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見ても乗ってもシトロエンらしさ満載──新しくなった、C5 X試乗記

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見ても乗ってもシトロエンらしさ満載──新しくなった、C5 X試乗記

日本仕様が発表されたシトロエンのフラグシップ「C5 X」に、ひと足はやく小川フミオが試乗した。かつての「GS」や「CX」を彷彿としたワケとは?

ふわりとした乗り心地

新型トヨタ・クラウンの“個性”は受け入れられるのか

シトロエンの旗艦であるC5 X(シーファイブ・エックス)が2022年8月29日に日本で発表された。後席乗員も快適にすごせるクルマを探しているなら、ぜひ試していただきたい。往年のジャガーを彷彿させる、“ふわり”とした乗り心地も特筆ものだ。

「セダン、ステーションワゴン、SUVそれぞれの強みを組み合わせた」と、シトロエンの日本法人が謳うC5 X。日本での発売は2022年10月ながら、8月の終わりにひと足先にガソリン・モデルに試乗できた。

乗ったのはC5 X SHINE PACK(シャインパック)なるモデル。1598cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載した前輪駆動モデルだ。最高出力は133kW(180ps)、最大トルクは250Nm。それに8段オートマチック変速機を組み合わせる。

特徴は、全長4.8mと余裕あるボディ、個性的なスタイリング、そしてふわりとした乗り心地にある。

なにより私が感心したのは、乗り心地だ。サスペンション形式は、前がマクファーソンストラット、後ろがトーションビームと、ごくフツウのもの。スペース効率にすぐれるのが最大のメリットともいいたい、欧州大衆車の定番だ。ところが、ふわりふわり……と、じつに気持がいい。

ドライブしていても、段差ごえなどをうまくいなし、ステアリング・ホイールへのいやなキックバック(路面からの衝撃)はいっさいない。もうひとつ、うれしい驚きは、後席の快適性だ。やはり路面からのショックをていねいに吸収してしまう。

私は試乗時、ドライバー席と、後席ともに体験してみた。過去に体験したなかで、C5 Xの乗り心地と似たクルマはあったか……記憶の糸をたぐると、デイムラー(ジャガー)「ダブルシックス」が、“ネコの身のこなしのよう”と、言われるほど、しなやかなサスペンション・システムを持っていたのを思い出した。

C5 Xの内装にはジャガーほど守旧的な雰囲気はないが、よく見ると、さまざまなところにシトロエン・エンブレムのモチーフが使われているし、日本の工芸品をどことなく思わせるシートのステッチなど、凝っている。

「アドバンストコンフォートシート」と呼ぶシトロエン自慢のシートは、座り心地がよく、なんでもかつての「トラクシオンアバン」(1934年)や、「DS」(1955年)などの、クッションたっぷりのふかふかとした乗り心地のシートを意識したとか。

まぁ、あそこまではないと私は思ったものの、座り心地にすぐれているのはたしかだ。

“自己表現”にぴったりな1台

パワーも、1.6リッターから想像するより、はるかに力強い。最大トルクが250Nmしかなくて加速は大丈夫? と、心配したけれど、杞憂だった。どの速度域からもアクセルペダルを強く踏み込むことなく、しっかり加速してくれる。

そんなに凝ったエンジンではないと思うけれど、ストレスはない。かすかなエンジンビートによる震えを感じとっていると、乗り心地とともに、クルマ自身が乗員とコミュニケーションをとっているんじゃないか? という気がしてくる。

まるで生きているかのような、運転者である私との一体感というか。ここがシトロエン車のいいところ、なのだろう。

私がかつて乗っていたGS(1970年)やCX(1974年)も、動力性能は大したことなかったけれど、じわーっと好きになれるクルマだった。最後に手放すときはとても寂しかったのを強くおぼえている。C5 Xもかつてのシトロエンを彷彿とさせるものがあった。

スタイリングは、さまざまな車型のクロスオーバーというか、カクテルというか。ひとことで無理に表現するなら、“シトロエン的”というしかない。全長が5mに近いファストバックスタイルは好みが分かれるかもしれない。フロントマスクもアグレッシブだ。

でも、そんなC5 Xにあえて乗ってしまえば、ちょっと冒険的なスーツなどと似ていて、良い自己表現になると思う。クルマに個性を求めるならばC5 Xは選んで間違いはナシ!

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

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