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BMWの次世代SUVを知る──新型iX5試乗記

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BMWの次世代SUVを知る──新型iX5試乗記

BMWの新しいSUV「iX5」に、小川フミオがベルギーで乗った。燃料電池搭載で、走りはいかに!?

走らせると“らしさ”はしっかり

愛車の履歴書──Vol15.瀬戸朝香さん(後編)

クルマの未来は、バッテリーだけでない。BMWが、水素で走る燃料電池車の開発に熱心だ。これが、かなり良い出来である。

2023年2月、BMW本社は、ベルギー・アントワープを舞台にiX5なる燃料電池車のジャーナリストむけ試乗会を開催した。

燃料電池車は、水素を燃料にして、そこから電気を取り出してモーターを駆動して走る。すでにトヨタが「MIRAI」、ホンダが「クラリティ」を発表しているので、ご存知のかたもいるはず。

「水素のいいところは、固形にできる点で、つまり、運搬できる“エネルギー”にある点です」

iX5に搭載された水素システムのプロジェクトの責任者(ジェネラルプログラムマネージャー)であるBMWのユルゲン・グルドナー氏は、水素の可能性について言及する。

「トラックや船舶などの運送業界で、水素は次世代のエネルギーとして注目されていて、いま世界的に投資が呼び込めています。つまり成長産業なのです」

ミュンヘンのBMW本社からアントワープまで出張してきた、同社の取締役会のオリバー・ツィプケ会長は、インタビューに応えて、上記のように語ってくれた。

静止状態から100km/hまでを6.0秒で加速する駿足を誇り、高速でどこまでも走り続けられるのが、BMWの燃料電池車の優位性である。

「実際に販売まであと6年から7年ぐらいかかるんじゃないか? と、思っています」

意外にも、アントワープで話を聞いた開発責任者は、そう語ってくれた。

時間がかかるのは、2025年発表予定の次世代の電気自動車用(「ノイエクラッセ」とBMWは呼ぶ)用プラットフォームを使うことが計画されているなど、「やるべきことが多いから」だそう。

既存の「X5」のプラグイン・ハイブリッドモデルをベースに、実験的に作られた今回のiX5。運転してみると、実験的という言葉が信じられないほどよく出来ている。

動力はモーターなので、スムーズな加速性と高い静粛性はおなじ。日本の競合車と違い、水素を送るときの高音も聞こえてこない。

発進時からトルクがたっぷりあって、たとえば「エコプロ」モードでも、うっかり強めにアクセルペダルを踏み込むと、市街地では先行車に追突しそうになる。

とはいっても、基本的には、パワー感を前面に押しだしていない。加速は上記のとおり、その気になれば、かなり速いものの、通常はガソリン車のようにじわーっと加速していく。

iX5の開発でもっとも難しかったところは? と、エンジニアに私が質問すると「BMWを作らなくてはいけなかったところです」という答えが返ってきた。

BMWらしいドライビングプレジャーは前出のツィプケ会長も強調していた。

じっさい、iX5に重ったるさはなく、足の動きはしなやかで、かつハンドリングはスポーティ。ステアリングホイールを動かしたときの車体の反応は速い。やや神経質すぎると感じたほどだ。

「私たちは繊細な操舵感覚をたいへん重要視しています。これからは、それに後輪操舵システムを組み合わせ、私たちが目指すドライビングプレジャーが実現するでしょう」

ジェネラルプログラムマネージャーのユルゲン・グルドナー氏の言葉だ。

どんなパワートレインでも、BMWが作ればBMW。いろいろな企業の協力を得て(最たるものは電池の技術を提供するトヨタ自動車)作りあげたiX5だが、味つけはしっかりBMWである。

ちなみに、アントワープで乗ったクルマはX5がベースだったが、販売されるときは、まったく新しいデザインになる可能性が高い。

「ディー」というカメレオンのように車体色が変わるモデルも将来の計画にあるBMWだけに、そこも楽しみだ。

文・小川フミオ

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みんなのコメント

2件
  • フミオとキモトさんの駆け抜け煽る悦び。
  • 車幅2m超えを気にしないで乗れるようになるには、日本の駐車場が次世代になることを
    待たなくちゃね。途上国に転落した以上、夢のまた夢だろうが。路側帯に駐車すんなよ、
    下手くそBMドライバー。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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