機能も見た目も魅力的な「軽キャン」デモカー5選
キャンピングカーといえば商用バンやトラック、バスをベースに架装したタイプが一般の人にも広く認知されている形だろうが、数年前から注目されているのが軽自動車をベースにした通称「軽キャン」。購入費用やランニングコスト以外にも「ひとり、ないしは夫婦2人での“車中泊”なら軽のスペースでも大丈夫そう」という理由から注目されている。 そこで今回、11月上旬に開催され大盛況のうちに終わった「第24回 神奈川キャンピングカーフェア」の会場内に展示されていた「軽キャン」の中から、5台をピックアップして紹介していく。
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【ケース_01】王道はやはり「軽1BOX」ベース
「軽キャン」のベース車として多く使われているのが「軽1BOX」タイプだろう。各キャンピングカーのサプライヤーも「軽規格」という限られたスペースを最大限に活用し、積載性や居住性の向上を図っているのが印象的。そのうえで給電ができるなど、各社それぞれのキャラクターを出しているのがこのセグメントの特徴といえる。
そんな「軽1BOX」の中でも特に人気なのがスズキのエブリイだ。実際この日展示されていた軽1BOXタイプのキャンピングカーも、やはりエブリイベースが多かった。
埼玉・岐阜・大阪にて店舗を展開中、ワゴン感覚で乗れるキャンピングカー(バンコン)を得意とする「リンエイプロジェクト」も、エブリイベースの“ソロ車中泊”仕様車「マイクロバカンチェス ひとり旅」をデモカーとして展示していた。 電子レンジやインバーターを搭載したラックやエアコン、ポータブルトイレに遮光カーテンが付属された「ひとり旅」仕様。そこに最近注目されているヒッチカーゴをリアに付け、軽自動車の泣き所でもある(ソロキャンプでエブリイベースなら、そこまで問題にならないかも知れないが)積載性の向上を図っていた。ちなみにこの「ひとり旅仕様」の他に「ふたり旅仕様」も用意されているという。
同じエブリイタイプでも、外装をカスタマイズしているデモカーもいた。島根県と千葉県にお店を構える「スマイルファクトリー」がそれで、同店が展開する人気の軽キャンパーパッケージ「オフタイムトラベラー」の3バージョン目だという。その「バージョン3」の特徴だが、車内にロフトスペースを作る事で2段ベッドにできるほか、ワーケーション用のデスクスペースとしても活用できるという、何とも今っぽい提案。
さらなるポイントが先に紹介した外観だ。昨今注目されている「シャコアゲ(=リフトアップ)」仕様にカスタマイズされていたのだ。 オフロードタイヤにアルミホイールを組み合わせ、タイヤ外径と専用のサスペンションで「シャコアゲ」。タイヤ外径次第ではノーマルバンパーだとバンパー内側が干渉してしまうのだが、社外の薄型タイプに変える事でその問題も解消。同時に通常の「軽キャン」にはない、タフなビジュアルに仕上がっていた。
ビジュアルといえば、また違ったアプローチで雰囲気を出している軽バンがいた。それが車中泊ハイエースでお馴染み、三重県にある「ダイレクトカーズ」が出展していたホンダ・N-VANベースの「リトリートミニ」だ。
アメリカンカジュアルなスタイルを思わせるウッディなデカールと、メッキとホワイトのディスクが何ともオシャレな、アルミホイールでスタイルアップ。さらにルーフにはキャリアを付け、そのサイドにはオーニングを搭載し、アウトドアキャンプの雰囲気をクルマ全体で盛り上げる仕様だった。
そんな外装に負けじと室内も非常にウッディ、というかこちらがメイン。同社が展開中の「リトリート ワイドモバイル」のレトロちっくな世界観そのままに、軽自動車のN-VANでもそれを再現。ボトム部分に荷物が置けるベットキットや上部両サイドに奢られた棚など、使い勝手のいい1台になっている。ご覧の通り、陳列されていたパンフレットもあっという間になくなっていた。
【ケース_02】日本で最も売れている「スーパーハイト軽」をベースにしたタイプも人気
室内の広さでは「軽商用バン」に負けるが、クルマそのものの「質」を考えるなら、当たり前だが乗用車タイプの方が有利。中でも「スーパーハイト軽」と呼ばれる全高の高い軽自動車は、日本で一番売れているジャンルで、安全装備を始めとして機能が充実。そんな「スーパーハイト軽」をベースにしたキャンピングカーも最近は人気。少し前まではホンダ・N-BOXベースがほとんどだったが(実際この会場にもいた)、スズキ・スペーシアのクロスオーバーモデル「スペーシアギア」もこの日は見かけた。
これは横浜マリナ’RV by スーパークラフトの展示車両。ルーフキャリアに加え、世界的に有名かつ人気のある「フィアマ」のサイドオーニングを付け、足元は人気ホイールメーカー「レイズ」のアウトドア&ライフスタイル系ホイールブランド「チームデイトナ」を合わせていた。
なお車両にはベットキットや天井の防音断熱加工、外部入力コンセントに切り替えリレー&LEDダウンライトなどが標準装備として付いてくるメニューとなっている。
【ケース_03】なんと軽トラベースの「車上泊」キャンピングカーも登場
最後は何とも異色な軽トラベースのキャンピングカー。軽トラキャンピングカーといえば通常なら荷台スペースにいわゆる「箱」を乗せ、その中を居住スペースとするしたモデルがオーソドックス。が、このキャリイは同じ箱でも収納用が搭載されていた。ビジュアルではフロントフェイスをDLIVEN(ドリブン)の「ベビトラ K-150」に換装してさらに2インチリフトアップ。ボディカラーも相まってなんともマッドな姿に。
出展社は東京都にある「カルコア」。じつはキャンピングカーとしてだけでなく、災害ボランティアの現地での自活支援も想定した提案とのことだ。
そのコンセプトの中心となる、荷台に積まれていた箱の正体は、仕事の作業道具や生活に必要な機器などが収納できる、RVインパクト(広島県)製の「DプロイBOX」というもの。密閉が可能な収納部屋や、スライド収納式のシンクなどが搭載されているのが特徴。確かに使い方次第では幅広い用途が期待できそうである。
さらにその上部には、いわゆる「車上泊」ができるルーフトップテントが乗せられる仕様。この日も世界トップ品質を謳うポルトガル製ルーフテント「ジェームス・バロウド」製が乗せられていた。さらにこのボックスにはサイドオーニングも付けられるので、そのモデル次第では色々な展開ができるのも魅力。もはや「軽トラでキャンプ」というスケールイメージは越えている模様。
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