2023年のスーパーGTに異色のルーキートリオが誕生した。今季からGT300クラスに参戦するANEST IWATA Racingは、イゴール・フラガ、古谷悠河、小山美姫という若手ドライバー3人を起用。いずれもスーパーGTは初参戦という、非常に挑戦的なラインアップだ。
ただ、GT300参戦にあたり「異業種からの挑戦」をテーマに掲げるアネスト岩田にとって、このラインアップは“挑戦”というイメージにも合致したものと言えるだろう。
■異業種から新風吹き荒れる予感……アネスト岩田はなぜスーパーGTに参戦するのか? そこには周到なビジョンが
フラガ、古谷、小山の3人は、2月上旬に富士スピードウェイで行なわれたGT300車両による専有走行に参加し、RC F GT3をドライブした。松浦佑亮監督によると、チームが抱えていた一抹の不安はそこで解消されたという。
「富士で2日間テストを走ってもらって、『未経験者ばかりだから……』といったチーム側の不安はなくなりました」
「GT500車両との混走の中でどれだけロスなくパフォーマンスに繋げられるかといった点は、この先の岡山、富士の公式テストで見ないといけません。ただ逆に、クルマを速く走らせるという点やチームとのコミュニケーション、ドライバー同士の連携という点は今のところ問題になるようなものは見られませんし、今後も不安はないと思います」
今季に関しては、Aドライバーをフラガ、Bドライバーを古谷が務め、基本的にはこのふたりを中心にシーズンを戦っていくこととなる。ただ今季は富士(2回)、鈴鹿(2回)、オートポリスの計5戦でレース距離が450kmとなるため、上記の長距離レースのどこかでCドライバーの小山が起用される計画があるとのこと。チームは状況は小山のパフォーマンスを見ながら、起用法を検討していきたいとしている。
Aドライバーとして実質的なエース格となるフラガに関しては、チーム首脳陣から非常に高い評価が聞こえてくる。特に評価されているのは、安定したラップタイムを刻む能力。長距離レースではフラガのダブルスティント起用も視野に入っているようだ。
本名は“イゴール・大村・フラガ”。日本で生まれ育った日系ブラジル人の彼は、昨年から久々に日本に居を構え、今季から国内でのレース活動をスタートさせた。忘れかけていた日本語も日に日にブラッシュアップされている。
リアルのレースで活躍する傍ら、グランツーリスモをはじめとするeスポーツで腕を磨いてきたフラガ。eスポーツで身に付けた順応性を武器のひとつとする彼だが、RC F GT3にも比較的すんなり馴染めたようだ。
「ドライビングでもう少し特殊なことをしないといけないかと思いましたが、わりと素直なクルマだと思いました」とフラガは言う。
「ABSだけ気を付けないといけませんでしたが、他に関しては、アンダーステアの場合は普通にアンダーステアの対応をして、オーバーステアの場合はリヤにしっかり荷重をかけるとグリップしてくれるので、わりと早い段階で慣れることができました」
「(昨年末テストしたスーパーフォーミュラ車両よりも)GT3の方が、グランツーリスモと近いんじゃないかと思いました。走ってみての雰囲気も、ブレーキングポイントもほぼ同じでした」
Bドライバーの古谷は2021年のフォーミュラ・リージョナルで王座を獲得し、2022年はスーパーフォーミュラ・ライツにステップアップした新進気鋭のドライバー。スーパー耐久などを通してツーリングカーの経験もあるため、RC F GT3への適応にもさほど苦労しなかったと語る。ただGT3車両のダウンフォースや、マルチメイクのコンペティションタイヤ特有のグリップ力には驚かされたようだった。
そんな古谷の武器は一発の速さにあるという。松浦監督は「スピード感があって、どういう状況でも一発タイムを出してくるのは悠河が得意とするところだと思います」と彼を評する。
そしてCドライバーの小山も、Wシリーズで上位入賞を経験し、2022年のフォーミュラ・リージョナルでチャンピオンを獲得するなど日本人女性ドライバーでは随一の実績を誇る。
ツーリングカーレースの経験に乏しい彼女だが、RC F GT3がフォーミュラ・リージョナルと比較的似たキャラクターだったということもあってか、テストの走り始めから上々のペースを見せてチーム関係者を驚かせた。松浦監督もその走りを評価しつつ、「逆に言えばそこからの足踏みが長かったような印象もあるので、今後限られた時間の中でパパッと1段2段ペースを上げられれば面白い」と注文をつける。
スーパーGTでは珍しい女性ドライバーということもあり、否が応でも注目が集まることになるだろうが、小山本人は「どんな話題であれ注目していただけることはありがたいです。ただ注目されて終わりではありませんし、乗って速く走らないと意味がありません」と淡々と語る。今後は限られた機会の中でアピールし、出場のチャンスを狙っていくことになる。
年齢の近い20代の同世代ドライバー3人ということもあり、和気あいあいとした雰囲気も感じられる。「態度で言えば私がボス(笑)。みんなの面倒を見ています(小山)」「小山選手がたくさん喋っているので、ふたりで笑って見ています(古谷)」と、そのかけ合いも軽妙だ。
余談はさておき、ステップアップを目指す個性豊かな若手で構成されたANEST IWATA RacingはGT300の注目チームのひとつとなるだろう。松浦監督は次のように期待感を述べる。
「経験値という点を考えると、前半戦はベテランの選手がいるところと差が出てしまう部分もあるかもしれません。ただそれを凌駕するほどの勢いはあると思います」
「自分たちの良いところを活かしていきたいです。チーム側としてもやりがいがあるし、楽しみです」
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