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【試乗】RSの名は伊達じゃない! 細部までスポーティに仕立てられたフィットRSを堪能

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【試乗】RSの名は伊達じゃない! 細部までスポーティに仕立てられたフィットRSを堪能

 この記事をまとめると

■フィットRSに中谷明彦が試乗

【試乗】MTがなくてもハイブリッドでも楽しい! フィットRSは手の内に入る躍動感に感動できる1台だった

■先代モデルにもRSは設定されていたが、現行モデル登場時には設定がなかった

■RS専用パーツを多数装備したパフォーマンスモデルとなっている

 待望の「RS」はしっかり「ロードセーリング」していた

 新型フィット4代目がマイナーチェンジを受け、注目の「RS」グレードが追加された。

 RSのネーミングは、ホンダにとって1972年に登場した初代シビックRSが最初で、当時からRSは「ロードセーリング」の略とされ引継がれている。最後のフィットRSから約2年の歳月を経てフィットRSはそのDNAを継ぐモデルとして復活させられたことになる。それはビッグニュースとして世界中のホンダファンの注目を集めているに違いない。

 まず、外観的にはフロントバンパーデザインが一新され、またサイドのガーニッシュやリヤバンパーなどもRS専用デザインとなり、ほかのグレードも一様に変更を受けているなかで、よりスポーティで個性的な出立ちを纏わされている。

 パワートレインはe:HEV(ハイブリッド)モデルとガソリンモデルの設定。ベースとなるグレードのマイナーチェンジによってエンジンが1.5リッターにスケールアップされ、HVの駆動モーターも123馬力に高出力化されて、より力強い走りを可能としている。

 ひとつには今後欧州市場への輸出を念頭に置いたための措置とも言え、欧州名では「JAZZスポーツ」として発売されることを見込んでいる。欧州市場での動力性能での重要性を加味してガソリンエンジン自体のパフォーマンス向上を狙ったのだという。モーターの出力アップとガソリンエンジンの出力アップで動力性能は大幅に高まることになる。

 走りはじめは電動モーターによるEV走行で、通常の速度領域においては従来のフィットe:HEVの走行フィールと大きく変わらない。しかし、加速でアクセルを踏み増すと。よりトルクフルになり動力性能の高まりを実感することができる。さらに、アクセルを踏み続ければエンジンが高回転に吹き上がり、より高出力を発揮する。高速道路の流入やワインディングでのちょっとした加速区間などでも走りが力強くなっていることがわかるのだ。

 また、減速区間において回生モードに切り替わり、バッテリー充電量が少ない場合はモーターによる回生で減速Gを発生させる。ステアリングの左右スポークに備わるパドルを操作すれば減速強度を任意に加減でき、シフトダウンしてエンジンブレーキを強めるようなスポーティなドライビングも可能だ。

 一方、バッテリー容量がフル充電状態にあると回生エネルギーを吸収する場所がなくなり、従来熱に変換して大気放出するようなHVシステムが多いが、ホンダのe:HEVシステムでは、駆動用モーターを回生エネルギーで回転させ、接続するガソリンエンジンを燃料カットして空転させることでエネルギーを放出、回生エネルギーを消費している。したがって、減速区間が長くなると、さもエンジンが始動してエンジンブレーキをかけているような状態となるが、実際にはモーターがエンジンを回転させているわけだ。

 本来は蓄えて再生すべき運動エネルギーを、こうした形で消費するのはもったいないことだが、どんなに大きなバッテリーを備えても充電キャパシティを超えての回生はできないので、ドライバーの感覚にあったエネルギー放出システムは、スポーツドライビングには重要なポイントとなるだろう。

 走りはもちろん車内もRSの名に相応しい仕立て!

 サスペンションにも特別なチューニングが与えられ、ハンドリング面の進化も感じられる。

 スプリングやダンパーを硬く設定し、コーナリングや減・加速時にフラットな車両姿勢を保てるようにしている。フロントスタビライザーも強化され、ロール剛性も高められ、高速コーナリング時のステアリング応答性やトラクション特性を高めている。これで加速旋回時のライントレース性が向上し、ステアリングの操舵フィール向上と相まって、運動性能の質感が見直されているのがわかる。

 こうした走りの特性は、やはり高速域での使用条件に厳しい欧州の市場特性への適合性を高めるためで、国内のユーザーは図らずもその恩恵に預かれるというわけだ。

 室内装備に目を移すと、黄色にステッチが縫い込まれたRS専用のシートが目を引く。革巻きステアリングのステッチも黄色で統一されスポーティだ。ルーフライナーやピラーカバーはグレーの暗い内装色となり、また、Aピラー前方ウインドウステーはブラックのカバーとなり、前方視界で目立ち過ぎていた4本のピラーの存在を意識させなくしている。

 後席についてはほかのグレードと同様で、ポップアップ跳ね上げ式シート座面による収納性向上機構は引継がれていたが、3代目フィットが持っていたリクライニング機能は消滅したままだ。足もとの広さやスペース効率が良いだけに、後席の居心地を良くするリクライニング機能は復活を願いたいところだ。

 タイヤにはヨコハマタイヤ・ブルーアース(185/55R16)が装着されている。これはRS専用にチューニングされ、グリップと転がり抵抗の最適化を図り、さらに優れたウエット性能と快適性の両立を実現しているという。試乗ルートのワインディング路にはところどころウエットパッチがあり、路面コンディションとしては滑りやすい様相を呈していたが、RSのライントレース性はすこぶる高く、操縦安定性とリニアな操舵フィーリングには好印象を受けた。

 最小回転半径は5.2mとほかのグレードより大きいが、コンパクトカーならではの取りまわし性に優れ、実用性も高い。また、広い室内のパッケージングはフィットの美点そのものだ。

 正直、4代目フィットのデザインはあまり好みではなかったが、RSが追加されたことでその走りの良さがフィット全体の印象を大きく切り替える活力となってくるのは間違いないだろう。

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みんなのコメント

19件
  • 技術屋のHONDAがマニュアルミッションを手放すメリットはどこのあるのでしょうか?トヨタが逆にMT車に力を入れているのに、せっかく今まで積み重ねていた努力やデーターはどうするのでしょうか?もったいないとしか言いようがありません。かの創設者の夢はどこに。
  • 本当に良い車なんです!
    だがしかし!
    顔がブサイクでどうしようもなく残念極まりないのです。
    すれ違いざまに「キモっ!」っていつも言います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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