エンジンルームもリアルに再現
今回は、イタリア製マーキュリーNo. 39フェラーリ250 / LE MANS(以降250LMと表記)のご紹介です。ご存知の通り実車は、1963年10月のパリサロンでデビューし、フェラーリ初のミッドシップ市販GTモデルで、プロトタイプの純レーシングカーではなく、一応公道走行可能なGTとなります。当初GTカテゴリーのホモロゲーション取得の連続する12か月間に100台の生産に対し32台のみの生産に終わった結果、GTカテゴリーのホモロゲーション取得を断念し、1965年ル・マン24時間レースでは、プロトタイプ・クラスにてエントリーし、見事総合1、2フィニッシュを飾りました。
このミニカーは、資料によると1964年から製造され、我が国でも当時から輸入販売されたミニカーです。以前私が所有していた同社の250LMは後期モデルで、ホイールがプラスチックにメッキされたスポーク仕様であり、シャシーの車名の250LMの文字と品番No.39が消された仕様でした。
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【画像10枚】マーキュリー 1/43 No.39「フェラーリ250LM」ミニカーのフォトギャラリーを見る
その後、初期のダイキャスト製スポークホイールの仕様を探して入手したところ、初期の仕様と思って入手したにもかかわらず、未だシャシーの250LMと品番の文字が消された中期仕様でした。そこで判明したことは、当時250LMを暫く販売後、バリエーションモデルとして、ルーフをカットして330P仕様のミニカーも並行生産する時に共通のシャシーを使用するため250LMの文字と品番が削られたものと判明しました(資料によると1966年以降からの製造で殆どがプラスチック製ホイールを装着)。
今度は更にシャシーに250LMの文字の入っていた初期仕様のミニカーを探し、やっと初期仕様が入手出来て、中期仕様と比べたところ、ミッドシップに搭載されメッキされたプラスチック製エンジンが、初期仕様では、メッキされずにグレーの成形色のままであることに気づきました。
その他、ステアリングのセンターシャフトのピンの大きさの違い(初期仕様の方が小さい)や、デカールの文字や罫の太さ等のバリエーションも発見しました。尚、中期以降の仕様では、シートカラーがブラックではなくアイボリーのバリエーションも有るようです。
最後に、250LMの各部が金型修正され、サイドミラー、ワイパーが追加された最終バリエーションの330 P-2に進化して絶版となりました。この330P-2のシャシーには、Ferrari 330 P-2と刻印が復活されるようになりました(資料によると1967年以降の生産)。尚、今回のマーキュリー製の250LMは、さすが実車同様のイタリアで作られただけあって、ピニンファリーナのデザインした美しいプロポーションを見事に再現しています。ギミックは、スプリングサスペンション、左右ドア開閉、リアのエンジンカウルが脱却可能で、エンジンルームもリアルに再現がされています。
最後に、色々とバリエーションの変遷を調べながら苦労してコレクションした結果、マーキュリー製250LMは、中期のモデルが過渡期で生産期間が短かったのではないかと想像出来ます。いずれにしても、とても苦労して探し入手した分、愛着が湧き大切にコレクションしているミニカーです。
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