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大きな駆動用バッテリーがあってもEVやHVが12Vの補機バッテリーを積む理由とは

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大きな駆動用バッテリーがあってもEVやHVが12Vの補機バッテリーを積む理由とは

 電圧を下げて使うよりも効率がいい

 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、あるいはハイブリッド車(HV)など、いわゆる電動化されたクルマは、容量の大きなバッテリーを搭載している。同時に、エンジン車と同じ12ボルトの補機バッテリーも搭載している。その理由は走行以外の電装品、たとえばランプ類にはじまり、エアコンディショナー、カーナビゲーション、オーディオなどあらゆるものが、12ボルト電源によって稼働しているからだ。それは、48ボルトバッテリーを使うマイルドハイブリッド車も同様だ。

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 駆動用に搭載されているバッテリーはいずれも、電圧が数百ボルトと高い仕様である。モーターを駆動する電力は、ワット(W)で表され、その電力は、電圧(V:ボルト)と電流(A:アンペア)の掛け算で得られる。同じワット数を得るにしても、電圧を高くする方法と、電流を大きくする方法と、どちらを選んでもかまわない。ただし、電圧を高くした方が損失は少ない。

 電線の中を電気が流れる際、電線の太さに対し大量に電気が流れようとすると抵抗が大きくなる。たとえば、川幅以上に水が流れようとすれば、水があふれ、堤防を越えて洪水を起こす。それに似ている。一方、川の上流へ行けば川幅が細くても、高低差があることで大量の水を流すことができる。滝やダムの放水がそれだ。同じ量の水が、上流から下流に流れていくと高低差が減った分、川幅が広くなる。

 そのように、大量の電気を流したいが、電線をある限度以上太くできないとなると、電圧を高めるほうが損失は少なく、それでいて大電流を流してEVなどの加速をよくできる。したがって、電動車の駆動用バッテリーは電圧が高いのである。

 それに対し、電装品は昔から12Vバッテリーで動いてきた。それに合わせ大量生産されることで、部品の原価も抑えられている。もちろん、電動車の駆動用バッテリーから、12Vバッテリーへ補充電も行われている。そのために、電圧を下げる部品もある。だが、電装品も運転者や乗員の都合で消費電力量が大きく変化するので、電圧を下げて電気を供給するのが間に合わない場合も考えられる。

 たとえば、夜間に雨が降っていて蒸し暑いといった場合、ヘッドライトを点灯し、ワイパーを動かし、エアコンディショナーも稼働させ、なおかつガラス窓の曇り止めでデフロスター機能も使うとなると、瞬間的にかなり電気を必要とする。

 12Vバッテリーで対応しながら、充電が少なくなってきたら駆動用バッテリーから補充電する仕方のほうが、不都合なく電装品を利用できるのである。

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