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次期型マカンはBEV専用のプラットフォームを採用「ポルシェ メディアワークショップ フランチャコルタ 2022 」【Special Report】

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次期型マカンはBEV専用のプラットフォームを採用「ポルシェ メディアワークショップ フランチャコルタ 2022 」【Special Report】

PHEVやBEVのラインナップを多く揃えた電動化のパイオニアであるポルシェが、次世代の電動パフォーマンスを見せるワークショップ「NEXT LEVEL E-PERFORMANCE」を開催した。次期型マカンが採用するPPEプラットフォームなど、ポルシェの「本気」と「熱気」が伝わるメニューを満期っした。(Motor Magazine2023年1月号より)

PPEプラットフォームはフレキシブルな使い方が可能
ポルシェはすでに次世代の電動化モデルを見据え、さまざまな開発テストを行っている。その現時点の進捗具合を紹介する「NEXTLEVEL E-PERFORMANCE」というワークショップが、イタリアのミラノ郊外にできたポルシェエクスペリエンスセンター・フランチャコルタで開催された。

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ここでのメニューは、ポルシェのEモビリティ/718ケイマンGT4 eパフォーマンス同乗試乗/フォーミュラE「GEN3」/次期マカンが採用するPPEプラットフォーム/ゼロインパクトファクトリー/タイカンロングドライブと多岐にわたった。

まずはPPEプラットフォームだが、これは「プレミアム プラットフォーム エレクトリック」のことでポルシェのBEV、とくにSUVに採用されるものだ。すでに次期マカンはこのPPEを使うことが公表されいる。つまりPPEを使う最初のポルシェである。

さらに将来的には、マカンよりも大きなモデルへも採用されることだろう。具体的には、BEV化されるカイエンにも使われると予想される。ただし、そこまではポルシェ言及していない。

ポルシェは、2025年に新車の半分を電動化(BEV/PHEV)する目標を掲げている。さらにその先として2030年に新車の80%以上のBEV化を目標にしているが、その達成のために重要なのがこのPPEなのである。ただし、PPEはポルシェの立てた目標を達成するためのツールのひとつであると言う。

ワークショプで判明したBEVの新マカンは、タイカンと同様に800Vテクノロジーを採用し、最新世代の電気モーターを搭載、長距離を走ることができる100kWhのリチウムイオンバッテリーと高性能な急速充電機能を有するという。

トップモデルのシステム最高出力&最大トルクは450kW&1000Nm以上で、前後に電気モーターを搭載、前後重量配分は48対52を実現する。さらにマカンとしては初めてリアアクスルステアリングも採用される。こうしたことを知るにつれ、早く試乗してみたいという思いを強くした。

BEVのGT4による新たなワンメイクレースを検討中
718GT4 eパフォーマンスには同乗試乗ができた。このBEVのレーシングカーは、予選モードでは、800kW(1088ps)、レーシングモードでは、450kW(612ps)を30分連続で発生させることが可能だという。またラップタイムと最高速度は、タイプ992のGT3カップに匹敵するという。

2.5kmのメインコースを2周したが、そこではこれまでに経験したことのない加速力に圧倒された。実にエキサイティングな2ラップだった。

ポルシェは、このGT4 eパフォーマンスでのワンメイクレースを検討、今後2年間をかけてその可能性を模索するという。独特のeパフォーマンスサウンドでサーキットを周回する姿が3年後には見られるかもしれない。

2023年シーズンからフォーミュラEに参戦するポルシェの第3世代のマシン「99X Gen3」のプレゼンテーションも行われた。

このマシンは第2世代に比べ重量は53kg軽量化、出力は136ps向上、モーターもフロントとリアに搭載され、エネルギー回生は250kWから600kWに増えているという。これがスターティンググリッドに並ぶ姿を見られるのも、もうすぐである。

ポルシェはゼロインパクトファクトリーという目標も掲げている。これは2030年までにバリューチェーンも含めCO2ニュートラルを目指すというものだ。

具体的には、再生可能エネルギーや化学薬品の使用、廃水処理で水の消費量の削減、組み立てやボディ構造時の接着剤使用を減らすなどにより、ツッフェンハウゼンとライプツィヒ工場のCO2排出量を18年比で95%削減などが進んでいる。こうしたことの積み重ねにより、ツッフェンハウゼン工場だけでも、年間40万kW以上の電力を節約しているという。

日本と欧州の急速充電やインフラの違いが大きすぎる
このワークショップの最後には、2022年11月に10万台目がツッフェンハウゼン工場から出荷され、23年モデルのディスプレイなどがよりカラフルになり、ソフトウェアのアップデートはオンラインでできるように改良された最新版タイカンの試乗もできた。ちなみにクロスツーリスモは荷室容量も増えているという。

19年デビューのタイカンは、その後3ボディ14ラインナップまで拡大、試乗用に揃えられたのは日本未導入のスポーツツーリスモを含む全ラインナップである。その中で今回、試乗に選んだのはタイカン4Sクロスツーリスモだ。

バッテリー残量92%、走行可能距離336kmでスタートした試乗は、一般道、高速道路、ワインディングロード、オフロードを含め71.3km走り、熟成度などを確認した。試乗終了後は、充電残量73%、走行可能距離255kmと実走行距離との差異も少なかった。

試乗したタイカンの熟成ぶりとともに驚いたのは、このPECフランチャコルタには300kWの急速充電があり、欧州では最大で350kWもあるという。振り返れば、日本の急速充電は最高150kW。いまだに50kWが主流で場所によっては20kWとか30kWがあるようでは、航続距離が長く、大きなリチウムイオンバッテリーを積んだBEVの充電には不便だ。

日本も早急に大容量急速充電のインフラを整備してほしいものである。 (文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:ポルシェジャパン)

[ アルバム : ポルシェ メディアワークショップ フランチャコルタ 2022 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

6件
  • タイカンの売上は早くも息切れ状態でパナメーラにさえ抜かれそうな雰囲気。ポルシェみたいに走りの魅力で売ってきたメーカーはこの先大丈夫なんだろうか。
  • >日本の急速充電は最高150kW。

    日本のテスラスーパーチャージャーは250kWです。
    チャデモは本当に遅れていますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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