■「GTスピード」は、2021年内にデリバリー開始!
2021年3月23日、ベントレーモーターズは新型「コンチネンタルGTスピード」の詳細を発表した。
【画像】圧倒的存在感! 新型「コンチネンタルGTスピード」ディテールチェック(25枚)
すでに日本では受注が開始されており、デリバリーは2021年第4四半期を予定している。車両価格(消費税込)は、3390万円だ。
ところで「スピード」という名称は、元々は1920年代の名車「3リッタースピード」に与えられていたモデル名にまで遡ることができる。2007年に登場した初代コンチネンタルGTスピードで初めて「スピード」とうモデルが設定され、その後、2世代目のコンチネンタルGTにも設定された。
第3世代となる新型GTスピードの設計、エンジニアリング、開発、ハンドクラフトによる製作は、カーボンニュートラルの認証を取得した英国のファクトリーにておこなわれる。
●新たなシャシ技術がもたらすスポーツ性能
コンチネンタルGTスピードには、専用の高度なシャシ技術が採用された。
新設計のエレクトロニック・オールホイール・ステアリングによって、ドライブモードを「ベントレー」や「コンフォート」にしたときの動的性能が格段に向上。また、GTスピードの本領を存分に発揮したい場合は、「スポーツ」モードを選択するとよい。ベントレーダイナミックライドとエレクトロニック・リミテッド・スリップ・デファレンシャルがステアリングと連動することによって、ベントレーのほかのロードカーでは味わえないレベルの機敏さとなっている。
また、「ベントレー」モードと「コンフォート」モードにおいては前後ホイールのグリップバランスを調整し、「スポーツ」モードでは、どのような走行シーンでもトルクがリア寄りに配分されるように設定されている。
低中速走行での旋回時には、前輪と逆位相に後輪が操舵されて回頭性が高まり、一段とキビキビとした走りを実現。これまでよりもクイックレシオに設定されているため、ステアリングの切れ味は鋭く、ダイレクトな操舵フィールを堪能できる。
高速時は後輪が前輪と同位相に操舵されることによって、安定性が向上。エレクトロニック・オールホイール・ステアリングは、「フライングスパー」に搭載されていたものと比較すると、かなり積極的に作動する仕組みとなった。これは、フライングスパーでは旋回半径を小さくし、高速安定性を高めることが主な目的であったためだ。
シャシ技術のトピックは、エレクトロニック・リア・デファレンシャル(eLSD)がベントレーで初めて導入されたことだろう。
このeLSDは、トラクションコントロールやアクティブシャシシステムと連携するように特別にチューニングされており、左右方向の許容範囲の拡大、前後方向の安定性の向上、アクセルオン時の調整の強化を実現し、悪路ではトラクション性能を高めることができる。
「ベントレー」モードと「コンフォート」モードでは、eLSDによってトラクションが向上するため、安心感に満ちたドライビングを楽しめ、高速走行時の安定感も格段に向上。「スポーツ」モードでは、アクセルオン・オフ時の調整をバランスさせ、ターンインのレスポンスを改善させて直進性を向上させるようにeLSDがチューニングされた。
ベントレーの3チャンバー・アクティブ・エアサスペンションとアダプティブダンパー、そしてベントレーが「ベンテイガ」や第3世代のコンチネンタルGTにいち早く採用した48Vのアクティブアンチロール制御システム「ベントレーダイナミックライド」は、シャシ技術の要であり、互いに連携して妥協なきボディコントロールと乗り心地を実現している。
ベントレーダイナミックライドは、各アンチロールバー内に搭載されたパワフルな電気モーターが車体のロールを抑制。もっとも硬い設定にすると、各モーターが0.3秒で1300Nmを発揮してコーナリングフォースを抑え、ボディを水平に保つ働きをする。
また、エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)は、ドライブモードに応じてドライバーが可能な限り自由な走りを楽しめるように設定された。
危険な状態が検知されるとGTスピードに搭載されたセーフティシステムが作動し、ESCが介入するとで、でこぼこな路面や傾斜面または荒天時でも安定性がしっかりと確保される。
ただし、「ダイナミック」モードではESCの介入が抑えられ、腕に自信のあるドライバーはコーナリング時の車両姿勢を自身でコントロールすることも可能となっている。
さらにESCをオフにすると、GTスピードのトラクションとこのクルマ本来のバランス性能が際立ち、これまでベントレーのレーシングマシンでしか体験できなかったドライバー重視の走りを堪能することもできる。
オールホイールステアリングとeLSDの効果によって鋭いターンインを決めた後、アクセルとステアリングを巧みに操作し、コーナーをクリアするという走りも可能なのだ。
■圧倒的性能とラグジュアリーの融合
GTスピードに搭載されるエンジンは、6リッターW12気筒TSIの改良版だ。
最高出力は現行のW12モデルを24ps(4%)上回る659ps、最大トルクは900Nmを発揮。最高速は335km/h、0-100km/h加速は3.6秒となり、現行のW12モデルから0.1秒短縮した。
●W12から生まれる圧倒的パフォーマンス
エンジンとトランスミッションはドライバー重視というGTスピードの資質を活かすべく、入念に調整されている。その特性をもっとも体感できるのが、ドライブモードを「スポーツ」モードに選択したときである。
「スポーツ」モードでは、シフトアップのタイミングを遅らせ、シフトダウンを早めることにより、W12ツインターボチャージャーがパワーバンドに長く留まるようチューニングされた結果、ドライバーのアクセル操作に対し、クルマがより機敏に反応するようになっている。
さらに「スポーツ」モードではスタンダードなW12モデルと比べて、8速デュアルクラッチトランスミッションが2倍の速さで変速。また、始動時とシフトダウン時のエキゾースト特性も強化されており、耳でもW12を堪能することができる。
圧倒的なシャシ性能とエンジン性能を持つGTスピードには、それに相応しい新設計のカーボンセラミックブレーキがオプションとして導入された。
耐フェード性に優れ、カーボンシリコンカーバイド製ブレーキディスクは非常に食いつきがよく、最高速からのフルストップ時に発生する最大10メガジュールのエネルギーも、10ピストンのフロントキャリパーと4ピストンのリアキャリパーが圧倒的な制動力で受け止めてくれる。
素材をカーボンセラミックにすることによってばね下重量が33kg以上も軽くなる上、ブレーキダストが極めて少なく、スピードモデル専用22インチホイールの美しいルックスをキープすることもできる。
●環境性能も抜かりなし
ベントレーのストップ・スタートテクノロジーを採用することで、車両が静止しているときに加え、停車直前にもエンジンが止まるようになっている。
ベントレーの可変シリンダーシステムは特定の条件下で、12気筒の内の6気筒が休止し6気筒エンジンとして作動するため、燃費の向上に貢献している。
もちろん、気筒の休止や復帰のタイミングがドライバーに気づかれてしまうようなことは一切ない。
●速さを物語るエクステリア
GTスピードのエクステリアでは、ラジエターグリルとバンパーロアグリルをダークティントとしたほか、造形の美しいスポーツタイプのドアシルやダークティントのラジエターマトリクスを採用し、フロントフェンダーにはクロームのスピードバッジがさりげなくあしらわれた。
ホイールは、ブライトシルバーのスピード専用22インチホイールとなる。ダークティント仕上げまたはブラックグロス仕上げのオプションも選択可能だ。
また、「ジュエル」フューエルフィラーキャップと「ジュエル」オイルフィラーキャップは標準装備。両サイドのドアシルには、イルミネーション付きベントレートレッドプレートがセットされる。
●ラグジュアリーを極めたキャビン
室内はレザーとアルカンターラで手仕上げされたデュオトーンカラースプリットで彩られ、ステアリングホイールも同様のカラーで統一される。
助手席側フェイシアに設けられたエレガントなスピードのアイコンは、エクステリアのバッジと揃いのデザインだ。
さらに豪華なインテリアを自分好みに演出できるよう、メインハイド15色とセカンダリーハイド11色が用意されているほか、スピード専用カラースプリットではアルカンターラをレザーに置き換えることも可能だ。
また、センターコンソールのオプションとして、エンジンターン加工されたダークティントのアルミニウムを新たに追加。機械加工によって刻まれた緻密な幾何学模様が美しい仕上げとなっている。
ベントレーの「ダイヤモンド・イン・ダイヤモンド」キルトは、標準装備に含まれ、ヘッドレストに施された「Speed」の刺繍が、スタンダードなコンチネンタルGTと差異をアピールする。
ウッドパネルは標準設定のPiano Blackをはじめ、さまざまな種類が用意されている。Crown Cut Walnut、Dark Stained Burr Walnut、Dark Fiddleback Eucalyptusは無償オプションとなり、木目の美しさを生かしたオープンポアフィニッシュには、Dark Burr Walnut、Crown Cut Walnut、Koaの3種類が用意されている。
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