■給油ノズルの仕組み
近年ではセルフ式のガソリンスタンドが多く設置され、自分で給油する機会が増えています。
給油をしていると、燃料を入れているとカチッという音と共に勝手にガソリンの供給が止まりますが、どのようなシステムなのでしょうか。
【画像】えっ…!? これが「自動で給油が止まる」メカニズムです
じつは、普段は視界に入ることはありませんが、給油ノズル先端下部に「検査口」という小さな穴が空いており、これが自動で給油が停止する時に大きな役割を果たすのです。
この小さな穴は常に空気を吸い込んでおり、その間は給油が可能となっています。
その後、燃料が満タンに近づき、クルマの給油口と燃料タンクをつなぐ配管まで近づくとその小さな穴は塞がれ空気が吸えなくなります。そしてそれを感知することでノズル内部のゴム膜が塞がり、給油が自動で停止します。
このようなアナログな方法で給油がストップしていることに驚く人もいるかもしれませんが、これは安全性のためです。
ガソリンはマイナス40℃でも気化する液体で、かつ可燃性も高いです。そのため、もし電力を使ったセンサーを導入した場合、思わぬ静電気が発生し、気化したガソリンに引火する危険性があるのです。
■満タンじゃないのに「カチッ」なぜ? 対処法は
ちなみに時折、満タンではないのにも関わらず給油が停止してしまうことがあります。それはなぜなのでしょうか。
原因はいくつか存在していています。例えば、クルマのレイアウトの関係上タンク内の通気性が悪く、燃料があまり入っていないのにも関わらず、空気が小さな穴に入らず止まってしまう場合。
他には給油の勢いが強く跳ね返ってきた燃料が丁度検査口を塞いでしまうことが原因と考えられます。
対策としては一度給油ノズルを抜き、角度や握る強さなどを調整しながら再度差し込むことが挙げられます。
しかし、ガソリンが出ないからといってレバーを強く握り込んでしまうと給油の勢いが強すぎて燃料が跳ね返ってきてしまい、また止まってしまう可能性があります。
では、どのように給油するのが正しい方法なのでしょうか。
東京消防庁がその方法について呼びかけています。まずするべきことは、しっかりと白線にクルマを止めて、エンジンをオフにすること。
次に静電気の火花が原因で給油口から出てくるガソリン蒸気に引火して火災になる恐れがあるため、静電気除去シートや車体に触れて静電気を逃します。
そして給油時には給油ノズルを奥まで差し込んだ後にしっかりとレバーを握ってガソリンを入れるように呼びかけています。
特に満タンまで給油した後に、少し給油ノズルを引き抜き再度燃料を入れようとする、注ぎ足し給油は禁止されています。
理由としては注ぎ足し給油のような緩やかな給油を行うと、検知部が作動せずに燃料が溢れてしまいます。そして、こぼれた油がクルマなどの熱源や静電気などで引火し、大きな火災に繋がる危険性があるためです。
最後に給油が終わった後は給油キャップを忘れずに締めましょう。もし締め忘れると
給油口からガソリンなどの燃料や可燃性の蒸気が排出される恐れがあるため注意する必要があります。
※ ※ ※
ガソリンは気体になりやすく、また着火しやすい物質であるため、ルールを守らず給油することは危険な行為です。
もし、燃料が溢れて火災が発生した場合などは直ちに給油を中止し、自分だけで消火をしようとせずに、給油所スタッフへ伝えることが大切です。
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