トヨタ カムリハイブリッド 「静かで速いトラディッショナル大型セダン」のユーザーレビュー

えるぞう2003 えるぞう2003さん

トヨタ カムリハイブリッド

グレード:ハイブリッド“Gパッケージ”(CVT_2.5) 2015年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
-
乗り心地
-
燃費
-
デザイン
-
積載性
-
価格
-

静かで速いトラディッショナル大型セダン

2016.9.20

総評
先代ACV40に長年乗っていたが、カムリハイブリッドGパッケージの2015年10月マイナーチェンジ後の現行モデル、ディーラー試乗車落ち、走行2000km、T-Value評価5、車検残2年1カ月をネット検索で見つけて翌日に中古車ディーラーに現車確認に行き、他にも問い合わせの電話が複数入っているとのことで、他の人に取られない様にその場で購入の意思表示。整備諸費用込み総額290万円。

購入時点で装着されていたオプションはディーラー純正T-connectナビ(NSZN-W64T、音声マイク付き)、ETC2.0対応(DSRCユニット)、バックモニター、レーダークルーズコントロール、プリクラッシュセーフティシステム、ブラインドスポットモニター、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビーム、自動防眩ミラー、高機能ドライブレコーダー、オートリトラクタブルミラー。

<LEDデイライト>


価格的には、新車ならオプション価格、諸費用込みで総額396万円のフル装備車を目立った傷も無く2000kmという低走行状態で新車保証も継承してもらい、100万円以上安くゲット出来て非常に満足。しかし、新車価格を考えるとカムリもすでに「大きなカローラ」は卒業して、いつのまにか上級車~高級車の域になってきたと言える。

総合的に言って、非常にバランスの良いハイブリッドセダン。車の名前やブランドにこだわらないのであれば、コストパフォーマンスは非常に高い車であり、なぜ日本ではこれほど人気が無いのか不思議に思う。たぶん、昔の「カムリ=大きなカローラ」のイメージが定着しているせいか。だとすると車名を変えて、完全な新モデルとして発売すればもっと売れるだろう。

トヨタハイブリッドFF上級セダンでは同クラスにSAIがあり、価格は中間グレードでSAI-Gが394万円、カムリGは343万円。SAIはナビ価格込みとはいえ50万円も高い。トヨタとしては国内の推しはSAIで、カムリは海外向けの位置づけなのだろうと思う。しかし、排気量、ボディサイズ、室内の広さ、ホイールベース、エンジン馬力、システム出力(カムリ205馬力、SAI190馬力)はいずれもカムリのほうが上位。新型カムリのエンジンはアトキンソンサイクルを採用した2AR-FXEで2011年9月にカムリHV前期モデルに搭載されたのが最初、一方SAIは2AZーFXEで2001年6月にエスティマHVに搭載されたのが最初、エンジンの開発時期でもカムリは10年新しいということになる。

しかも、ボディが大きくパワートレインも強力なカムリのほうが車重が50kgも軽く、JC08モード燃費はカムリがSAIを1km/ℓ上回る。理論的には燃料満タン65ℓでカムリのほうが65kmも余計に走れることになる。この差は大きい。ハイブリッド車が欲しいが、SAIのようなコンパクトカーや半分ミニバンのような形状のプリウスαではなく、これぞ3ナンバーというようなワイド&ローの構えで伝統的セダン形状のロングクルージングにも対応できるパワーに余裕がある大排気量ハイブリッド車が欲しい。しかし実用性、経済性、燃費も重視で、クラウンハイブリッドやレクサスハイブリッドは予算オーバーという人は、ぴったりの車だろう。
満足している点
初代以来の「大きなカムリ」の伝統を継承した大型ボディのオーソドックスなどっしりとしたセダン。欲を言えば、リアの形状が大人しすぎか。しかし、全体にスタイリッシュで、現行モデル(2011年以降)の前期型よりもフロントマスクもスポーティに変わったのが好印象。

よく、日本の狭い道には大きすぎるセダンという評価も見かけるが、最近のコンパクトカーに慣れた人には取り回しがしづらいと感じるのかもしれない。うちは大型セダンを乗り継いできているので、妻も不満無く普通に運転している。むしろ、妻もコンパクトカーは頼りなく乗り心地もイマイチなので嫌とのこと。要は慣れの問題。

車体形状を工夫してあるせいか、先代で気になった高速走行時の「ヒューヒュー」という風切り音が無くなっていた。この小さなフィンの効果はよくわからないが。

<エアロスタビライジングフィン>


インパネ周りの造りはオーソドックス、メーター類は高輝度で見やすい。センターに配置されたマルチインフォメーションディスプレイもカッコいいと思う。しかし、エコメーター設置の代わりにタコメーターが無くなったのは違和感がある。運転を楽しむためにはハイブリッドでもエンジンの回転数は知りたい。小さくても良いのでタコメーターも入れて欲しかった。

カムリはいわゆる高級車ではないが、といって安い車でもないので、それなりの上質感は欲しいところだが、ダッシュボードをステッチ入りにするなど工夫してあり、まずまず満足できるレベル。室内色は現行は一色のみで選択肢がないようだが、黒色系でまとめられた室内に3本スポークステアリングはスポーティーな印象で良い。

<インパネ周り>
不満な点
先代カムリACV40は後部座席も若干リクライニング出来たが、最新モデルはリクライニング出来なくなった。さらにリアサンシェードも廃止され、代わりにリアはソフトプライバシーガラスとなった。また、先代ACV40は中間グレード(リミテッドエディション)でも運転席、助手席とも電動パワーシートだったが、現行モデルは最上位クラスのレザーパッケージを除いて助手席は手動になったのはマイナスポイント。

細かい点では、前席後席ともに灰皿が無くなった。知らなかったが最近は灰皿がオプションになったとのこと。私はタバコを吸わないので良い点だが、カード入れもETCに占領されるので、運転席周りに小物を入れておく場所が少なくなった。
デザイン

-

走行性能

-

良い意味で驚いた。この車、ハイパワーを売りにしているわけでは全くない。しかし、ハイブリッドモーターの特徴である低速トルク(27.5kgm)が生かされ、スタートダッシュはなかなかのもの。あえてアクセルを強く踏み込んだ時の加速力は、背中がシートに押し付けられるほどに鋭い。信号待ちで並んだ3000ccクラスのガソリンエンジン車と同時スタートでも、ちょっとアクセル踏めば楽々と頭を取れる。また、CVT無段変速になってギアチェンジのショックが無くなったのも良い。高速では、逆に2500ccエンジンのトルクが生きる。追い越し加速など、全くストレスなく100kmから130kmまで一瞬で加速する。いろいろ調べたら0-100km/h加速7秒で到達している動画がyoutubeにアップされていた。3リッター車でも7秒以上かかる車はいっぱいある。比較的軽い車重が加速を良くしていると思われる。早いと感じるはずだ。

(0-100km/h)
※7秒ジャストで100km/hに到達している動画
ttps://www.youtube.com/watch?v=zxS8_nwJEsQ



後期モデルからはオプションでプリクラッシュセーフティシステムやレーダークルーズコントロールを含むパッケージシステムを選択できるようになり、レーダークルーズ付きの車を初めて買ったが、高速走行時にアクセルワークから解放されるのがこれほど楽とは思わなかった。加速も先行車と車間が詰まったときの適度な減速もスムーズで、安心して速度管理を車に任せられる。今までのクルコンは日本の混んだ高速道路では頻繁にon、off、速度セッティングの調整を繰り返す必要があり、また設定速度を上げることはできても下げることはできなかった。また、レーダークルコンは、ハンドル操作に意識を集中できる分、より安全性も高いし疲れないと思う。一度、この快適さを味わうとこれからはレーダークルーズ無しの車には乗れないだろう。

しかし、カムリのレーダークルーズは全車速追従ではなく、40km/h以下の速度では解除されてしまうのは残念。そのほかの安全装備については、車線の端に寄った時に警告してくれるレーンディパーチャーアラートは意外と良い。ブラインドスポットモニターも激しい雨の夜間など見通しの悪い時は視認を補助してくれる。しかし、プリクラッシュセーフティは時速30km以上では減速はするものの自動で完全には停まれないらしい。そういう点でトヨタ車は安全技術や自動運転技術の実用化では後れを取っている感が否めない。カムリのセーフティシステムはセーフティセンスは名乗っていないが、実質的にはミリ波レーダー+カメラを採用しているなど、セーフティセンスPとCの中間グレード。ハイブリッド技術では最先端を行くトヨタのHV車にスバルのアイサイトVer3並みの自動運転技術が搭載されてくれれば最新技術の塊になり言うことは無いのだが。
乗り心地

-

4輪ストラットサスペンション。先代ACV40は、ふわふわした柔らかい味付けで直進安定性にやや欠ける感があったが、今モデルは適度に硬さがあり、高速での運動性能や直進安定性も優れており、かといって路面の凸凹は適度に吸収してくれ、乗り心地に悪影響を与えるほどではない。長距離クルーズに非常に適したセッティングになっているように感じている。実際、高速を200kmほど走ったが、レーダークルーズを使用したこともあり、何回か行った目的地にこれまでよりも早く着いた錯覚を覚えた。運転疲れは先代よりも明らかに少ない。

室内の静粛性も、素晴らしく静かとは言わないが不満を感じるレベルではない。以前同乗したクラウンアスリートとあまり変わらないのではないかと感じた。購入したAVV50のマイナーチェンジ後の後期モデルでは、前期型に比べて静粛性もさらに高められたとのこと。エンジン音も非常に静かで、モーターのみでスーっと発進して、静かなまま走るのでいつエンジンがかかるのかな?と思ってたらいつのまにかエンジンがかかってたというような感じ。CVTなので今までのATみたいに踏み込んだ瞬間にシフトダウンしてエンジンが急にうなりを上げるということも無い。エンジンは先代同様の直4なので騒音や振動はある程度やむを得ないと予想していたが、実際は格段に改善されていた。ハイブリッドモーターの補助があるので、加速時も余り回さなくても良くなっていることも要因だと思う。先代のACV40では高速走行時にFMラジオなどオーディオのボリュームを若干上げていたが、新型ではそのままのボリュームでOKだった。

以前にホンダのアコードハイブリッドにも試乗したが、アコードは街乗りの際にモーターのヒューンという加速音やヒュイーンという回生ブレーキの音が大きく非常に気になった。しかし、カムリはモーターのみでスタートするときのモーター音も小さく、加速してエンジンが始動した時もいつエンジンが始動して、いつ停止したのかエネルギーモニターを見ていないと、音や振動では全く分からない。非常に加減速がスムーズでモーターのみでスタートするとき以外、ハイブリッドであることを意識させない車になっている。

欲を言えば、ハイブリッド車でモーターのみ走行時などのエンジンルームからの音が無いと荒い舗装の路面でのロードノイズに意識が向いてロードノイズが大きいと感じてしまう。これはパワーユニットが静かだからだが、欲を言えばもう少しロードノイズが減れば完璧。
積載性

-

後部座席は、言うまでもなくFFビッグセダン最大の特徴である広い空間を初代からの伝統として継承。足が楽に組める広さ。先代のACV40よりもさらに若干広くなった感さえある。トランク容量は、ゴルフバッグ4つ積めるレベルでハイブリッド車として、もちろん及第点。
燃費

-

【長距離①】
納車後、さっそく中央道を東京から勝沼まで走り、勝沼からの帰りは塩山経由で八王子近辺まで急な上り下りの国道411号(青梅街道)の峠道を含む一般道を途中、ワインディングの奥多摩周遊道路、桧原村経由で八王子から中央道に戻って、高速6割、一般道4割といった比率で、2人乗車でまだ暑いのでエアコンが常時onでトータルの燃費はディスプレイ表示で19.5km/ℓ、実燃費17.9km(279km走行で給油量15.6ℓ)。

途中、峠を越えた急な下りでは、当然ずっとエンジンは停止するわけだが、シフトをBに入れればエンジンブレーキと回生ブレーキが効くので、ノーマルガソリン車のエンジンブレーキと同じ感覚で、ほとんどブレーキを踏まずに下ってくることができた。

【長距離②】
東京から松本経由、岐阜県の乗鞍、高山、木曽御岳方面の山岳道路を2人乗車+旅行荷物搭載で2泊3日でドライブ旅行。788.4km走行して東京帰着時の計器表示(写真)。この直後に満タン給油して給油量43.59ℓ。実燃費18.1km。65ℓタンクなので燃料残は21.41リッターで同条件の走行であと387km走れることになり、合計すると無給油航続可能距離は1175kmと軽く1000kmを超えることが分かった。


【長距離③】
大人4人+トランクに荷物満載での長距離走行。高速含め867.3km走行で51.95ℓ、16.7km/ℓ

【街乗り】
ストップアンドゴーの多い東京都心では、回生エネルギーによるエネルギー回収も十分にできず、シグナルスタートの回数も多いので実燃費は15.5km/ℓ程度。ちなみに、前車のACV40では6.5km/ℓだった。

しかし、さすがハイブリッド。2500cc、1.5トンを超える車重で都内でも15.5km/ℓ、高速のみだと恐らく20km/ℓは十分満足できるレベル。
価格

-

故障経験

下記のリンクから「みんカラ」に遷移して、違反報告ができます。

「みんカラ」から、違反報告をする

トヨタ カムリハイブリッド 新型・現行モデル

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

※ 掲載しているすべての情報について保証をいたしかねます。新車価格は発売時の価格のため、掲載価格と実際の価格が異なる場合があります。詳細は、メーカーまたは取扱販売店にてお問い合わせください。

ユーザーレビューを投稿する

ユーザーレビューを投稿する

※自動車SNSサイト「みんカラ」に遷移します。
みんカラに登録して投稿すると、carview!にも表示されます。

ログイン

中古車探しをもっと便利に

  • 中古車お気に入り管理
  • おすすめ中古車の表示
carview!の最新情報をチェック!
Facebook
carview!公式Facebook
最新のクルマ情報をお届けするcarview!オフィシャルページ(外部サイト)

carview!公式X(旧Twitter)
carview!の中の人がクルマ情報をポストする公式アカウント(外部サイト)

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離