車のエンタメ [2023.02.27 UP]
はたらくクルマ図鑑「都営バス」のヒミツ4
東京都民の移動の足として“はたらくくるま”が、東京都交通局の都営バス(通称:都バス)だ。そんな都営バスの最新の車両である燃料電池バス「SORA」の内容から、都営バスが有する車両、メンテナンスの様子までをレポートしよう。
●取材・文:鈴木ケンイチ ●写真:東京都交通局、トヨタ自動車(株)、鈴木ケンイチ ●東京都交通局 https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/
都営バスの車検整備
ほとんどの整備作業を工場内でカバーできる
都営バスの各営業所には整備士が所属しており、日々の点検・整備などは、それぞれの営業所で実施される。しかし、エンジン修理や、車検といった重要な整備は、東京都交通局自動車部車両課の自動車工場で行われる。
ここには74名の職員が所属し、毎日5~6台の車両の車検整備などを行う。1班3人の2班体制、つまり2台を6人で作業を進めるという。ブースは8つあり、6ブースで車検整備、2ブースでエンジン整備などを行っている。
また、車検整備だけでなく、車体再生(BB作業と呼ぶ)や、鈑金・塗装、エンジンオーバーホール、各コンポーネンツのオーバーホール等を行うグループもあり、ほとんどの整備作業を、同工場内でカバーできるという。
営業と教習の兼用車両の改造も、ここで実施されたという。東京都の“はらたくくるま”都営バスを陰で支える存在が、この工場なのだ。
オルタネーターのオーバーホールも実施。手作業でひとつずつリビルトされている。
オーバーホールされたオルタネーターは番号をつけて個体ごとにしっかりと管理。
シートの修理や張替え、清掃も工場内で行う。写真はBB作業中のシート清掃作業だ。
バスの座席の張替えでできた端切れからグッズも作成。バス関連イベントで販売される。
ドラムブレーキのライニング(ブレーキシュー)も工場内で貼替えを行っている。
エンジンのオーバーホールも工場内で実施される。バルブのすり合わせなども行われる。
バスをまるまる1台、格納することができる大型の塗装ブースも用意されている。
自動車工場の端に車検ラインがあり、毎日5~6台のバスの完成検査を行っている。
場内にはバスの洗車機も設置され、同時に下回りも洗えるようになっている。
●お邪魔したのは……東京都交通局の自動車工場
取材に伺ったのは、東京都江東区の東雲庁舎にある東京都交通局の自動車工場だ。車検を行える指定工場として、一手に都営バスの車検を請け負っている。深川自動車営業所も併設されており、広大な場内には、教習のためのコースも用意されている。
都営バスを示す、Tを模したヘッドマークは、1989年に制定された。車両が廃車になってもヘッドマークは取り外されて使い続けられる。
車検とその整備だけでなく、各営業所では対処できない大きな修理もこの自動車工場で行う。また、新車から7~8年目のリフレッシュ作業も実施する。
自動車工場では、整備士ひとりずつに専用の工具箱が用意されている。高さを調整できる特注品で、1990年ごろから代々受け継がれて使われている。
敷地内には、教習用のコースも用意されている。地面の白い線がコースだ。教習専用のバスは、カラーリングが異なり、白ナンバーとなる。
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