この記事をまとめると
■毎年8月中旬にカリフォルニア州モントレーにて「モントレー・カー・ウイーク」が開催される
■モータースポーツ関連モデルの集まり「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」へ行った
■同イベントではプレミアムメーカーの新型車発表やヒストリックモデルのコンクールが行われている
プレミアムメーカーの新型車発表ラッシュ
毎年年末が近づく頃になると、お付き合いのある会社からさまざまなカレンダーが送られてくるようになる。どれもその素晴らしい仕上がりに感動させられるのだけれど、便利さという点で考えると、その中でも一番重宝するのは、いわゆる卓上カレンダーだ。予定をすぐに書きこむことができるし、何となく忙しさもイメージできるからね。
その卓上カレンダー、毎年お好みのものが届くと、まずやることは8月半ばの1週間を予定ありの意味でアンダーラインを引くことだ。
それはアメリカのカリフォルニア州モントレーとその周辺を会場にさまざまなカーイベントが行われる、いわゆるモントレー・カー・ウイークを現地で過ごすため。一応の個人的な目標は、人生の夏休みの半分はモントレーで過ごすこと。実際にその数字をクリアするのは難しいかもしれないけれど、悪くはない目標だ。
ということで今年も訪れたモントレー・カー・ウイーク。わざわざ一日早出して見ようと思っていた「ツアー・デレガンス」(ペブルビーチ・コンクール・デレガンスの一環で、このラリーに参加したクルマには加点が与えられる)は、交通渋滞や道路封鎖の影響もあって残念ながら観戦は断念。
そのままモントレーの隣町、カーメルにある高級ゴルフ&リゾートのクエイル・ロッジで行われている、「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」へと向かうことにした。このイベントは今年でまだ19回目と歴史は長くはないが、そもそもモータースポーツに関連するモデルのギャザリング(集まり)として始まったコンクールイベントも、最近では自動車メーカーによる新型車発表の舞台として活用されることも多くなった。
その多くはもちろんスーパースポーツやプレミアムブランドからのニューモデルだ。ランボルギーニは世界中が注目していたウルスをここでワールドプレミアし、ベントレーもベンテイガのEWB(エクステンデッドホイールベース)仕様や、わずか18台の限定車バトゥールを初披露。
さらに、マクラーレンに至っては一切の予告なく、ゲームソフト「グランツーリスモSPORT」に登場するソーラスGTを25台の限定車として発表している。
ほかにもゴードン・マレー・オートモービル(GMA)やケーニグゼグ、パガーニ等々、それらのブースは本来メインキャストであるはずのクラシックモデル以上にゲストの視線を集めていたが、それでもモーターショーのように混雑した雰囲気がないのはこのイベントの特長だ。
それは、主催者があえて入場者数を絞ってチケットを販売しているからで、しかもその入場料は最低でも600ドル以上はする。参考までにそのチケットは、前売りの段階で瞬時にソールドアウトしてしまうというから、ペニンシュラ・グループのクエイル・ロッジによるケータリングも味わえる、このイベントの人気の高さは十分に想像できるだろう。
超絶クオリティのクラシックカーのコンクールも開催
フェアウエイ上に並べられたクラシックモデルのクオリティもとても高い。今年の特集は、「BMW Mの50周年」と「ル・マン24時間レースでのジャガーの勝利から70周年」。
そして「ミニのすべて」とされていた。
そして、今年のコンクールでベスト・オブ・ショーに輝いたのは、アリゾナ州からエントリーした、1956年式のジャガーDタイプだった。かつてロード&トラック誌のテストで、0-60マイル(96km/h)加速で4.7秒を記録し、同時に162マイル(約259km/h)の最高速を記録したというこのモデルは、その後、アメリカ国内のレースで大活躍した記録を持っている。コンディション、ヒストリーともに、誰をも納得させる一台といえたのだろう。
「ザ・グレート・フェラーリ」や「エボリューション・スーパーカー」など、ほかのクラスにも見どころは多かった。
気づけばすでに時間は夕刻、ほかのアポイントもあったので、後ろ髪をひかれながらこの会場を去るのは、じつに残念なことだった。そして来年もまた、必ずこのイベントを再訪する。そう心に決めたのは言うまでもない。
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