現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 2億円が当たり前になったランボルギーニ「ミウラ」のスーパーカーブーム時代の評価は低かった!?【スーパーカー列伝08】

ここから本文です

2億円が当たり前になったランボルギーニ「ミウラ」のスーパーカーブーム時代の評価は低かった!?【スーパーカー列伝08】

掲載 12
2億円が当たり前になったランボルギーニ「ミウラ」のスーパーカーブーム時代の評価は低かった!?【スーパーカー列伝08】

今や誰もが認めるスーパーカーの金字塔、ミウラ

1970年代中ごろ、子どもたちの周りにあるさまざまなモノがクルマ関連グッズと化した空前絶後の「スーパーカーブーム」は、池沢早人師さんによる漫画『サーキットの狼』をきっかけとして巻き起こりました。当時の子どもたちを熱狂させた名車の数々を振り返るとともに、今もし買うならいくらなのか? 最近のオークション相場をチェック。今回は、スーパーカー・ブランドとしてのランボルギーニの礎となった「ミウラ」を振り返ります。

マセラティ「ボーラ」は「通好み」すぎる! 子どもには難しすぎたスーパーカーの現在の相場は?【スーパーカー列伝06】

70年代のお子さまの間では「脇役」

今でこそ「スーパーカーの中のスーパーカーはミウラだ」と声高に叫ぶクルマ好きが増えたが、やはり、70年代スーパーカーブーム全盛時のヒーローはランボルギーニ「カウンタックLP400」とフェラーリ「365GT4/BB」であった。

そのため、ブーム当時の子どもたちにとってのミウラは「ランボルギーニの名を世界に知らしめた名車」といったもので、現在一部のカーマニアが提唱しているキング・オブ・スーパーカーというポジションではなかった。子どもたちのバイブルだった自動車大百科の巻頭グラビアページに登場することも少なかったので、誌面におけるヒエラルキーは低かったといっていい。

ミウラは、ランボルギーニ初のミッドシップモデルとして1966年のジュネーブ・ショーでデビュー。このときにリリースされたのは、初期モデルにあたる「ミウラP400」だ。当時のチーフエンジニアであったジャン・パオロ・ダラーラが設計したシャシーに、ベルトーネ在籍時代のマルチェロ・ガンディーニがデザインしたボディを組み合わせていた。

ミウラを題材としたスーパーカー消しゴムも存在したが、やはり、ガンディーニによって描かれた繊細なボディラインをカーケシサイズで再現することは難しく、お子さま目線では、あまりピンとこなかったというのが正直な印象だ。

350馬力のV12エンジンと美しすぎるスタイル

スーパーカー消しゴムではイマイチだったが、実車のミウラは高剛性シャシーに排気量3929ccのパワフルなV型12気筒エンジンを横置きに搭載するという高度なメカニズムと、ガンディーニによる美しいスタイリングがバランスよく融合していたこともあり、ミウラP400はランボルギーニの知名度を上げる存在として大いに注目されたのだった。

その後、最高出力350psだったミウラP400のパワーアップ版として、1968年にP400Sが登場。車名の最後に付いた「S」はイタリア語のスピント(「超越した」の意味)の頭文字で、V型12気筒エンジンの圧縮比を高めるなどして最高出力が20psアップしていた。

1971年にミウラの最終進化型としてリリースされたP400SVに搭載されたパワーユニットは、最高出力385psを発生。こちらの「V」は、イタリア語のヴェローチェ(「速い」の意味)の頭文字だ。ミウラP400/P400Sとの識別ポイントは、ヘッドライトの「まつ毛」が無くなったこと、テールランプのデザインが変更されたこと、リアフェンダーが拡げられたことなどだ。各モデルの生産台数は、ミウラP400が475台、ミウラP400Sが140台、ミウラP400SVが150台といわれている。

フェラーリ初のミッドシップモデルであるディーノ206GTが登場したのは1967年のことだったので、それに先んじて横置きミッドシップというレイアウトを実現させたミウラP400はスーパーカーのパイオニアと呼んでもいいのかもしれない。

『サーキットの狼』では飛鳥ミノルの愛車だった

スーパーカーブームのきっかけとなった漫画『サーキットの狼』(1975年から週刊少年ジャンプでの連載がスタート)では、若手の実力ナンバーワンレーサーとして注目された飛鳥ミノルの愛車としてミウラP400Sが登場。主人公である風吹裕矢の兄貴的存在であった飛鳥は、風吹の姉であるローザと結婚したこともあり、劇中におけるミウラP400Sは「善玉/悪玉」というシンプルな分け方をするなら、善玉であった。

キング・オブ・スーパーカーとして知られるカウンタックがランボルギーニの名声を不動のものにしたエキゾチックカーだったとすると、ミウラはランボルギーニが送り出した最初の傑作車だと言うことができ、なおかつ初めてフェラーリに対抗できたスーパースポーツカーだったと解釈できるだろう。

オークションでの最新相場は

世界的にファンが多いこともあり、ミウラの流通価格は超高値で推移している。たとえば2022年9月にスイスでRMサザビーズが開催した「ST. MORITZ」オークションでは、フルレストア済みの白い1968年式ミウラP400が出品され、140万~160万スイスフラン(邦貨換算約2億800万円~2億3800万円)と高額のエスティメート(推定落札価格)がつけられた。

この個体は残念ながら落札されなかったが、ほかの海外オークションでも2億円や3億円での落札は当たり前なのが実勢。以前、日本国内のショップで伺ったP400Sの販売価格が2億5000万円で、P400も同じぐらい、P400SVは3億5000万円だったので、もはやミウラは世界的に誰もが認めるプレミアム・スーパーカーの殿堂に入っていると考えていいだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

12件
  • サーキットの狼世代ですが、ミウラは人気でしたよ
    フラッグシップモデルで人気が無かったのは、デイトナかな
  • 40年も経てば評価も変わると言うか、40年分の評価が付け加わる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1880.03258.0万円

中古車を検索
GTの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2695.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1880.03258.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村