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三菱ふそうトラック・バス、未来の工場とは デジタル化/ロボット導入

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三菱ふそうトラック・バス、未来の工場とは デジタル化/ロボット導入

もくじ

ー ダイムラー・グループの三菱ふそう
ー 作業員の歩行時間 50分短縮
ー 撮影禁止エリア なにを開発

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ダイムラー・グループの三菱ふそう

ドイツのダイムラー社は、メルセデス・ベンツを始めとする世界的メーカーだが、グループ内には大型トラック/大型バスを製造する部門も存在する。大型トラックを担当するのがダイムラー・トラックで、ヨーロッパと南米、北米、そしてアジアを受け持つダイムラー・トラック・アジアの中核となるのが三菱ふそうなのである。

三菱ふそうではこれまでも「信頼できる製品」「ムダのないプロセス」「意欲ある社員」「一流の工場」をテーマに改革を進めてきた。また、ドイツ政府が主導して取り組んでいる、AIやIoTを駆使して製造業のデジタル化を目指す国家戦略プロジェクトであるインダストリー4.0にも対応してきた。

今回はそこから先を見据えた「ファクトリー・オブ・ザ・フューチャー」戦略の取り組みをスタートさせた。

大型トラックや大型バスを製造する工場というと、その昔に見学したイメージでは厳しい環境の中で手作業によって組み立てていたという記憶がある。乗用車のように機械化されたラインとは程遠いものだった。しかし未来を見据えた三菱ふそうの本社工場に足を踏み入れると、そんなイメージは一瞬にして覆されてしまった。

作業員の歩行時間 50分短縮

ファクトリー・オブ・ザ・フューチャーは、「電子化された工場」「繋がっている工場」「自動化された工場」をテーマに構築され、さらに「コネクティビティ」「物流自動化」「ラインの多方向レイアウト」「アシスタント・システム」「アドバンス・オートメーション」からなる。

「電子化された工場」としてはIoTを活用して、完成検査のデジタライゼーション化を実用化し、データの確認、保存の共有化とペーパーレス化を実現。完成検査で不良個所が見つかった場合は、即座に解析が行われ対応策を製造部門にフィードバックすることが可能となった。

このほか、組み立てラインの稼働状況を可視化し、トラブルの際も、発生個所をリアルタイムに把握できすぐに対応できるというもの。これらの生産設備と生産工程は「コントロールセンター」で集中管理される。

「繋がっている工場」は従業員に生産アプリを備えるスマートフォンを配布し、工場内のどこにいても共有データにアクセスでき、コミュニケーションと生産効率化を高めた。

「自動化された工場」は、これまでは組み立てラインで担当者が必要なボルトなどを用意していたが、タイプごとに必要数が異なるため熟練さは必要だった。この作業をピッキング用の協働ロボットが担当し正確さを実現。これに加え人の手で補充されていた部品も、自動搬送ロボットがストックヤードから取り出して補充する。これにより歩行時間だけで1日50分にもなる作業員の労力を軽減させた。

このほかエンジン組み立てラインでは、20kg以上もある重いフライホイール取り付け時の位置決めは負担が大きい作業だった。そこをロボットがフライホイールの搬送から位置決め、仮止めまでを担当し、作業員の作業環境を向上させている。

撮影禁止エリア なにを開発?

新たに設けられた「BotLab」は、ラインで使用されるロボットの開発を行う部署で「自動化された工場」の一端を担う。現場からのアイディアや要望を基に試作ロボットが製作され、実証試行を行って実用性が確認できるとラインに導入されるという。

取材時も数種類のロボットのテストが行われていた。ここは重要機密事項が多いため撮影は許されなかった。

日本のみならず世界でも通用する言葉となった「カイゼン」だが、三菱ふそうではここからさらに推し進め「e-進化」を目指す。「カイゼン」では機能的な問題解決や小改善に留まるが、「e-進化」では一歩踏み出して創造的問題解決や既存枠にとらわれない思考・判断基準による組織的なイノベーションパワーを活用してゆくという。

ダイムラー・トラック・アジアのIT部門もステップアップを図り、それまでの単なるサービス・プロバイダーとしての存在から、アジャイル開発パートナーにその役割を変えている。具体的に説明すると現場からの様々な情報をデジタル・ファクトリー・レイヤーがイントラ・システムのデータフローを実現し、他のダイムラー部門と共有して商品開発に生かしているという。

こうして三菱ふそうは、商用車界におけるベンチマークとなる工場と魅力的な職場を作る、という目的に向けて、最先端の近代的な設備を備えることになった。現時点ではまだ過渡期の状態だが、近い将来に変貌を遂げたファクトリーを目にできるに違いない。

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