軽く,しなやかに,楽しく,走れるクルマ
●去年12月に9年間乗っていたスバル・ランカスター6を手放すことにしました.エンジンは快調そのものですが,サス
2010.3.13
- 総評
- 軽く,しなやかに,楽しく,走れるクルマ
●去年12月に9年間乗っていたスバル・ランカスター6を手放すことにしました.エンジンは快調そのものですが,サス,車体に明らかな疲労(?)が感じられ,そろそろ老体の域.圧倒的な加速は健在ですが,色気,穏やかさが影をひそめ,少々もてあまし気味になっていました,
●C5は気になっていたものの,186cmという幅に畏れをなして,いまいち踏み切れずにいたところ,C6に試乗する機会があって,ためらいは吹っ飛びました.もちろんシュールな乗り味に数分間で感銘.それから現実的にじっくり考えて,2.0ツアラーに決めました.仕事の事情で荷物を運ぶことがある,ガラスサンルーフの解放感,優雅だがシックで目立たないスタイル.不要な(強大な)追い越し加速などからです.
●今,納車後3週間のところで,1600km走ったところです.走るにつれて,サスペンションが道になじみ,車体が走りに慣れ,乗り手(私)がクルマを好きになっていくことがわかります.まあ,ハネムーン状態ですな.ちなみにカラーはマティポワールで,梨色です.光るようで渋い色が,また味があってよいのです.
●納車前にあったいくつかの懸念はそれほどのものでないことも判明しました.186という幅ですが,ハンドルの切れがよいために,車庫入れ時に細かな動きがしやすく,意外と不自由感がないのです.まあ難しい駐車を楽しむ(!)ゆとりが必要といえば必要ですが.
●町乗りよし,高速よし,おまけに山道もけっこう楽しいのです.シャンソンやモーツアルトを聞きながらどんな場所も走り抜けることができます(なんだかCMやってるよう).
- 満足している点
- ●ハイドロサスペンションの甘い,熟れた果実のような走り味,乗り味が,とにかくこのクルマを特徴づけるものでしょう.走り出して間もないですが,少しずつそれが体に浸透してくるのがわかります.この味わいがなければ,シトロエンを選ぶ理由は半減するでしょう.
●シートが最高.シートのほうがこっちの体に合わせてくれるという表現はオーバーではありません.住宅室内用ソファーもフランス製は最高です.疲れにくくそれでいて眠くならない.椅子文化の粋がここにも生きていて,この点日本車はどうしようもありません,
●山道は4速マニュアル・モードで走るのがよいと気づきました.もともとマニュアル好きな私にはこれがちょうどよい.6速が今や主流ですが,VWのSモードと比べても4速の歯切れのよさには捨てがたいものがあります.ATのほうは,なかなかシフトアップしてくれないもどかしさが確かにありますし山道では音もうるさくなりますから,このあたりは好悪の分かれ目かもしれません.
●護られ感のある室内空間.安全,心地よさ,センスの良さ,ということを考え抜いた設計だということが伝わってきます.これはVWや日本車などの堅牢性,実用性,シンプルさといった哲学とは異なるところでしょう.そのためか,収納スペースの貧弱さ,中途半端さなど実用性という点でやや難が生じています.とにかくこのクルマの室内空間の雰囲気が好きということがなければ,難点のほうに目がいくことになるでしょう.一方好きなら少々のこと(車検証を入れる場所にナビシステムの本体があるなど)は,笑ってすませることができます.このオカシサは,やはりこのクルマが,考え抜かれたクルマだということからくるのでしょう.
- 不満な点
- ●ハンドルはもう少しだけ遊びがあったほうがよいように思いますが,長所のところで述べた,車庫入れ時など緩徐な速度の時の切れ味は,遊びがないことの結果でもあるように思えるので,なんとも言えないところです.
●上記のハンドルの特性によって高速での直進安定性がぼんやりしてると損なわれることがあるような気がします.集中していれば問題ないどころか,すばらしい安定性です.ただし,私の場合,スタッドレスタイヤの影響もあるかもしれません.
●サイドブレーキまでオートマチックにする必要はないと思う.これも許せる範囲の短所ですが,こういう所は,田舎風味をしっかり残してほしいもの.
●注目の燃費ですが,現在のところ,町乗り6.5,高速11.5というあたりで,できるだけアクセル踏まないで走って,伸ばしてみたいものです.
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験