ホンダ独自調査
text:Kenji Momota(桃田健史)
editor:Taro Ueno(上野太朗)
バーチャルオートサロン2021開幕の3日前、ホンダから報道陣向けにリリースが届いた。軽自動車ユーザー1000人への緊急アンケート調査の報告である。
リリースの冒頭には、次のような記載がある。
「Nボックス・シリーズは、登録車を含む新車販売台数において4年連続で第1位を獲得、軽自動車では、6年連続で新車販売台数第1位を獲得している、日本で一番選ばれている軽自動車」
「なぜそんなに人気が高いのか? その秘密を探るべく、ホンダでは軽自動車ユーザー1000人(Nボックス・ユーザー500人とNボックス以外の軽自動車ユーザー500人)を対象に調査をおこなった。その結果……」
たしかに、Nボックス、および現在では生産中止となったNボックス・プラスとNボックス・スラッシュを含めるNボックス・シリーズとして、軽自動車では2015年~2020年に6年連続販売台数第1位。
さらに、乗用車を含めた日本国内乗用車すべての中でも、トヨタ・プリウスや近年のSUVシフトでの各種人気車をおさえて2017年~2020年の4年連続販売台数第1位を獲得した(全国軽自動車協力連合会/日本自動車販売協会連合会しらべ)。
そうした「大人気継続の秘密」について、自動車メディアや経済メディアではこれまで独自の取材によるさまざまな見解を示してきたが、果たしてホンダ自身で行った緊急調査での結果はどうだったのか?
各分野での調査報告を、Nボックス・ユーザーのひとりである筆者の見解を含めてご紹介したい。
逆に露呈した「価格」
最初は「クルマの購入時に重視した点」である。
項目としては「運転のしやすさ」、「車内空間の快適性」、「価格」、「室内の広さ」、「燃費」、「視界の良さ」、「安全装備の充実」、「荷室の広さ/使い勝手」、「乗り心地」、「外観スタイル/デザイン」、「ボディカラー」、「乗り降りのしやすさ」、「走行性能」、そして「内装/インテリア」の計14分類である。
また、ユーザー側の回答選択肢として「非常に重視した」、「重視した」、「どちらかといえば重視した」を合算した比率を、重視した点として回答全体の中で割合を示した。
14項目のうちNボックスでは「運転のしやすさ」など90%台が4項目、80%台9項目、最も低い「内装/インテリア」でも74.0%あった。
一方で、Nボックス以外の軽ユーザーの場合、90%台に該当項目ゼロで、80%台は「運転のしやすさ」と「燃費」の2項目のみ。10項目が70%台で、「内装/インテリア」は64.0%にとどまっており、Nボックス・ユーザーが軽自動車に対して厳しい目を持っていることがわかる。
そのうえで、興味深いのは14項目のうち唯一、Nボックス以外の軽ユーザーの比率が高かったのが「価格」だ。
言い方を変えれば「良いモノであれば、あまり価格にこだわらず買う」という姿勢が、Nボックス・ユーザーは若干強く、結果的にNボックスの上位グレードの販売が伸びる結果となっていると推測されるが……
課題の価格は社内改革で変わるのか?
「現在のクルマに対する満足度」を聞くと、Nボックスは95%以上が6項目、90%~95%未満が5項目、80%台が2項目あり、これら13項目でNボックス・ユーザーがNボックス以外の軽ユーザーより満足度が高い。
そして、Nボックス・ユーザーで唯一の70%台(78.2%)が「価格」であり、Nボックス以外の軽ユーザーの83.6%よりも低い。
つまり、Nボックスに対して「やはり価格は気になるが、良いモノなので買って良かった」という結果に思える。見方を変えると、ホンダとしての新車値付けは正解だったともいえる。
それでも、ホンダ関係者からは「Nボックスの原価は高く、薄利多売」という声が聞こえてくる。そうした中で、本田技研工業(ホンダ本社)から本田技術研究所に開発委託するという、営業と研究開発の二極化を、二輪事業に次いで四輪事業でも2020年4月から両社の関係性を見直し、コスト管理の徹底へとホンダ社内の改革が進んでいる。
ホンダとして、良いモノを適正コストでより多くのユーザーに使ってもらう体制を目指す中で、社会情勢を踏まえると電動化を考慮した次期Nボックスが、コスト改革での社内ベンチマークになることだろう。
そのほか、ホンダは「今後の自家用車利用で重視していること」や「現在のクルマに対するストレス度」についても調査結果をまとめている。
「Nボックス愛」の強さ?
「今後の自家用車利用で重視していること」は、コロナ禍で乗用車利用が増加している現状とこれからを踏まえた設問である。
そのなかで、車内の除菌や抗菌仕様に対してよりも、長距離移動時の運転者と同乗者の快適性を重視する声が全ユーザーで高く、その中でNボックス・ユーザーはさらに高い。
それをホンダは、ニューノーマル生活に適合したクルマというまとめ方をしているが、ニューノーマル生活の定義も含めて、この点については更なる深堀り調査と検証が必要だと、筆者は思う。
また、「現在のクルマに対するストレス度」では、全項目でNボックス・ユーザーがNボックス以外の軽ユーザーよりも、ストレスが少ないという結果となった。
そのうえで、「クルマのある生活に対する生活満足度」では、ユーザー本人の生活満足度がNボックス・ユーザー(75.6%)、Nボックス以外の軽ユーザー(69.0%)。また、同居家族の生活満足度は、それぞれ69.4%と62.7%を示した。
こうした各種領域での調査をまとめる形で、「次回のクルマの乗り換え予定」として「次の同じ車種」を聞いている。
その結果、Nボックス・ユーザーは64.5%、Nボックス以外の軽ユーザーは54.5%となった。
ホンダとしては「3人に2人は『次もNボックスを買いたい』」としている一方で、今回の調査では軽全体としてのユーザーの満足度の高さを、多くの人があらためて実感する結果となったと思う。
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