米市場向けに誕生した伝説の限定モデル「750S アメリカ」
アメリカのオークション「Bring a Trailer」で、1977年式 MVアグスタ「750S アメリカ」が出品され、落札されました。
【画像】ビッカビカの1977年式 MVアグスタ「750S アメリカ」を写真で見る(23枚)
750S アメリカは、1975年から1977年の3年間でおよそ540台のみが生産された特別仕様車です。
このモデルは、従来の「750S」をベースとしつつ、出力や装備を強化し、レースイメージの強いデザインを与えた上で、アメリカの法規に準拠する構造に変更されたのが特徴です。
具体的には、シフトペダルの左側化、ターンシグナルやエアフィルターの装着などが挙げられます。
くわえて、スタイリング面でも差別化が図られており、MVアグスタのGPマシンの意匠を反映した角張ったタンクやダックテール形状のリアカウルが装着されています。
5.2ガロンの燃料タンクには、MVアグスタが誇る37回の世界選手権優勝を象徴する「37スター」エンブレムが描かれています。
搭載エンジンは789ccの空冷直列4気筒DOHCで、最高出力は75馬力を発揮。4基の26mmデルオルト製キャブレターや、アルミ合金製のシリンダーヘッドとシリンダー、ギア駆動のカムシャフトなどが組み合わされています。
また、トランスミッションは5速で、駆動方式はシャフトドライブ。湿式多板クラッチや高精度な組立によるエンジン構成は、当時のMVアグスタらしい職人技の集大成です。
足まわりには38mm径のセリアーニ製フロントフォークとセバック製リアショックを採用。前輪にはスカラブ製キャリパーと280mm径のダブルディスク、後輪には200mmのドラムブレーキが備わっており、レーサー譲りの制動力を持ちます。
保存状態も装備も別格 “49マイル車”の真価とは
今回のオークションに出品された個体は、1977年式のモデルで、ニューヨークの現オーナーが保有する一台です。
とりわけ注目されたのは、その走行距離がわずか「49マイル(約79km)」にとどまっているという点で、ほぼ新車同様の状態を維持しているとされています。
この車両は1977年に新車として購入されたのち、1度だけ走行されたのを最後に、実に40年近くにわたり保管されていました。
2017年に現在のオーナーが初代オーナーから購入し、売却にあたってキャブレターの洗浄やバッテリー交換、ブレーキフルード、エンジンおよびファイナルドライブオイルの交換など、最低限の整備が施されています。
外装は鮮やかなレッドにシルバーのフレーム、そして茶系スエード調のソロシートという、当時のカタログ通りの仕様。ダックテール形状のリアカウルやクロームのフリップトップ式給油キャップ、センターおよびサイドスタンドなど、細部までオリジナル状態を保っていることが確認できます。
また、足元にはボラーニ製のアルミリムが装着されており、前輪には3.50-18インチ、後輪には4.00-18インチのメッツラー製レーシングプロファイルタイヤが備わっています。これらのタイヤは出荷時から交換されていないとされ、オリジナリティの高さを物語ります。
そして、コクピットにはスミス製の150mphスピードメーターとタコメーターが並び、その下にはインジケーターランプが配置されています。
ハンドルまわりはトマゼリ製クリップオンバーに、アプリリア製スイッチとスカラブ製マスターシリンダーが装着され、当時の仕様そのままです。
また、エンジンはオリジナルの789cc空冷直列4気筒で、4-イン・4アウト構造のエキゾーストや黒仕上げのサイレンサーなども純正品を維持。
シリンダーブロックやヘッドには目立つ劣化や腐食も見られず、保存状態は極めて良好といえます。
なお、今回のオークションでは5件の入札を経て、最終的に7万6000ドル(約1130万円)で落札されました。
※ ※ ※
750S アメリカは、1970年代のイタリアンスポーツを象徴する存在であり、当時の技術と美意識が凝縮された一台です。
今回のような極めて保存状態の良い個体は世界的にも希少であり、今後もコレクター市場で高い評価を維持すると考えられます。
走行わずか49マイルという貴重な今回の個体は、コレクターにとって唯一無二の魅力を備えた一台といえるでしょう。(Peacock Blue K.K.)
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みんなのコメント
若い頃に憧れてカタログをじっと見つめていたのを思いだす
所有はできないが、現車をじっくりと見て見たいです