フルモデルチェンジした日産の新型「セレナ」を小川フミオがチェックした。インテリアの見どころは?
2列目&3列目シートの快適性アップ
大人数で快適に移動したい、というひとのために開発されたのが、日産移動車のあたらしいセレナだ。
走りの性能とともに、室内もよく出来ているのが特徴だ。トヨタの「ノア」「ヴォクシー」やホンダの「ステップワゴン」とともに、さすがは日本のミニバン! とも言うべき仕上がりだ。
あたらしいセレナは、現行モデルからホイールベースが10mm延長された(2870mm)。室内は「ミニバンクラスナンバーワンの広さ」と、日産では謳う(全高1.8m以上の1.2~2.0Lクラス7/8人乗りミニバン、2022年11月現在)。
広さだけでなく、あたらしいセレナでは、使い勝手向上をさらに追求したと強調される。
ミニバンに乗るとき、ありがたいなぁ、と、思うことが多いのは、室内での移動がしやすい点だ。走行中はもちろんあまり動かないほうが安全の面ではいいのだけれど、それでも長い距離を走っていると、どうしても……というときが出てくる。
あたらしいセレナでは、運転席と助手席のあいだの移動より容易にしたそうだ。ウォークスルー化によって、助手席のひとが後ろの席へ移動しやすくなっている。
シートスライド機構が3列目にまで標準装備されたのも便利だ。2列目と3列目が前後にスライドするのは、クルマの使い勝手におおいに寄与してくれている。ライバルにはない機構で、セレナの優位性がキラリと光る。
セレナの特徴ともいえるのが、8名乗車車両の2列目中央にそなわる「スマートマルチセンターシート」。“スマート”とは機能性の高さのことを意味しているはずだ。
2列目に3人で座るときはシートとして機能。一方、たたむと前方にスライド出来るので、2列目シートの中央部分から、3列目シートへアクセス出来る。
こういうところの設計は、ホント感心するしかない。かつて2代目日産「エルグランド」(2002年登場)で導入された「セカンドマルチシート」の経験が活きているのだろう。
クルマ酔いを防ごう!
くわえて、あたらしいセレナの重要なテーマとして、いわゆるクルマ酔い防止の方策があったそうだ。
「最初はクルマ酔いの原因がなかなかわかりませんでした」
セレナのインテリアを担当したデザイナーは語る。やがて、研究の結果、急な頭の動きを抑制することが重要であると判明したそうだ。
そこで、モーターのトルクの出方や足まわりを見直してギクシャク感を出来るだけとりのぞくとともに、フロントシートに頭部の揺れを抑える設計を新たに採り入れている。
もうひとつは、シートのヘッドレストレイントの形状。2本脚で支えるような形状にして中央部分に空きを作り、そこから前の景色がのぞけるようにしている。
おとなの目線では低すぎるかもしれないが、「視界もクルマ酔いと関係があるので」と、説明された。
クルマに乗っているひとたちに、クルマを好きになってもらいたい、ということなのだろう。セレナの乗車経験が苦痛でなく、快適に思えるように……と、設計者やデザイナーは心を砕いているのだ。
さまざまな知見で出来上がったのが、新型セレナであるのだ。
文・小川フミオ 写真・小塚大樹
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