■どんなクルマ?
シャシーカップ どう考える?
新型ルーテシア・ルノー・スポール発売 284万円~ シャシーカップ復活
執筆のためにルーテシアについて復習すると、現行モデルが本国で登場したのは2012年7月とのこと。欧州車の場合、ランニングチェンジや年次改良の効果で、モデルライフ末期の至って登場年月を感じさせないクルマが多いのだが、果たしてルーテシアR.S.(ルノー・スポール)もその通りだった。人に喩えれば「歳を感じさせない」である。
MCの要点はランプ周りとフロントバンパー、シート表皮の内外装関係とR&Goアプリ対応ラジオなど。ハードウェアの構成は従来と同じだが、フルLED化とポジションランプ(デイライト)とフォグランプ(コーナリングランプ兼用)、ドライビングランプ(ハイビーム連動)を「C」形にレイアウトしたR.S.ビジョンの採用もあって一歩前進した印象がある。なお、R&Goアプリ対応はベーシック仕様となるシャシースポールにのみ設定。上位設定となるシャシーカップとトロフィーには7インチタッチスクリーンが標準装着されている。
R.S.は前記3モデル構成になるが、それぞれ走行ハードウェアの設定が異なる。
ベーシックのシャシースポールに対して「シャシーカップ」は強化されたサス仕様となるがパワートレインは共通。
「トロフィー」はシャシーカップのローダウン仕様とも言えるサスに専用にチューンされたミシュラン・パイロットを履き、エンジンは20psアップの220ps仕様となる。
ミッションはいずれも6速EDC(DCT)のみの設定だ。ちなみにハードウェアの設定ではシャシースポールは従来の同グレード、シャシーカップは従来のトロフィー、トロフィーはその限界性能向上型と考えればいいだろう。
■どんな感じ?
「シャシーカップ」を試す
モータースポーツからのフィードバックで開発されたと聞けば、ふつうのドライバーなら身構えてしまうようなクルマを想像するが、試乗した「シャシーカップ」の内外装は品よく親しみやすい。裾や襟元にアクセントを入れるような感じであり、マニア臭をこれ見よがしに発散していないのは「ウチのクルマ」の資格のひとつだ。
ところが乗ってみればけっこうな本気。昨今の過給エンジンらしく1.6ℓターボは2000回転以下からもむずがることなく反応。マニュアル変速では巡航ギアを維持したまま、多少の勾配や加速ならアクセルの踏み加減だけで済ませられる。低回転では突き出すような「どトルク」感はないにしても、山岳路や高速をゆったりと走らせるのも得意である。
3種のR.S.モード 何が違う?
しかし、本領は「回してナンボ」。回転に乗っていく加速感が心地よい。4000~6000回転を維持した時の加速感は回すほどに速くなる高出力エンジンらしい。EDCの設定も「ノーマル」モードでは穏やかなアクセルコントロールに対して低く狭い回転レンジを維持するシフト制御。省燃費のモノサシでは回し気味の設定だが、優しく力持ちなのは前記したとおり。アクセルの踏み込み速度と量が大きくなると使用回転域が上昇し、加速に伸びを与える。
シフトスピード 0.03秒差を楽しむ
「スポーツ」モードを選択すれば常用回転数は高まり、巡航時以外は「ノーマル」モードより1段2段低いギア選択で、加速反応とエンブレが強化される。また、変速に要する時間は「ノーマル」モードの0.2秒から0.17秒に短縮。たった、0.03秒の差だが、急加速中の「スポーツ」モードでのアップシフトでは突き出されるようなクラッチミートになる。MTを乗り慣れているドライバーならすぐに理解できるが、高回転での素早い変速でエンジンの回転落ちが間に合わずに起きる現象だ。それがメリットになるとは思わないが、「あるよね~♪」と心の中でニヤリとしてしまう。
パワートレインがニヤリと思わせるならフットワークも同様である。バネもダンパーも硬い。接地状況が伝わってくる乗り心地。ただし、ストローク使いは短く引き締められていても入りと収まりは滑らかだ。硬さが上手に面取りされている。
もうひとつ見逃せないのは「おつり」の少なさ。コーナリング中の路面うねりや段差でも跳ね上がって接地抜けしたり、4輪の接地バランスを大きく崩してラインが乱れたりしない。細かな上下動ひとつひとつがうまく収まる。したがってストローク過程の接地感が安定し、負荷の大小でコーナリング特性に大きな変化がない。大横Gのコーナリングではバンプストップラバーに代わってセカンダリーダンパーを用いたHCCが効果的に作用していると思われるが、微小ストロークからフルストロークまで安定した特性を得るためのHCCと理解できる。
パワーフィールや乗り心地など全般的な乗り味は間違いなくハードなスポーツモデルなのだが、ケレン味や粗野な部分がない。タイトコーナーや高速コーナーでも、あるいは「程々」でも「本気」でも良質なスポーツ性能を発揮してくれる。生活を共にできる大人味のホットハッチとでも言いたくなる走りである。
■「買い」か?
「ポロGTI」「208GTi」と三つ巴 買うべきは…
サイドの土手が乗降でちょっと邪魔だが、柔らかめのシートは程よい柔らかさで面崩れもしにくいので、ホールド性も座り心地も上々。天井の圧迫感があるものの男性の4名乗車にも十分なスペース。大きめの荷物も多い最近のファミリーユースには余裕がないものの実用型2BOXらしいキャビンユーティリティを備えている。一般的なユーザーには衝突回避や追従型クルコン、車線維持支援などの安全&運転支援機能がないのが致命傷。ここは基本設計の古い仏車の厳しい部分である。
市場コンペティターとしてVWポロGTIとプジョー208GTiを挙げている。ポロGTIは実用性や燃費、運転支援も含めてコンパクトなスーパーツアラーとして最もバランスの取れたモデルだが、スポーツ味はルーテシアR.S.ほど濃くない。
一方、208GTiは良くも悪くもホットハッチのヤンチャさがあり、乗りこなし感もあるが、裏を返せば洗練感や運転に気を使うタイプ。ミッションも6速MTに限定される。この2車に対するルーテシアR.S.のアドバンテージはホットハッチの高揚感と生活やツーリングでの扱いやすさと余裕のバランスのよさである。
価格はシャシーカップで309万円。ポロGTIより約29万円安く、208GTiより13万円安い。安全&運転支援装備を考慮すれば買い得とは言い難いのだが、走りの出来でコスパを量れば最も魅力的と言えよう。
ルーテシア・ルノー・スポール(シャシーカップ)
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