に好走を披露したのは、5日の予選で3番手になっていながらも「指定燃料以外の使用」で最後尾スタートになっていたapr LC500h GTだ。小高一斗がステアリングを握るマシンは、前をいくStudie BMW M4、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、シェイドレーシング GR86 GT、さらにはPONOS GAINER GT-Rを立て続けにオーバーテイクして4番手まで浮上してくる。

 50周の折り返しを超えるとGT300各マシンは続々とルーティンピットを実施していく。そのピット作業中にapr LC500h GTはタイムロスが生じてしまい後退してしまう。そして7周目からトップを走行し続けるグッドスマイル 初音ミク AMGも53周終了で片岡から谷口信輝にドライバーを交代。その谷口はピットアウト直後のTGRコーナーでコースアウトしてしまうシーンがあったものの、首位の座はキープした。

 そしてGT500が66周目に入ったとき、13コーナーで野中誠太がドライブするHOPPY Schatz GR Supra GTに車両火災が発生。野中はすぐさまマシンを止めたものの、下り坂になっていることから車両後部をタイヤバリアに接触するかたちになってしまったため、マシン消化とタイヤバリアの修復が必要となることから、レースは68周目に赤旗が提示された。

 赤旗中断中にはセクター3方向から強い雨が降り始めるシーンもあり、再開時間が延長される場面があったものの、16時30分からSC先導で再スタートを迎えた。なお、路面が完全ウエットになっていることから、中断中には「タイヤ交換のみ可能」という文言がレースコントロールから出されている。

 その後ホームストレートでの隊列整理を挟み、各マシンがSC先導のもとでタイヤを温めていく。そしてレースは72周目からレーシングスピードでの再開を迎える。そのTGRコーナーで谷口のグッドスマイル 初音ミク AMGに、安田裕信のPONOS GAINER GT-Rと富田竜一郎のGAINER TANAX GT-Rが襲いかかり、コカ・コーラ・コーナー進入で2台のニッサンGT-RニスモGT3が前に出ると、ダンロップタイヤを装着するGAINERがワン・ツーを構築する。

 その後の76周目には2番手のGAINER TANAX GT-RがPONOS GAINER GT-Rをかわしてトップに。しかし、徐々に路面上の雨量が少なくなると、一度は順位を譲ったグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口も勢いを取り戻し、77周目のTGRコーナーで谷口が2番手の座を取り戻す。

 ペースの良いグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口は、その勢いのまま前をいくGAINER TANAX GT-Rの富田を捉える。富田vs谷口の争いは、ほんのわずかに接触しながらもお互いのラインを残したクリーンなバトルが繰り広げられる。その後も一進一退の争いが行われるも、83周目のTGRコーナーで谷口のグッドスマイル 初音ミク AMGがアウトから被せ、2度目の首位奪還を果たす。

 残り13周、2番手を走行しているGAINER TANAX GT-Rがスリックタイヤに交換して逆転を狙う。さらにグッドスマイル 初音ミク AMGは残り10周でピットに入り、トップを走りながらもスリックタイヤに交換していく。

 このピットストップをみたGT300の上位勢は続々とスリックタイヤに交換するべくピットロードへとマシンを進める。そして残り9周のコカ・コーラ・コーナーでスリックに交換したばかりのグッドスマイル 初音ミク AMGがスピンしている場面が映し出される。しかしマシンにダメージはなく、谷口はコースに復帰するも、これでトップから陥落してしまう。

 上位勢のピットインで代わってGT300のトップには、リスタートからウエットタイヤで粘るSUBARU BRZ R&D SPORTが浮上。2番手には同じくウエットタイヤのSyntium LMcorsa GR Supra GTが続くも、3番手には上位勢のなかで早めにスリックタイヤに変えたGAINER TANAX GT-Rが1周9秒ほど速いタイムで追い上げてくる。

 そしてレース残り3周、Syntium LMcorsa GR Supra GTをかわしたGAINER TANAX GT-Rが、ついにSUBARU BRZ R&D SPORTをの背後に迫る。SUBARU BRZ R&D SPORTも防戦するが、残り2周のTGRコーナーでGAINER TANAX GT-Rの富田が首位に立つ。

 トップのGAINER TANAX GT-Rはそのままチェッカーを受け今季初優勝を飾った。2番手争いはSUBARU BRZ R&D SPORTとSyntium LMcorsa GR Supra GTがファイナルラップの最終コーナーで接触するアクシデントが発生してしまう。結局SUBARU BRZ R&D SPORTは6位、Syntium LMcorsa GR Supra GTは接触の非があるとしてペナルティを科され、リザルトでは10位となっている。

 この結果、2位にStudie BMW M4が入り、3位にDOBOT Audi R8 LMSが続いた。

 以下、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、apr LC500h GT、SUBARU BRZ R&D SPORT、PONOS GAINER GT-R、JLOC ランボルギーニ GT3、埼玉トヨペットGB GR Supra GT、Syntium LMcorsa GR Supra GTというオーダーとなっている。

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