スズキ ハスラー 「遊び心満載のデザインだが各部の造りこみはしっかり」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西川 昇吾
西川 昇吾(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
5
価格
5

遊び心満載のデザインだが各部の造りこみはしっかり

2022.7.20

年式
2020年1月〜モデル
総評
ぱっと見の印象はデザイン度が高いという感じで、そこから利便性や各種性能は犠牲となっているのかな…というイメージを持ってしまう人もいるかもしれないが、実際に細かく見ていくとそんなことはない。むしろ利便性や燃費といった、実際に使うユーザーが気になる部分の性能をしっかりと高めている点に好感が持てる。これだけ個性を演出できるデザインを持ちながら、各種性能や利便性が高いモデルがリーズナブルな価格で購入できるのは素晴らしい。
満足している点
デザインの遊び心があって、個性的な仕上がりとなっているのに各種性能が高いのが利点と言える。走行性能もこの手の軽自動車としては高いと感じるし、利便性や燃費性能といった実際のユーザーが気になるポイントも満足度が高い。そういった各種性能に万人が不満ないよう仕上がっているにも関わらず、個性と遊び心があるデザインに仕上がっているのだから、デザインが気に入れば買いと言える軽自動車だ。
不満な点
正直言って気になるポイントはあまりない。強いて言えばロール感が気になるポイントではあるものの、この手の軽自動車としてはそれはさして大きな問題ではないと思う。また、乗り心地の面で細かな振動が気になると述べたが、軽自動車としてはそんなに大きくないと思うし、欲を言えばなレベルである。デザインを気に入ることが出来れば多くの人にオススメできると言える。
デザイン

5

軽自動車や5ナンバー以下のコンパクトカーのデザインを手がけたら、スズキは個性と遊び心を出すのが上手いなと感じる。ハスラーはそんな印象を受ける筆頭のクルマだ。基本的なデザインもそうだが、2トーンカラーの色の使い分けもありがちな形ではなく、個性があふれながらも全体的なイメージにマッチしていて、クルマのコンセプトにピッタリといった印象。また、インテリアデザインも独創的な雰囲気に仕上がっていて、個性や遊び心が欲しい人はぜひ実物を見てほしい1台だ。
走行性能

4

全高が高いこともあってロール感が出てしまうのは否めないが、許容範囲と言える。しかし、走行性能の面で驚くのは動力性能だ。自然吸気エンジンで800kgちょっと、ターボエンジンでも900kgを下回る軽量な車重にマイルドハイブリッドが備わっているのだから、街中での出だしの加速は自然吸気エンジンでも不満が少ない。ターボエンジンならば軽自動車としては速いと感じるレベルだ。カワイイ見た目に寄らず、結構イケイケな加速をする1台だ。
乗り心地

4

軽量な軽自動車にありがちな細かな振動は感じられるものの、ライバルに対してその部分が劣っているわけではないし、致し方無い部分もあると思う。こちらも許容範囲と言えるレベルだ。むしろ、現行になって剛性が高くなったためか、乗り心地や静寂性といった部分では軽自動車としては高いレベルなのではないかと思う。どうせなら14インチを履かせて扁平率を上げてエアボリュームをもっと出せば、もっと乗り心地が良くなると思う。そういったカスタムもアリだと思う。
積載性

5

軽自動車としては優れた積載性を持っていると思う。後部座席を立てた状態でも実用的なラゲッジスペースは確保されているし、アンダーラゲッジボックスも深さがそれなりにあり実用度が高い。また、ラゲッジスペースの床面とラゲッジアンダーボックスは手入れがしやすい素材となっているので、アウトドア派にもおススメと言える。さらにラゲッジスペースには6か所のユーティリティフックが備わっているので、使い勝手も良い。
燃費

5

軽量な車体にマイルドハイブリッドが搭載されていることもあって、燃費性能は優れている。自然吸気エンジンがWLTCモード25.0km/L、ターボエンジンが22.6km/Lとなっているが、驚かされるのは市街地モードの燃費。自然吸気エンジンが22.9km/L、ターボエンジンが19.7km/Lとなっている。市街地モードでこのような燃費性能を実現しているのは、低速域でのアシストをしてくれるマイルドハイブリッドが影響しているのだろう。燃費性能的にも実際に乗ってガッカリすることはないはずだ。
価格

5

マイルドハイブリッドを搭載していて、デザイン性が高いにも関わらず、トップグレードの4WDでも200万円を切っている価格設定はリーズナブルと言える。運転支援システムもエントリーグレードを選択しなければ、多くのモノが標準装備で充実しており装備面でも不満が少ない。ターボが用意されている軽自動車ならばターボを選びたくなってしまいがちだが、リーズナブルなNAでもあまり不満がないというのも価格的にメリットと言える。
西川 昇吾
西川 昇吾
自動車ジャーナリスト
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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