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【スーパーカー年代記 110】マクラーレン600LTはサーキット最速のマクラーレンを目指した

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【スーパーカー年代記 110】マクラーレン600LTはサーキット最速のマクラーレンを目指した

クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第110回は「マクラーレン 600LT」だ。

マクラーレン 600LT(2018ー2019年)
マクラーレンのスーパー スポーツカーにはアルティメットシリーズ/スーパーシリーズ/スポーツシリーズがラインアップされているが、2018年7月のグッドウッド フェスティバル オブ スピードで、スポーツシリーズの新たなモデルとして「600LT」がワールドプレミアされた。それからわずか18日後には、東京でアジア太平洋地域での初公開が行われた。

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それまでのマクラーレン車同様、車名の600はエンジンの最高出力(600ps)を、LTはロングテールを意味する。日本語的には「ろっぴゃく エルティー」と呼ばれるが、正しくは「シックスハンドレッド エルティー」と読む。600LTは570Sをベースに、サーキットのスピードを追求するモデルとして仕立てられた。

ヘッドランプは、スーパーシリーズで第2世代となった720Sのような大型ではなく、570Sと同じ形状のものが与えられたが、フロントのスプリッターなどは変更された。もちろん、マクラーレンのアイデンティティであるディヘドラル式のドアも採用されている。

マクラーレンのロングテール モデルのルーツは、かつてル・マン24時間で勝つためにテールを伸ばした特別仕様のF1 GTRであった。2015年にスーパーシリーズの限定モデルとして675LTのクーペとスパイダーが発表されており、600LTは4代目のロングテール モデルとなる。リアセクションは570Sより74mmしか伸ばされていないが、大型のリアディフューザーや専用エアロパーツ、そして固定式のリアウイングなどが装着され、リアビューの雰囲気はまったく変わっている。

パワーユニットは720Sに搭載された3.9L(正確には3994cc)のM840T型ではなく、570Sと同じ3.8L(同3799cc)のM838T型だが、エンジンフード上にエキゾーストエンドを配したトップエグジット(上方排気)を採用して背圧を下げることにより、車名のとおり最高出力は600ps、最大トルクは620Nmにパワーアップしている。ミッションは3モード切替えの7速DCTで、最高速度は328km/h、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/h加速は8.2秒というパフォーマンスを発揮する。

600LTは軽量化にも注力し、カーボンファイバー製のボディパネルなど、570Sからおよそ4分の1の部品を変更することで車重を96kgも軽量化している。インテリアもサーキット指向で、アルティメットシリーズのP1で採用されたカーボンファイバー製レーシングシートやアルカンターラのトリムが採用されている。オプションの超軽量カーボンファイバー製(マクラーレン セナのために開発された)レーシングシートを装着した場合、乾燥重量はわずか1247kgしかない。

600LTは限定生産モデル(台数は未公表)で1年間生産され、生産終了前には全車が完売していた。2019年1月には、オープンモデルのスパイダーも登場。他のスパイダー同様、電動開閉式のリトラクタブル ハードトップを備え、オープン時にはタルガトップ風のスタイルになった。

マクラーレン 600LT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4604×2095(ミラー含む)×1194mm
●ホイールベース:2670mm
●乾燥重量:1261kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●排気量:3799cc
●最高出力:600ps/7500rpm
●最大トルク:620Nm/5500-6500rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●燃料タンク容量:72L
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前225/35R19、後285/35R20
●当時の価格:2999万9000円

[ アルバム : マクラーレン 600LT はオリジナルサイトでご覧ください ]

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