2007年、ダッジの日本導入が華々しくアナウンス。4モデルの導入が明らかになったが、まず日本にやってきたのはキャリバーとナイトロだった。はたしてダッジとはどんな個性を持っていたのか。ここでは沖縄で行われた試乗会のの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年8月号より)
アクの強さを抑えた、親しみやすいキャリバー
5月中旬のこと、ダイムラー・クライスラーは「クライスラー部門を米投資ファンドサーベラス・キャピタル・マネジメントに売却する」と発表した。今後、クライスラーの持ち株会社が新設され、サーベラスが80.1%、ダイムラーが19.9%の株式を取得する。
●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)
ダイムラーとクライスラーの関係は完全に切れるわけではないが、「クライスラーの今後について」は、何かと気になることが多いのは事実だ。そんな取材陣の思いにまずは答えようということだろう。試乗前のプレゼンテーションで、日本のクライスラー部門を統括するダイムラー・クライスラー日本のエリス副社長が説明に立った。
それによると、「新会社、クライスラーコーポレーションが発足予定ですが、今後もダイムラーとの技術提携は継続されます。そして、長期的視野でリカバリープランを展開していきます。日本におけるビジネス計画に変更はありませんので、皆さん、応援してください」とのことだった。
さて、日本のクライスラーにとって、今年最大の目玉は、ダッジ導入であることは言うまでもない。4月に「ダッジナイト」と称して、華々しく日本導入を宣言したのに続き、6月の沖縄で行われたのがこの試乗会で、販売予定の4モデルのうち、いち早く到着したキャリバー、ナイトロが用意された。
まずキャリバーに試乗。ダッジがグローバル展開するにあたってのエントリーモデルで、手ごろな価格(SE:263万5500円、SXT:294万円)が魅力のCセグメントSUVだ。いかにもダッジらしいのは、SXTに標準装備されるミュージックゲートパワー。このハッチゲートを開けるとスピーカーが出てくるリフトゲートスピーカーはうまくできたシステムだ。また、ルームランプが取り外せ、懐中電灯のように使える「充電式脱着カーゴランプ」はアイデア賞ものだ。
スタイリングは洗練されている。ダッジらしいアクの強さを抑え気味にしているのは、キャリバーをエントリーモデルとして数多く売りたいという気持ちの表れだろう。ボディサイズは日本の道路事情にジャストといった感じで最小回転半径は5.4m、つい最近デビューしたトヨタの新型プレミオ/アリオンと同レベルであることから見ても「手ごろ」なことがわかるだろう。
エンジンは2L 直4DOHCで、パワーはこのクラスでは標準的な156ps、これにCVTが組み合わされ前輪を駆動する。さて、その走りはどうか。ひとことで言うと「びっくりするほどふつう」だ。「ふつうなら、びっくりしないだろう」と言われるかも知れないが、こんな「形容矛盾」がぴったりくるような、ソツのない走りなのだ。
ボディは1695kgと決して軽くはないが、アクセルレスポンスはよく、またステアリングフィールなどから、走りは全般に軽快であると感じられる。CVTの仕上がりもよく、走行性能については何も問題点はない。世界の市場を意識して、こういうまとめ方をしたのだろう。走りには官能に響いてくるものはほとんどないが、入門車としては実にソツなく仕立てられていると、感心させられた。
ナイトロにはある種の割り切りがある
さて、次はナイトロ。これは「ガツン」と個性的だ。そのスタイリングの迫力からして、巨大なのではと思われるかも知れないが、実はそうでもない。3サイズはスペック表のとおりで、キャリバーよりひと回り大きいレベル、カイエンより23cm短く、幅は7cm狭い。
ダッジ初のミッドサイズSUVだが、そのパワートレーンには従来型チェロキーのノウハウが活かされているので、信頼性は高いし、またドライブフィールに熟成されたものを感じる。3.7LのV6エンジンは、アクセルペダルを踏み込むと一拍おいて加速するような感じで、いかにも豪快なアメリカンSUVといった印象だ。通常のオンロードでは後輪駆動、滑りやすい路面では4WDを選択できることは言うまでもない。本格的なオフロードで、その実力を試してみたかったが、今回は残念ながらその機会はなかった。しかし、ジープの血を持つわけだから、悪いわけはない。
インテリアはスタイリングから想像するよりも大人しく、キャリバーと相通じるものがある。カーゴスペースは広く、また機能的にデザインされているので使い勝手は非常にいい。
ナイトロにはある種の割り切りがある。それでグローバルなエントリーモデルであるキャリバーとは違う魅力を発散できるのだ。同じダッジとは言え、その個性はずいぶん違うものだ。さて、あと2台、アベンジャー、そして、チャージャーに早く乗ってみたい。(文:荒川雅之/Motor Magazine 2007年8月号より)
ダッジ キャリバーSXT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4420×1800×1550mm
●ホイールベース:2635mm
●車両重量:1420kg(EU)
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:156ps/6300rpm
●最大トルク:190Nm/5100rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:294万円(2007年)
ダッジ ナイトロSXT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4580×1860×1785mm
●ホイールベース:2765mm
●車両重量:1890kg(EU)
●エンジン:V6SOHC
●排気量:3700cc
●最高出力:205ps/5200rpm
●最大トルク:314Nm/4200rpm
●トランスミッション:4速AT
●駆動方式:パートタイム4WD
●車両価格:361万2000円(2007年)
[ アルバム : ダッジ キャリバー/ナイトロ はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「自転車でしか行けない飲み屋が、悪法のせいで潰れそうです。凄い迷惑ですよね?」質問に回答殺到!「驚きです」「そんな店は潰れていい」の声も…「自転車の罰則強化」何がどう変わったのか
新型ハリアーは1.5LターボのHEVとPHEV! あっと言わせる超カッコいいクーペSUVが2026年に登場か!?
ミニバン買ったら5人乗りという悲劇……元中古車定員が語る本当にあった失敗談
日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」に反響多数! 「ちょうどイイサイズ」「いや大きすぎる」と反応分かれる「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデル「日本導入」の可能性に賛否両論!?
国道417号「板垣坂バイパス」が11月24日に開通! 冠山峠道路の利用で中京圏・但南地域のアクセスがさらに便利に。【道路のニュース】
「自転車でしか行けない飲み屋が、悪法のせいで潰れそうです。凄い迷惑ですよね?」質問に回答殺到!「驚きです」「そんな店は潰れていい」の声も…「自転車の罰則強化」何がどう変わったのか
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
トヨタが「凄いクラウン」実車公開! 斬新「マットメタル×赤キャリパー」採用! 普通のマットじゃない!? 特別な「スポーツ」とは
[今一番]ターボらしいターボ車はどれ!? 独断と偏見で選ぶ世界一のターボ車!!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
クライスラー300やダッジ・チャージャーの時に自由に作りすぎて、親会社の締め付けが厳しくなった結果とも言われていましたが実際どうだったんでしょうね。