■スポーツバイク(自転車)の今
近年、スポーツ自転車はひとくくりにできないほど種類が細分化されています。路面状況や走る目的などさまざまな理由で形状設計が異なりますが、一体どのような種類があるのでしょうか。
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ジャンルとしては、ロードバイク、マウンテンバイク、トラックバイク、クロスバイク、BMXとBTRに大きく分けることができます。
小径車(ミニベロ)やリカンベントといった自転車はそれぞれのジャンルに割り当てることができるので、ここでは割愛します。
■目的別に細分化されている、ロードバイクの世界
まず「ロードバイク」は、ドロップハンドル、700Cサイズ(27インチ)のホイールに細身のタイヤ、そして軽量化のため一切の無駄を省いたフォルムで、舗装路を颯爽と走るイメージがあります。ギアも20段階変速以上と、大幅なスピード変化に対応することができるようになっています。
レース向きから、アップライトなポジションを取りやすいフレーム設計のデザインなど、趣味嗜好のためわずかに味付けを変えているものなどもあります。
このロードバイクを基本に、舗装されていないダートでの競技に特化した「シクロクロス」、未舗装の道を走るために設計された「グラベルロードバイク」という分野が派生しています。フォルムは同じですが、太めのタイヤが装着できる設計になっていたり、バッグなどの携行品を積載できるようダボ(ネジ穴)が大量に配置してあるものもあります。これらを総称して「オールロード」という言い方をしていますが、急成長している分野なので、まだまだ定義があいまいな部分もあることは確かです。
また、ツーリング車という意味の「ランドナー」は、ハンドル形状など基本スタイルはロードバイクですが、むしろランドナーの先祖からロードバイクが生まれた、とも言えます。グラベルロードバイクのように積載量が多く、タイヤボリュームもあり、ロングツーリングも可能なスペックが特徴です。
■不整地を攻略するために、より特化が進んでいる
「マウンテンバイク」は、走るフィールドに合わせてかなり細分化されています。下りだけの「ダウンヒルバイク」、野山を駆けるのに適した「クロスカントリーバイク」、壮大なライディングに適した「オールマウンテン・エンデューロモデル」、「トレイルモデル」など、4つに分けることができます。
そして忘れてはならないのが、電動アシスト機能付きのマウンテンバイク、「e-MTB」でしょう。ヨーロッパなどでは電動アシスト機能付きのロードバイクよりも需要が高まっているようです。
■ 求めるのはスピードのみ! 潔いトラック競技用自転車
「トラックバイク」は、競技場を走るフィックスド(固定)ギアの競技場専用自転車です。
ペダルの動きと後輪の回転が直結しているため、走行中に足を止めることができない、ブレーキが無いという、純粋かつ伝統的なつくりが最大の特徴です。
フレーム素材や規格の進化はあっても、基本的なスタイルはほとんど変わっていません。このトラックバイクだけのサーキットレースもあります。
■いいところ取りの「クロスバイク」
フラットバーハンドルにロードバイクのホイールサイズを組み合わせたのが「クロスバイク」です。
これは定義が広く、街乗りからロングツーリングまでこなせる汎用性の高いバイクです。マウンテンバイクの様な操作性とロードバイクの軽い走行性能を兼ね備えており、スポーツバイク入門車として、一般にも広く浸透しているスタイルのバイクでしょう。
■自転車の新しい可能性を引き出した「BMX」と「BTR」
「BMX」は「バイシクル・モトクロス」の略であり、用途はフリースタイルとレースの2種類に分けることができます。
レースはテクニカルなコースでスピードを競い、フリースタイルはアクロバティックな技を競うもの。そしてフリースタイルはさらに細分化され、ストリート、フラットランド、トレイルなどに分かれています。
また「BTR」は「バイシクル・トライアル」の略で、モーターサイクルのトライアル競技の自転車版です。足を地面につかずに障害物を乗り越える競技に特化し、座る必要が無いのでサドルは最初から存在しません。
■万能スタイルより目的特化型に
以上のように、スポーツ自転車の種類は走りに適したスタイルに分けられ、その車体設計も異なります。全体を通して見た場合、万能型というよりも特化型にユーザーの関心が集まっているといったところでしょうか。したがって、知らない人から見たら何が違うのかまったく分からないのは当然のことでしょう。
自転車は少ないエネルギーで最大の効果を狙った乗り物であることから、その種類、車体設計も細かく分かれていったのかもしれません。
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