ジープ「チェロキー」の上級版として1993年に登場した「グランドチェロキー」は、わが国でも人気を博した。あれから約27年、4代目になった“グラチェロ”の魅力とは?
唯一無二の個性
ジープ「グランドチェロキー」が有する最大の魅力は“個性”である。つまり、エンジンのフィールとか乗り心地とか、キャラクターがたっている。唯一無二ともいえる”味”はいまも健在だ。
昨今の日本市場では、コンパクトSUVの人気が高い。全長4835mm、全高1805mmに達するグランドチェロキーはコンパクトとはいえない。しかし、大きなSUVならではの魅力がある。
ひとつは、広いインテリアだ。4人のおとなが乗れて、荷物がたっぷり積める。もうひとつは、2.5tの車両重量がもたらすどっしりした快適な乗り心地。そして、エンジンパワー。重量級のボディながらスポーツカーなみのダッシュ力だ。
すこし詳しいひとなら、グランドチェロキーは先代メルセデス・ベンツの「GLEクラス」(当初はMクラスと呼ばれていた)と、一部シャシーを共用しているのを知っているかもしれない。
2010年にデビューしたグランドチェロキーは、マイナーチェンジが2回おこなわれているとはいえ、そのあいだにメルセデス・ベンツGLEクラスはフルモデルチェンジを実施している。「グランドチェロキー、古いのでは?」という懸念があるかもしれない。
jeepheritageたしかに古さを感じる部分もある。が、楽しい。サーキットでのラップタイムを競うスポーツカーならいざしらず、気持ちよく走れることを軸に評価するなら、10年選手とはいえ、乗る価値は十分にあると思う。それが今回試乗しての結論だ。
ちなみに、これまでに実施された2回のマイナーチェンジによって、完全停止機能つきアダプティブ・クルーズ・コントロールやブラインドスポットモニター、駐車支援システム、リアビューカメラなどの先進安全装備は標準化された。
驚きのダッシュ力
乗ったのは「グランドチェロキー・リミテッド」。自然吸気の3604ccV型6気筒エンジンを搭載する。最高出力は290ps、最大トルクは347Nmだから、たとえば、ボルボの2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンよりトルクは小さい。
グランドチェロキーのV6エンジンは、しかし、体感的にはかなりパワフルだ。ひとつは発進時の加速力。アクセラレーターに載せた足の力をほんの少し強めるだけで、スポーツカーのようなダッシュを見せる。2.5tのクルマとは思えない。
最高出力の発生回転数は6400rpm、最大トルクは4000rpmなので、回転が上がっていくにつれて、もりもりと力を出していく。エンジンを上の回転域までまわして走る、自然吸気エンジンならではの感覚は、いまどき珍しい。
私がもうひとつ気に入っているのは、ストローク感のあるサスペンションがもたらす乗り心地のよさ。電子制御式エアスプリングは、高速での車高調整機能などを持ついっぽう、ボディをゆっくり上下に揺らしながら走る、昔からの味を残している。
ちなみに、グランドチェロキーとV型8気筒エンジンの組み合わせが欲しいなら、「SRT8」というモデルが設定されている。トルクのかたまりのようなエンジンを搭載するのが特徴だ。とはいえ、V6でもパワーに不足はないはず。コーナリング性能をみても、軽いエンジンのほうがより自然な感覚だ。
ほかにも“グラチェロ・ファミリー”には、スーパーチャージャーを装着し、710psの最高出力と868Nmの最大トルクを発揮する6.2リッターV8搭載グレードの「トラックホーク」がある。たしかにとてつもなくパワフルだ。でも、今回の「リミテッド」の軽快さもまた捨てがたいと感じた。
欧州や日本製SUVと異なる雰囲気
ようするに、ドイツや日本のSUVにはないキャラクターが備わっているのだ。いま大きめなサイズのSUVを探しているなら、しっかりしたキャラクターをもっていて、走らせると楽しいグランドチェロキーを選択肢にくわえるのは大いに”アリ”だと思う。
ないものねだりをするなら、私なら2ドアが欲しい。本国にも設定がないので”夢”の話になってしまうものの、このシルエットなら、2ドアと長いリア・クオーターウィンドウの組み合わせは、かなりスタイリッシュに見えそうだ。
あちらでは”トラック”と呼ばれるように、本来SUVはピックアップトラック(と一部ステーションワゴン)の延長線上で開発されたボディ形式である。ゆえに、歴史を振り返ってみても、たとえば日本でも大ヒットした2代目チェロキー(1984年)も2ドア・ボディが圧倒的にカッコいい。荷台まで続く水平基調のボディラインがうまく活かされているからだろう。
クリーンで機能主義的な車体がセリングポイントのグランドチェロキーで、2ドアうんぬんといってもしようがないかもしれないが、こんな妄想をたくましくさせてくれるのもグランド・チェロキーの魅力だろう。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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