北欧テイストのデザインで人気急上昇中のボルボ。1990年代にはフォードグループに入ったが、2010年には中国の自動車大手「吉利控股集団(Geely Group Holdings)傘下に。しかし、資本は中国でも経営はボルボとしての独自性は守られている。
2010年以降、かつての箱型で頑丈というイメージから、トーマス・インゲンラートをはじめとするデザイナーたちが、北欧スカンジナビアテイストのデザインを前面に打ち出したことで急成長を遂げてきた。
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日本においても2013年に発売されたV40が人気の起爆剤となり、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」では2017年にXC60、2018年にXC40が2年連続で本賞を受賞している。
そこで、ボルボの中古車は今どのモデルが狙い目なのか? 中古車事情に詳しいモータージャーナリストの萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 ボルボ
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高値傾向が続くXC90
2016年1月に導入されたXC90。写真はボディサイズは全長4950×全幅1960×全高1775mm。写真のD5は235ps/48.9kgmを発生する2L、直4ディーゼルターボに8速ATを組み合わせる
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2016年1月に日本市場に導入したフラッグシップSUVのXC90を皮切りにプラットフォームやパワートレインを一新。
中大型車用のSPA、小型車用のCMAといったプラットフォームは内燃機関だけでなく、PHEVそしてピュアEV(電気自動車)まで見据えて作られている。
この大きな投資を行い、一から開発を行った結果、第38回2017~2018日本カー・オブ・ザ・イヤーをXC60で獲得。
そして翌年の第39回2018~2019日本カー・オブ・ザ・イヤーをXC40で獲得し、輸入車が2年連続でイヤーに輝くという偉業を成し遂げた。
この受賞の原動力となったのは以前からのブランドイメージとして挙げられる安全性の高さ、スカンジナビアデザインのセンスの良さに加えてプラットフォームを一新し、走行性能が向上したことなのは間違いない。
新世代モデル第1弾のXC90が2016年に投入されてから、現在販売されているが新世代モデルとなったこのタイミングで、ボルボの中古車の値動きはどうなっているのかを検証し、今狙い目のモデルはどのモデルなのかを紹介していこう。
まず紹介したいのは、現在値上がり傾向となっているモデルからだ。
新世代モデル第1弾のXC90だが、平均価格は3ヵ月前の約665万円から現在は約730万円へと高騰している。
平均走行距離が約1.4万kmから約1万kmまで減少しており、走行距離の延びた価格の安い中古車が市場から姿を消してしまったのだ。
現行新車はすべて48Vのマイルドハイブリッド車にすでに変更されており、エンジンオンリーの中古車はレアとなるので、今後もしばらくは値上がり傾向が続く可能性は高い。
XC40の中古車は400万円を切ってきた
若いユーザー層を狙い、フレンチブルドックをイメージしたエクステリアデザインとしたXC40。ボディサイズは全長4425×全幅1875×全高1660mm
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続いて、XC90と同様に値上がり傾向を示したのは、抜群の人気を誇り、新車の納車期間が半年以上になるなど人気を誇るXC40。
平均価格は3ヵ月前の約470万円から現在は約485万円へと値上がりしている。中古車の平均走行距離も約7000kmから今月は約5000kmまで減少している。
しかし、流通台数は3ヵ月前の約50台から現在は約90台まで増加しており、この値上がりは走行距離の少ない高額な中古車が市場に出回ったことを示している。
XC40の中古車価格帯は約384万~約548万円で走行距離が1万km未満の中古車が400万円を切ってきた。
なかでもT4モメンタムの2WD車のお買い得感は高くなっているので注目だ。そのうえ中古車ならば、すぐに納車できるのも魅力の一つだ。
XC70も値上がり傾向が目立つ
2007年10月から2017年まで販売されたV70のクロスカントリーモデル、XC70
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現行モデル以外でも値上がりが目立つ車種がある。それは、ミドルサイズのV70をベースとしたクロスオーバーSUVのXC70だ。
中古車の流通台数が約25台と少ないこともあるが、平均走行距離は約6万5000km付近を小幅に上下しているにもかかわらず、平均価格は3ヵ月前の約140万円から約206万円へと高騰した。
約30年以上前の240ワゴンが100万円以上で流通
セダンは空飛ぶレンガと呼ばれGT選手権で活躍。1970年代からほとんど変わらない四角いボディが人気の秘密
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また、クラシックボルボとして人気の高い240ワゴンも値上がり傾向だ。こちらも流通台数が約34台と少ないこともあるが、平均価格は3ヵ月前の約122万円から現在は約145万円まで上昇。
平均走行距離が約19万kmから約17万8000kmへと短くなっていることが影響していると思われるが、約30年前近いクルマながら100万円以上の相場となっているのは、240ワゴンの根強い人気の表れである。
値落ちが進み割安感の高いXC60
2017年10月に日本導入となったXC60。ボディサイズは全長4690×全幅1900×全高1660mm
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それではここからは値落ちしていて狙い目のボルボ車をピックアップしていきたい。最初に取り上げるのは2017年10月に導入され、2017~2018日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤカーに輝いたミドルサイズSUVのXC60だ。
中古車の流通台数は3ヵ月前の約180台から現在は約150台へと減少傾向となっているのは懸念材料だが、中古車の平均走行距離3ヵ月前の約1.1万kmから現在は約1.9万kmまで延びている。
その結果、平均価格は約542万円だった3ヵ月前から現在は約536万円へと6万円の値落ち幅を記録している。
現行型XC60の中古車の価格帯は、約395万~約777万円。新車価格が634万~944万円なので、割安感は十分高い。
中古車のグレード構成はすでに絶版となっているガソリンエンジン車の上級グレードであるT5 AWDインスクリプションが約48台で最も多く、価格帯は約398万~約629万円。
続いてはディーゼルターボエンジンを搭載した上級グレードのD4 AWDインスクリプション。約44台となり、価格帯は439万~約698万円で、T5インスクリプションとの価格差は新車時より広がっている。
そして3番目がT5 AWDモメンタムの約26台で、価格帯は約395万~約526万円となっており、T5系の値落ちが目立っている。XC60の中古車の狙い目はガソリン車のT5系で上級グレードのインスプクリプションだ。
V90クロスカントリーも値落ち幅が大きい
V90のクロスオーバースタイルであるV90クロスカントリーは2017年2月に登場。ボディサイズは全長4960×全幅1905×全高1545mm
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続いて値落ちしている車種として紹介するのは、V90CC(クロスカントリー)だ。
このV90CCはステーションワゴンのフラッグシップモデルであるV90をベースに最低地上高を上げ、専用のエクステリアデザインを採用したクロスオーバーSUVで2017年2月に日本市場に導入されている。
V90CCの中古車の流通台数は3ヵ月前の約80台から現在は約55台へと減少傾向となっている。
その一方で、中古車の平均走行距離は約7000kmから約1万5000kmまで倍増したことで、平均価格は約546万円だった3ヵ月前から約535万円へと11万円の値落ち幅を記録した。
ステーションワゴンの人気がふるわないとはいえ、最新の新車価格が744万~904万円のV90CCがわずか2年落ちでこの価格はオイシイ。
V90CCの中古車の価格帯は約363万~約728万円で、500万円以下のプライスを付けた中古車が約21台も流通している。
グレード構成を見てみると、ガソリン車の上級グレードであるT5 AWDサマムが約17台で最も多く、価格帯は405万~約590万円。
続いて多いのはディーゼルターボエンジンを搭載した上級グレードのD4 AWD サマムの約13台で、価格帯は約539万~約638万円。
そして約8台でD4 AWD モメンタムが続き価格帯は約378万~約530万円となっている。
T5 AWDサマムの新車時価格は794万円だったので、最大の値落ち率は約49%を記録。またD4 AWDサマムの新車時価格は824万円だったので、最大約35%の値落ち率となっている。
したがって流通台数の豊富なガソリン車のT5 AWDサマムがオススメだ。ちなみにガソリン車の標準グレード、T5 AWDモメンタムも値落ち率は約49%となっているが装備面での魅力がサマムのほうが高い。
ボルボ中古車のなかで最も狙い目はV40
2013年2月に導入されたV40。写真はトール・ハンマーをモチーフにしたヘッドランプを採用する2016年7月のマイナーチェンジモデル。2019年モデルで生産終了。ボディサイズは全長4370×全幅1785×全高1440mm
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そして、ボルボの中古車で現在最も狙い目となっているのが、2019年に生産を終了しているV40だ。
2013年に日本市場に導入されたV40はプレミアムコンパクトで、都市部に多い立体駐車場に対応したボディサイズであることも功を奏して大ヒット。
ボルボブランドの躍進のきっかけとなった。V40は標準モデルに加えて、CC(クロスカントリー)というクロスオーバーSUVモデルも用意されていたが、その両モデルともに大幅な値落ちを記録していて狙い目となっているのだ。
まずは、V40の標準モデルからだ。V40の中古車の流通台数は3ヵ月前の約800台から約630台へと減少傾向となっている。
流通している中古車の平均走行距離は約1万2000kmだった3ヵ月前から現在は約1万8000kmまで延びている。
その動きにリンクして、平均価格は約226万円だった3ヵ月前から、現在は約210万円へとわずか3ヵ月で10万円と価格帯を考えると暴落といえるほどの値落ち幅を記録している。
平均価格の推移を1年というもっと長いスパンで見てみても、2019年12月の約248万円から順調な値落ち傾向が続いており、2020年10月からは値落ち幅が加速して大きくなっているのだ。
V40の中古車の価格帯は約27万~約339万円で、100万円以下のプライスを付けた中古車が約78台もある一方で、300万円以上の高価格帯では、最終モデルとなったT3クラシックエディションの未使用中古車がズラッと並んでいる。
このクラシックエディションは本革シートをはじめとした豪華装備てんこ盛りのグレード。買いそびれたという人やV40を最近注目した人にはオススメのグレードだ。
V40の中古車のグレード構成は初期モデルのT4SEが最も多く約112台。価格帯は約27万~約158万円だ。
2018年12月に設定された特別仕様車のT3タックエディションの約77台。高年式車しかないが、価格帯は約229万~約310万円と走行距離が少ない中古車が中心にも関わらず、最大で約39%の値落ち率を記録している。
そして3番目に多いのがディーゼルターボエンジンを搭載したD4 モメンタムの約60台。
価格帯は約185万~約333万円で、最大約56%の値落ち率を記録した。コンパクトカーでディーゼルエンジンを搭載した数少ないモデルなので、この値落ちのタイミングは見逃せない。
ボルボ中古車の最大の値落ち幅を記録したV40クロスカントリー
V40をクロスオーバースタイルにしたV40クロスカントリー
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そして、現在ボルボ車で最も大きな値落ち幅を記録したのが、クロスオーバーSUVのV40CCだ。
流通台数3ヵ月前の約210台から、約165台へと減少傾向となっているが、平均走行距離が約1万7000kmから約2万7000kmまで延びている。
その動きに連動して平均価格は約252万円だった3ヵ月前から今月は約225万へと27万円の値落ち幅を記録している。
V40CCの平均価格の推移も1年スパンで見てみると、2019年11月の約287万円から緩やかな値落ち傾向が続いていた。
それが2019年9月になると値落ち幅が大きくなっているのだ。V40と同様にまさに今大幅な値落ち傾向となっていてV40CCは狙い時なのだ。
V40CCの中古車の価格帯は、約106万~約399万円。グレード構成はデビュー当初から設定されているT5 AWDが約42台で最も多く、価格帯は約106万~約157万円。
続いて多いのが、ディーゼルターボエンジンを搭載したD4 サマムで価格帯は約208万~約329万円。3年落ちの中古車で最大約55%の値落ち率となっている。
3番目に多いのがD4 SEの19台で価格帯は約129万~約239万円だ。4WD車はT5 AWDは多いが、これに続くのは約14台のT5 AWD サマムで価格帯は約169万~約308万円。3年落ちのT5 AWD サマムは最大で約51%の値落ち率だ。
こうして見ると、年式の進み、走行距離が延びたモデルを除くと、ディーゼルの2WD車に割安感が高くなっている。
したがってV40CCの狙い目はD4といえる。ボルボは現在エンジンラインアップの変更を進めているので、絶版となったガソリンエンジン車の値動きが注目のポイント。
値上がり傾向となっているXC90やXC40、流通台数が少なく目立った値動きのないV60、S60でも今後は動きが出たり、変わったりするので注視していきたい。
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