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CX-3 2.0ℓガソリン車に試乗 ディーゼルと比較、価格/走りを評価

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CX-3 2.0ℓガソリン車に試乗 ディーゼルと比較、価格/走りを評価

■どんなクルマ?

発売から2年半 ガソリン車導入の目的は?

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OE供給モデルを除き、国内で展開されるマツダ車では最小クラスとなるのがデミオであり、これをベースに開発されたクロスオーバーSUVがCX-3だ。同モデルは1.5ℓのスカイアクティブDの幕開けにもなり、ディーゼル車のみの構成も特徴のひとつだった。

そこに新たなバリエーションとして追加されたのが2ℓのガソリン車である。目的のひとつは価格抑制だが、従来モデルが売り物にしていたディーゼルの強味が発揮される用途以外への適性を、ガソリン車によって向上してニーズの多様化への対応力を高めるのが主目的である。


CX-3の全長はホンダのヴェゼルとほぼ等しく、タウンユースにも使いやすいサイズでまとめられている。扱いやすいサイズとターボディーゼルならではの高速域の余力や省燃費性によりタウン&ツーリングを高水準で両立しているのがCX-3の特徴である。追加されたガソリン車も特徴を要約すればタウン&ツーリング向けクロスオーバーSUVになるが、ディーゼル車とはバランスが異なる。相対的にはディーゼル車では「ツーリング」が、ガソリン車は「タウン」がより大きなアドバンテージとなっている。

マイナーチェンジ 標準装備となった安全機能は?

また、このMCでは安全&運転支援機能もテコ入れされ、都市型AEBS(緊急自動制動)が歩行者対応となり、車線逸脱警報などが全モデルに標準装着された。なお、高速型AEBSやACC(追従型クルコン)は従来どおりプロアクティブ以上の設定となっている。欲を言えば車線維持支援操舵補助機能も望まれるが、現在の普及水準からすれば車格を大きく超えた安全&運転支援機能の採用がCX-3の魅力でもある。


■どんな感じ?

価格対策の普及モデルとするなら1.5ℓ車は順当だが、マツダは車格に十二分な排気量となる2ℓを採用した。最大トルクは1.5ℓディーゼルの27.5kg-mに及ばないが、最高出力は4割増しの148ps。1.3t弱の車重には十分だ。

ガソリン車/ディーゼル車 スペック比較

CX-3 20S Lパッケージ試乗車/比較候補CX-3 XD Lパッケージ
2,592,000円 価格 2,808,000円
直4ガソリン1997cc エンジン 直4ディーゼルターボ1498cc
148ps/6000rpm 最高出力 105ps/4000rpm
19.6kg-m/2800rpm 最大トルク 27.5kg-m/1600-2500rpm
1240kg 車重 1270kg
16.0km/ℓ 燃費(WLTC) 23.0km/ℓ
137g/km CO2排出量 112g/km
CX-5用ユニットのデチューン?

ちなみにCX-5に搭載されている同型エンジンと比較すると最高出力/最大トルクともに若干低下している。それをして「デチューン型」とするのは少々短絡的だ。最大トルクの発生回転数はCX-5に比べて1200rpmも低く、余力と扱いやすさに重きを置いたエンジンなのだ。

マツダではエンジンの加速特性を量るモノサシとして加速度の増加率をひとつの基準としている。ガソリンエンジンはアクセルを踏み込んでも、いきなり所定のトルクが発生するわけではなく、吸気が安定するまでは連続的にトルクが増加。つまり、加速度もある増加率において高まっていく。その極端な例はターボの過給ラグだ。この加速度の増加率の変化を最適化して癖がなく、無意識のペダルコントロールで思ったとおりの加減速や速度維持の容易性を高めようというわけだ。


反応が悪いから深く踏んで戻しながらコントロールするとか、反応が良すぎて探るように踏み込まなければならない、というのでは運転は酷く面倒だ。路面勾配の変化や加減速/発進停止頻度が高い状況ほどストレスが溜まりやすい。CX-3のドライバビリティで「なるほど」と思わされるのは正にそこだ。


マツダ車の作り込み そのメリットは?

ATのクリープで動き出させて、そこを後押しするように緩やかに踏み込む発進時、路面勾配や緩加速に合わせて緩やかに踏み増しする時の加速度の立ち上がりは鋭い。ペダル操作を正確にトレースするような加速度の変化だ。これに対して素早く踏み込むと加速反応は早いものの加速度上昇は穏やか。必要とする踏み込み量を予想するに程よい加速の立ち上がり方である。


神経鋭く運転すれば、このようにマツダの気遣いを知ることも可能なのだが、最も重要なのはこういった「扱いやすさ」が普通に運転している時には現象として実感できないことだ。スムーズな加減速ができるようになったとか、思った速度を維持しやすくなったとか、坂道発進が恐くなくなったとか、何となく運転しやすいとか、という類のよさである。そのよさは履き心地のいい靴のようなものなのだ。


付け加えるなら、ペダルコントロールが穏やかになるので変速頻度が低下し、巡航ギアの維持と常用回転数の低下にも繋がる。大幅向上はないにしても、ドライバーの運転技量や走行状況によるエンジン騒音や燃費の変動が少なくなるのは具体的なメリットのひとつだ。


高速直進の据わり、クラスをリード

もっとも、こういった考え方はCX-3が初というわけではなく、無意識下の滑らかな運転は現行マツダ車に共通するテーマ。また、シャシー関係で言えばGベクタリング・コントロールが同思想を象徴している。


フットワーク全般は従来と変わっていない。SUVでは少ない最低地上高もあって沈み込みを抑えたストローク制御。細かな凹凸では上下動を強く意識するが、段差乗り越えでは衝撃の角を丸めて突き上げ感を鈍している。揺れ返しの少ないロールや回頭反応で神経質な修正なしで思い通りのコーナリングラインに乗せやすい。高速直進の据わりのよさは標準2BOX系も合わせて同車格では群を抜いている。


ディーゼル車(写真赤、XDプロアクティブ:新色ソウルレッドクリスタルメタリック)と比較すれば加速時のダウンシフト頻度は高まるものの、滑らかに回る高回転のエンジンフィールもあって、動力性能面から見た高速長距離適性でもクラス最高水準。試乗車の個体差かパワートレイン周りの微振動がちょっと気になったが、性能面でタウン&ツーリングを最も高い水準で両立したコンパクトSUVという点でガソリン車もCX-3らしさ満杯なのである。


■「買い」か?

価格差26万円 どう考えるか

同サイズのSUVでは後席居住性が泣き所。4WDと組み合わせてアウトドアレジャー用途を狙うなら2名乗車を基本にしてディーゼル車を勧めたい。


ならばガソリン車が適切なユーザーはと言えば、前項でも述べたようにタウンユースが多く、総走行距離もあまり伸びない用途となる。例えば、悪路走行の機会はないけど、都市部での走行が多いので、高いアイポイントの見通しのよさを重視してコンパクトSUVを考えているドライバーはガソリン仕様CX-3が最も嵌るタイプだ。

ちなみにプロアクティブ/Lパッケージはエンブレ回生で大容量キャパシタを充電し、市街地燃費向上に寄与するi-ELOOPもOP設定。新燃費基準となるWLTCの市街地モードでは約4%向上する。

同装備のディーゼル車との価格差は約26万円。ヴェゼルHVの同等装備モデルとは約16万円。ヘビーユーザーには悩ましいが、タウンユースでも長距離ツーリングでも気軽に出掛けられるコンパクトSUVとしてはガソリン仕様CX-3は筆頭候補に挙げられる。

マツダCX-3 20S Lパッケージ

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