トヨタ カローラ 「全方位でよくまとまっている」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

全方位でよくまとまっている

2023.1.11

年式

2019年9月〜モデル

総評

日本のファミリーセダンとして申し分なしですね。実用的に使えて値段も高くなく、なんだかんだ言っても多くを望まなければ必要にして十分な走りの性能だってあります。カローラらしい質実剛健さはしっかり継承されているといっていいでしょう。コスパに優れつつ実力も高いセダンを探している人にオススメです。

満足している点

走りと乗り心地のハイレベルなバランスが素晴らしいですね。価格も抑えめで、「G」以上であれば実質的にカーナビが標準搭載されているのもありがたい。

不満な点

2022年10月以降の最新モデルはMTがドロップしただけでなく、自然吸気エンジンが4気筒の1.8Lから3気筒の1.5Lへと格下げになりました。車両価格を抑えているのと燃費がいいのはうれしいですが、なんだか物足りない気がしないこともないような……。

デザイン

4

シンプルながらしっかりと質感のあるクリーンなデザインですね。個人的にはシャープなヘッドライトと、滑らかな曲線のサイドパネルが好印象です。ちなみにカローラセダンのボディは日本専用サイズ。ひさびさに海外仕様と同じ車体骨格となりましたが、海外向けと比べると全長は135mm短く、全幅は45mm狭い日本向け仕様になっています。これは日本の道路環境でも扱いやすくするためですが、海外仕様と見比べても“寸詰まり感”がないのはデザインの妙だなと思います。

走行性能

4

力強さを求めるのであれば、ハイブリッドがいいでしょう。その理由はパワー＆トルクにゆとりがあるからです。ガソリン車は前期モデル（2022年10月まで）だとCVT車が1.8L自然吸気でMT車は1.2Lターボを組み合わせていました。後者はパワフルではないものの、運転する楽しさはシリーズ最高峰でした。いっぽうでそれ以降の後期モデルはMT車が廃止されたほか、CVTモデルも排気量が1.8Lの4気筒から1.5Lの3気筒にダウン。最高出力＆トルクも140ps/170Nmから120ps/145Nmに下がっています。燃費と価格を抑えているのは間違いないですが。

乗り心地

4

この世代のカローラセダンの美点といったらなにより乗り心地ですね。操縦安定性がいい上で、乗り心地もいいのです。そのハイレベルなバランスが見事。具体的にいえば段差を乗り越えたときの衝撃をしっかりいなし、乗員ヘはダイレクトに伝えないところが素晴らしいです。車体の上下の揺れが少ないから、視線がぶれないのも美点。ドライバーにとっては運転しやすいし、同乗者にとっては酔いにくいです。

積載性

4

後席を畳まない通常の状態での容量（VDA計測）は429L。ゴルフバッグが3個積める、なかなかの容量です。ちなみに床上スペースに関してはハイブリッドもガソリン車も同じですね。もちろんトランクスルーも可能。左右6:4分割です。倒した後席と床の間には段差が残りますが、これは日常で大切なトランクの床の低さを重視したと考えれば納得。

燃費

4

2022年10月以降のガソリン車の燃費（カタログ記載のWLTCモード）は18.1〜19.4km/L。ハイブリッドではないモデルとしては大拍手レベルではないでしょうか。新搭載した3気筒エンジンはパワーや質感などで従来の1.8Lエンジンにかないませんが、燃費面ではアドバンテージがありますね。実燃費でも状況が良ければ15.0km/Lは視野に入ってきます。

価格

5

Cセグメントセダンで199万円からというのは奇跡の安さと言っていいのでは。最上級の「W×B」でも245万円。その価格には17インチタイヤから8インチ画面のディスプレイオーディオまで含まれています。新車購入から5年間は通信ナビを無料で使えることもあり、カーナビを追加する必要がないのもいいですね。