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長期テスト 日産リーフ ZE1型 第2回

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長期テスト 日産リーフ ZE1型 第2回

もくじ

ー ZE1型リーフを日常で 先代との違いは?
ー 高速道路で甲府から東京へ 充電回数は減
ー 80km前後では先代より力強い ただ不満も
ー 「プロパイロット」 筆者はこう考える

長期テスト 日産リーフ ZE1型 第1回

ZE1型リーフを日常で 先代との違いは?

日常生活で実際に乗った感想は、ずばり「ここまで来たかEVワールド」。最大課題であった航続距離は改善され、たいへん魅力的な世界が展開されていました。

リーフに出会った6年前では、とても考えられなかったクルマになっています。

もちろん一般のガソリン車と比較すると、不便な点はまだあります。しかし、ライフスタイルや生活環境が合っているユーザーには、想像を超えた楽しさと感動を与えてくれるEVに出来上がっていました。

最初に、このくらい完成度のあるリーフを出していたら、流れは変わっていたようにも感じます。

乗り始めてすぐに気が付いたのは、その静かさ。インバーターからのヒューという高い音はなし、ハンドルを回した時のきしみ音もなし、ブレーキペダルを戻した時のドンという音もほとんどなく、驚くほど静かに発進します。

素晴らしくチューニングされており、静寂性に対する強いこだわりを感じました。そのうえ、パワステの力加減は絶妙で、ボディの安定感も良くなっており、乗り心地は明らかに改良されていました。ロードノイズも減っている感じです。シートは若干硬めで、ドアの開閉は多少軽くなっていました。

コンソールパネル内の速度計は、デジタル表示ではなく、普通のアナログメータになりました。また、バッテリーの残量と電費の実績値を同時に表示できるようにも改良されていました。

パネルの左半分を切り替えて、いろいろな情報を見られるようになったので、これまでより便利になっています。特に、速度のデジタル表示も可能なのには、ちょっと感心しました。

高速道路で甲府から東京へ 充電回数は減

納車後しばらくして、新型リーフで中央自動車道を走り、甲府から東京へ向かいました。出発時のバッテリーは満充電で、走行可能距離の表示は291km。天候は良かったのですが、少しだけ暖房を使いました。

調布ICで降り、約141km走行し、都内のホテルに到着。ここまでの平均電費は7.2km/kWhで、バッテリー残量は47%でした。今までは、必ずホテルで夜間充電をしていましたが、まだ余裕があり、しなくてすみます。

翌日は、ホテルのチェックアウト後、途中三鷹市の日産店で30分急速充電を行い、帰宅しました。この充電で、バッテリー残量は、27%から76%になりました。甲府から日産店までの総走行距離は180kmで、満充電からちょうど180kmくらいは安心して走れるのがわかります。

また、往復で初期型の時は追加充電4回、後期型では2回必要でした。しかし新型ではこの1回だけで済み、すごい進歩です。ここまでくれば、多くの人に対して実用性があると言えそうです。航続距離が伸びるのは、たいへん有効的です。1回の急速充電については、充電カードがあることだし、休憩がてらちょうどいい感じでした。

急速充電の電流制御が変わっていました。容量が50%以上になると電流が徐々に減っていきます。したがって同じ電気量を充電するのに、今までより時間が必要となります。

後期型では、確か80%くらいまでフル電流だったので、そこまでの充電だと、とても短時間で終わっていました。これに無理があったようです。新型ではバッテリー容量も多くなっていますので、注意が必要です。しかし、バッテリーには優しくなったとも考えられ、特に不満には思いませんでした。バッテリーはEVにとって最も大切なパーツですので。

自宅での夜間充電で、電気料の安いのは8時間。その8時間の充電だと、約60%充電できました。30%からだと90%くらいまで充電できます。バッテリー劣化などを考慮すると、日常使用にちょうどいい感じです。ただ、満充電する時は、前日に40%以上のバッテリー残量にしておく必要があります。

80km前後では先代より力強い ただ不満も

最大の関心事項である高速道路での加速性については、期待を裏切らない性能を発揮しました。帰りの中央自動車道の上野原ICから談合坂SAまでは、かなりの登り坂になっており、登坂車線を含めると4車線あります。

先代の後期型では、このような個所での加速は遅く、登坂車線を走っていました。しかし加速性能は、初期型のそれに戻っており、クルマの流れにのって走ることができました。

80km前後の速度では、初期型より力強い印象を受けました。また、ガソリン車と比較して2500cc並みのパワーは十分にあります。これなら、必要な追い越しに躊躇することなく、合流地点などでの安全性も高まったと言えます。東名高速道では、最高速度が110kmになった区間もあり、高速性能もますます重要になってきます。

e-ペダルについては、アクセルの踏み込みが深くなり、加速が悪くなったように感じてしまいます。また、交差点では、安全性からブレーキペダルを必ず踏んでいます。したがって、ワンペダルでの連続運転は、おのずとなくなります。

慣れの問題もあると思われ、まだ上手く利用できていません。ただし、強い回生ブレーキとしては、予想通り便利です。ただし、このe-ペダルには、油性ブレーキも使われているとありました。

期待通りに進化していた新型リーフですが、残念な点もありました。そのひとつは、オプション設定に、バッテリーの電気を利用する100V15AのAC電源がなかったことです。

アウトドアのレジャーや災害時などに使用できるものを期待していましたが、残念ながらありませんでした。日産e-NV200や他社のプラグイン車などには、以前からオプションでの設定があり、なぜリーフにないのか大きな不満です。

また、時代の先端をいくEVとして、Wi-Fi接続の通信機能がないこともちょっと理解できませんでした。高速のデータ転送ができると、ナビの地図情報などの更新も可能となります。

充電スポット情報の更新には時間がかかっており、地図情報の更新は、現状わざわざディーラーに依頼する必要があります。Wi-Fi通信は、難しい技術ではなく、他社の多くのクルマで実現されています。

今やIoT時代なのに、遅れていると言わざるを得ません。次世代のクルマを標榜しているEVとしては、ちょっと寂しい気がしました。

「プロパイロット」 筆者はこう考える

プロパイロットに対して興味を持つ方は大勢います。しかし、実際にその機能付きの購入を考える場合、実用性をしっかりと確認し、十分納得、理解したうえで決めることをお勧めします。

新技術を使った製品の購入には、それなりの覚悟を持って臨む必要があります。この覚悟は重要で、先駆者として、開発したメーカーと一緒にそれを育てることになります。

例えば、初期型に乗った人達は、間違いなくEV時代の生き証人になりました。その多くのユーザーがいたので、この素晴らしい新型リーフが生まれたと言っても過言ではありません。東京の往復に4回も追加充電したり、下取り価格の安さに驚いたことは、今となっては懐かしい思い出です。

さらにバッテリー容量を増やした高性能モデルの発売も、すでにアナウンスされています。容量の増加は、予想以上に実用性の高まりにつながり、まだまだ進化は続きそうです。

しかし、日常を中心に乗るなら、今回のモデルで十分であり、すでにとても魅力的なEVワールドになっていると感じました。写真は、中央自動車道のSA、都内のホテル、東京日産の三鷹店で撮影しました。

次回は、長期に使用してわかったことを報告します。

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