この記事をまとめると
■本格的なオフロード4WDモデルの軽自動車として長年親しまれているスズキ・ジムニー
海外では5ドアが登場したけど3ドアこそ至高! スズキ・ジムニー3ドアには魅力しかなかった
■じつはモータースポーツの世界でもジムニーは活躍している
■ジムニーの魅力をモータースポーツ関係者やドライバーのインタビューを通じて紹介
モータースポーツでも多くの実績を残しているジムニー
軽自動車ながら本格的なオフロード4WDモデルとして1970年にデビューしたスズキ・ジムニーは、林業などの業務用として活躍するほか、キャンプやアウトドアなど、カーライフの相棒としても定着。モデルチェンジを重ねるごとに、時代に合わせたアレンジが行われたこともあって、幅広い層に親しまれてきた。
事実、2018年にデビューした4代目は、同年のグッドデザイン賞において金賞を受賞するなど、スタイリッシュなフォルムとなったほか、エンジンも専用チューニングを実施。さらに衝突被害軽減ブレーキが設定されるなど、安全性能も高められたことから一躍人気モデルとなっており、世界情勢の影響もあって、新車の納期待ちはいまもなお1年以上、中古相場も高値をキープするなど、なかなか手に入らないモデルとなっている。
そんな抜群の人気を誇るジムニーは、じつはモータースポーツでも高い実績を持つ。軽自動車ながら頑丈なラダーフレームにボディが載せられていることもあって、古くからオフロードレースやトライアルで活躍。
神奈川県藤沢市の「ジムニー歴史館」で館長を務める尾上茂氏が、2011年から2014年にかけてラリー・モンゴリアに参戦したほか、1997年のダカールラリーを制した篠塚建次郎選手が、2017年のアジアンクロスカントリーラリーに1600ccのNAエンジンを搭載したジムニーで参戦するなど、国際競技で活躍してきた。
近年では2022年の全日本ラリー選手権・第6戦「ラリー・カムイ」にジムニーが参戦したほか、2023年の大会には同マシンを武器に織戸 学選手の娘である織戸茉彩選手が全日本ラリー選手権にデビューしたことは記憶に新しい。
さらに、2023年12月30日から2024年1月14日にアフリカで争われた第15回アフリカエコレースに、かつて日野自動車のエースとしてダカールラリーで活躍した82歳の菅原義正選手がジムニーで完走を果たすなど、いまもなお、ジムニーは過酷な最前線で活躍している。
ラダーフレームによるシンプルな構造がジムニーの武器だ
もちろん、ジムニーが活躍するフィールドはオフロードだけではなく、ミニサーキットを舞台にしたローカルのタイムアタック競技などでも活躍。
このようにモータースポーツにおいてもジムニーは最前線で活躍しているのだが、その理由はやはり、堅牢なラダーフレームを持つボディとシンプルな構造にあるようだ。
全日本ラリー選手権や北海道を舞台に開催されているXCRスプリントカップにジムニーを投入するKZFサービスの代表かつメカニックの熊崎大介氏によると、「ラリー競技に投入しているジムニーはほぼノーマルの状態で、ロールケージとガード類を装着して、ダンパーとブレーキパッド、クラッチ、ガード類、マフラー、タイヤ&ホイールを交換した程度なんですけど、まったく壊れない。おそらく、車高が高いことと、シンプルな構造になっていることが大きいと思うんですけど、かなりハードなグラベルステージでも無傷で走破できる。しかも、作業性も高いから、メンテナンスも楽です。お金がかからないクルマですね」とのこと。
さらに、熊崎氏は「車両重量が軽いのでコントロールしやすい。デビュー当初はロールオーバーを心配していたんですけど、コントロール性が高いこともあって、これまで誰が乗ってもひっくり返ることはありませんでした」と語る。
ちなみに、唯一のネガティブな部分としては、「居住性が低いし積載量も少ないので、ラリー競技ではジャッキやスペアタイヤの搭載に苦労しています」と熊崎氏。
このように軽クロカン4WDのジムニーは、モータースポーツでも素性のよさを発揮しており、ラダーフレームの堅牢性と軽さを武器に、さまざまなカテゴリーで活躍しているのである。
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