マツダは米国でのディーゼル車を延期していますが、理由は何ですか？

Question

デザインの良さ、ガソリン車の燃費のよさで、私の周りの米国人の間でもマツダ車の評判は以前よりも良くなっています。（昔は、話題にも出なかったです、、。）
米国はディーゼルの価格が日本ほど安くない（ガソリンより少し高いくらい）ので、爆発的に売れるとは思いませんが、昨今の公共料金の高騰で、燃料費を抑えたいマインドは高まっています。
私を含め、年間２０，０００キロ以上運転するのはザラなので、マツダのディーゼルに興味津々です。

よろしくお願いします。

Answer 1

●回答
原因は規制値が，欧州や日本より微妙に厳しいからです。

規制値
欧州（Euro6）：NOx＜0.08g/km，PM＜0.005g/km
日本（ポスト新長期）：NOx＜0.08g/km，PM＜0.005g/km … 数値はEuro6と同じ
米国（TierⅡ-Bin5）：NOx＜0.04g/km，PM＜0.006g/km

●米国規制の何が厳しいか？
NOx（窒素酸化物）です。これが日欧の半分という厳しい規制値のためクリアが難しいのです。

マツダのSKYACTIV-Dエンジンでは，基本的にNOx後処理装置を付けないで，エンジンアウトNOxを減らすように低温燃焼を実現しています。しかしこれ以上のNOx低減になると，未燃分が増えてしまい，燃費悪化や出力低下をおこします。このため一般的な高圧EGRクーラ以外に低圧EGRクーラシステムの追加を検討していましたが，うまくいかなかったのかもしれません。

●米国のディーゼル車需要は？
時々，米国では，ガソリンにくらべて軽油が高くて，ディーゼル車のメリットが無いという誤解があります。米国での燃料価格（14年2月）は以下の通りです

ガソリン ＝ 0.89ドル/L
軽油 ＝ 1.05ドル/L

つまり軽油の方が高いのが現状です。
出典 ： http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2014html/2-2-4.html

米国ではディーゼル乗用車のコストメリットは小さいといえます。

●燃費は？
米国の大型トラック（ディーゼル車）では，燃費向上を国が推進しています。これを「スーパートラック構想」といい，各トラックメーカ（カミンズ，ダイムラー，ナビスター）が，燃費改善をする（高圧縮比などで）と報告しています（2014年6月）。この高圧縮比化と他の手法をあわせて，2014年の熱効率42%を2020年に50%へもっていく計画です。英語で申し訳ありませんが，下記をご覧ください

http://www.theicct.org/sites/default/files/publications/ICCT_SuperTruck-program_20140610.pdf

つまりディーゼル車は燃費が良いのです。

●加速は？
BMWの5シリーズの状況を見てみましょう。ここには，0→100km/h到達までの時間，出力，トルクを示します。

★ガソリン車（4.4Lターボ，3.0Lターボ）
550i＝5.0秒，407馬力/5500～6400rpm，600Nm/1750～4500rpm
535i＝5.9秒，306馬力/5800rpm，400Nm/1200～5000rpm

★ディーゼル車（3.0Lターボ）
535d＝5.5秒，313馬力/4400rpm，630Nm/1500～2500rpm

欧州で50.9%のシェア（2013年）になった要因は

第1 ＝ コストメリット ＝ 燃費 × 燃料単価
第2 ＝ 加速性

日本でも，マツダのディーゼル車により，ディーゼル車のメリットは，コストだけでは無いことが認識されてきています。このため米国でも，ディーゼル車が普及する素地があります。ただ現在は1%以下のシェアなので，マツダとしても，すぐに投入は必要無しと考えたのでしょう。ある統計では，米国のディーゼル乗用車普及の伸び率はハイブリッド車よりも高いというデータがあり，いずれ米国でもディーゼル車が見直しされるのは間違いありません。

●米国の現状は？
BMWの3シリーズ，5シリーズ，7シリーズ，X3，X5で発売されています。以下，X5の場合ですが，

sDrive25d … 2.0Lディーゼル，2駆
xDrive25d … 2.0Lディーゼル，4駆
xDrive30d … 3.0Lディーゼル，4駆
xDrive40d … 3.0Lディーゼル，4駆
M50d … 3.0Lディーゼル，4駆

という豊富なラインアップがあります。日本より多くの車種が売られており，ディーゼルの今後の需要拡大をすでに予測した車種投入になっています。

●マツダの状況
CX-5やアテンザでは，75～80%がディーゼル車です。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

Answer 2

アメリカは国策で軽油がガソリンより高いのですよ。
ディーゼル車はガソリン車より高いでしょ。
燃費のメリットが少ないし、ディーゼルはうるさいしでメリットなしって考えですね。

日本は国策で軽油のほうが安いのです。

Answer 3

アメリカは日本以上にディーゼル車が好みではありません。これは文化ですから。
ヨーロッパでは、ガソリンより軽油価格が高い国が有ります、それでもディーゼルが売れます。
(本来、ガソリンと軽油の生産コストは同じです)
ヨーロッパは道路事情が良くありません、小道、石畳、坂道、砂利の道 曲がりくねっています。そんな中に
アウトバーンの様な高速も有ります。 ガソリン車は乗りにくい 低回転でもトルクが有るディーゼルが
乗りやすい。アメリカは道路事情が違います、歴史も無い国です 車と共に発展してきた国でもあり
馬車の時代から都市が形成されたヨーロッパとは事情が違います。

Answer 4

現状ではアメリカの規制水準にはSCR無しでの達成出来ないからです。
走りを犠牲にすると達成可能なそうですが、そこを捨てたらマツダとしての意地が保たれないからです。

Answer 5

アメリカはガソリンの価格が1リットル50〜70円くらいだったと思います。燃費にはこだわらない国だからですし、でかい車が好かれる国ですね。

Answer 6

米国のモータリゼーションでは、
ディーゼル車は日本以上にマイノリティなのかも。
メーカーが投入を見合わせてるんだから、
それは綿密なマーケティングの結果だと思うのですが・・・
マツダは元々米国より欧州で強いメーカーだと思いますし。

やはり、主戦場の欧州で実績を上げて、日本のマーケットでも
乗用車のディーゼルの認知度を上げてもらいたいですね。

昨今のマツダ車には期待してます。