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【試乗】スズキ・ソリオは全方位で進化! 走りの質感や機能性も向上した魅力的プチバン

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【試乗】スズキ・ソリオは全方位で進化! 走りの質感や機能性も向上した魅力的プチバン

 先代の良いところは受け継ぎユーザーの要望に応えた改良を実施

 スズキ・ソリオはまさに日本の道、ファミリー、運転初心者からベテランドライバー、そして愛犬家にもぴったりの、使いやすさ抜群な5ナンバーサイズのコンパクトトールワゴン、プチバンだ。

スズキ・ソリオがフルモデルチェンジ! ボディサイズ拡大で広々室内空間を確保し乗り心地や静粛性も向上

 その新型は、全長を80mm(バンディットは70mm)、車幅を20mm拡大。全高はそのままとしている。それでも全長3790×全幅1645×全高1745mmと、5ナンバー車にとしては車幅の狭い扱いやすいサイズにとどめているのがスズキ流。しかも、サイドミラー形状を工夫し、ミラー・トゥ・ミラー幅は前代と同一。つまり、新型でも先代がギリギリ通れた道をクリアできるというわけだ。

 プラットフォームはコスト増を避けるため、先代からのキャリーオーバー。したがってホイールベース2480mmは変わらない。

 エクステリアはずいぶん立派になった。それもそのはず、ボンネットを45mm高め、ソリオ、バンディットとともに、一段と堂々とした、今風の厚みと存在感あるフロントマスクとなっているのだ。

 パワーユニットは、先代の場合、1.2Lガソリン、1.2Lマイルドハイブリッド、1.2Lフルハイブリッドの3タイプを用意していたが、新型では1.2Lガソリン、メイングレードとなるマイルドハイブリッドに集約。このクラス、この価格帯のコンパクトカーに、価格増となるフルハイブリッドは不要……というスズキの、というか、ユーザーの声に応えたものである。

 こうしたコンパクトハイトワゴン、2列シートのプチバンの肝となるキャビンのパッケージングは先代同様だ。では、全長80mm、車幅20mm増はどこへいったかと言えば、全長80mmの延長はそっくりそのまま、これまたユーザーの熱い声に応えて、ラゲッジスペースの奥行に充てられている。そう、先代ユーザーの「もう少しラゲッジスペースを拡大してほしい」という希望にしっかり対応しているのだ。

 全幅の20mmは、ボディサイドのデザイン、抑揚を付けるためだけではない。じつは、先代ユーザーの不満点だった、後席左右の乗員の肩部分の拡大に使われている。具体的には、Cピラー直後の内張りを凹ませ(そのためにも全幅の拡大が必要だった)、肩部分のゆとりを実現しているというわけだ。

 もっとも、すでに説明したようにキャビンのパッケージングは先代同一で、ペダル位置、シートサイズ、前後シート間距離などは変わっていない。後席のシート幅もそうなのだが、肩部分の横幅の余裕から、一段と広々とした印象が持てる。何しろ、身長172cmのドライバーで調整したシート位置の背後で、そもそも広すぎた先代と変わらない、頭上に215mm、膝周りに最大360mm!!(ステップワゴンの2列目席と同一)もの、ゆったり足が組めるほどの広大なスペースが確保されているのだ。後席フロア面積は幅1250mm、奥行500mmもあり、大型犬がフロアで寛げるスペースがある。

 ちょっとした嬉しさとしては、運転席シートサイドにあるポケット。スマホをスッと入れるのにぴったりで、布地のポケットなのでカタカタ音がしないのもポイントだ。

 新型ソリオがフルハイブリッドをやめた恩恵は、ラゲッジスペースにも表れている。そう、フルハイブリッドだとバッテリーが占領する床下収納=サブトランクの容量をたっぷり取ることができている。ラゲッジフロアのコンパクトなキャリーケースを5個横に並べられる(!!)広さと合わせ、じつに使いやすいラゲッジルームになっているのである。

 もちろん、この時代に欠かせない先進運転支援機能のスズキ・セーフティサポートも進化して搭載。6エアバッグを全グレードに標準装備するとともに、カラーヘッドアップディスプレイ、全車速域追従型のACC(電子パーキングブレーキ未採用で停止保持機能なし)、さらに後席の空調環境を高めるスリムサーキュレーター(風量は4段階。2段階目までなら送風音が気にならない)、スマホ時代に欠かせないUSBソケット、全方位モニターなど(一部グレード限定/オプション)を新採用し、使い勝手と快適性を大きく高めているのも新型ならではだ。

 走りの質感は文句なしだが気になるポイントもある

 さて、今回試乗した新型ソリオは、ソリオ、バンディットとともにマイルドハイブリッド仕様(165/65R15タイヤは同一/アルミホイールはデザイン違い)。スペックは1.2Lの4気筒エンジンが91馬力、118N・m、モーター3.1馬力、50N・mというもので、WLTCモード総合燃費で19.6km/L(FF)、JC08モードでは22.4km/L(FF)という好燃費性能を誇っている。ちなみにライバルのトヨタ・ルーミーは1Lの“3気筒”エンジンで、ターボでも98馬力、140N・m、WLTCモード総合燃費で16.8km/Lとなる。

 ライバルとは違う電動車となる新型ソリオのマイルドハイブリッドモデルの走りは、出足&低速域では、微力ながらもモーターアシストが効いて、素晴らしく静かに、上質感たっぷりな滑らかさを維持したまま加速してくれる。もう、この時点で、クラス、価格を超えた満足感が得られる……と言っても過言ではない。

 乗り心地はボディに剛性UPや操縦安定性の向上に直結する構造用接着剤を用い、先代ではフロントだけだったサスのウレタンブッシュを前後に奢ったほか、高応答タイプのダンパーを使い、リヤサスのストロークをUPするなどしたことで、環状骨格を持つハスラーほどでないにしても、じつにしなやかなで心地よいタッチを示してくれる(後席でも)。とくに、マンホールや段差越えでのショックのいなし方は、クラスを超えたものと言っていい。

 また、ルーフに高減衰マスチックシーラーを使い、すべてのピラーに発泡剤=バッフルを充填、リヤフェンダー内にライニングを追加したことで、雨音やロードノイズを低減(ライバル圧倒のはず)。実際、車内の静粛性の高さはこのクラス・価格帯のコンパクトカーとは思えないレベルにある印象だ。これなら、前席シートのかけ心地の良さ、ACCの装備と合わせ、ロングドライブでのドライバーや乗員の快適度は、2ランクアップしていると思っていいだろう。軽く扱いやすく、穏やかな操縦性をもたらすスムースなステアリングフィール、エンジンとCVTの相性の良さがもたらす余裕ある動力性能とあいまって、市街地はもちろん、高速走行も、先代に増してストレス最小限でこなせる実力の持ち主になったわけだ。

 ただし、ユーザーメリットが絶大な電子パーキングブレーキ未採用で渋滞時のACCに停止保持機能がなく(約2秒で停止解除)、それに伴う一時停止、料金所などで超便利なオートブレーキホールド機能は付かない。加えてスムースな減速やタイヤ&ブレーキの摩耗低減にも役立つパドルシフトが廃止されたのは残念だが、ドライバー側にオフセットされたセンターメーターや多彩なディスプレイの見やすさを含め、先代同様、誰にでも薦められる、とくに先進運転支援機能、安全装備、快適性、便利さを大きく進化させたコンパクトハイトワゴン、プチバンに仕上がっていた。

 お薦めグレードは、後席に誰か乗る機会が多いなら(ペット含む)、室内全体にムラなくエアコンの風を届けてくれる(はず)スリムサーキュレーターが付くソリオHYBRID MZ、バンディットHYBRID MV(の2トーンカラー)となるだろう。夏の暑さのなかでは、その恩恵は絶大だ。めったに後席に人を乗せることはない、というなら、スリムサーキュレーターが付かないソリオMXでも満足度はなかなかだと思える(スズキ・セーフティサポート装着車に限る)。

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みんなのコメント

9件
  • なんで何倍もの台数が売れているNBOXが非装着だと考えがあって、あえての非装着だと報じ、スズキだと取材もせず非装着残念だとか言うのかね。
  • せっかくフルモデルチェンジしたのになんでリヤシートの中央席にヘッドレスト付けないんだろ?
    その癖CMでは五人乗車を強調するかのように五人で宣伝してるし。

    事故を予防するの為の安全装備を進化させるのは今やどのメーカーでも
    あたりまえだが、今のところ完全に事故を防げるわけではないので
    実際事故が起きたときに活きてくる安全装備をケチって付けないのは問題外だと思うけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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