e92 320i にe87 1シリーズの足回り流用

Question

e9※ 3シリーズの足回りに1シリーズの足回りを流用する事を検討しております。

現物は見ておりませんが、画像で判断する限りリアのショック下部取り付けは同形状、フロントも取り付けは同形状と判断しております。

スタビリンクの取り付け位置は若干違うとして、アッパーマウントはe92用を使用した場合は単純に取り付けは可能でしょうか？

車高調流用及びショック流用の知識として知りたいです。

e92用の純正形状車高調や純正サス/ショックが硬いものばかりで、320iより車重の軽い1シリーズの純正を流用出来た場合どうなるかに興味を持ちました。

当方、車弄りが好きですので両方の現物を触ったことのある方の回答を頂ければ幸いです。
e92用を買え。
的な指摘は当方も重々理解しておりますのでご遠慮下さい。

画像はショックのケース上部を0からロアマウント部への寸法です。

Answer 1

基本的な話として、
「バネ定数＝一輪荷重÷ストローク」です。

例えば、
フロント一輪の荷重が400kgf。ストローク（ダンパーのストロークで決まる）が80㎜の場合、
バネ定数＝400÷80＝５kgf/㎜。
で基本的なバネ定数が決まります。

従って、軽い１シリーズ用は、
フロント一輪荷重300kgfなら、
バネ定数＝300÷80＝3.75kgf/㎜
と基本的に柔らかくなってる。

この柔らかいバネを重い車に取り付けると、
400÷3.75＝106・・・取り付けただけで底付きしちゃう。
底付きしなくても、縮み過ぎて、縮み側ストロークが無くなり、ほんの少しの路面の凸で跳ねてしまう。ということになるでしょう。

なので、３シリーズ用のバネは基本が硬くなってる。

そこにさらに、
旋回G＝ロールによる荷重が加わっても底付きしないように、
バネ定数＝最大荷重÷ストロークとすると、
さらにバネ定数は高くなります。

例えば、旋回Gが１G出るハイグリップタイヤを履いているなら、
最大荷重＝静止荷重400kgf＋横Gによる荷重400kgf＝800kgf
バネレート＝800÷80＝10kgf/㎜
となるわけです。

これを柔らかくするには、
①静止時荷重を減らす＝車を軽くする。
②横Gを減らす＝タイヤのグリップが低いものを履く
③トレッドを広くして荷重移動を減らす
しか方法はありません。
※ロールは重視位置とそれを支えるタイヤの接地面の位置関係による単純なテコの原理で起きる「車体」の運動で、バネは「それを抑える」役目しかありません。


但し、
「足が硬い」という「感触」を感じてる場合、
「普通に公道を走ってて凸凹を拾い過ぎる」とか「ガタガタくる」みたいな感じでしょうけれど、
これは「ダンパーの高周波減衰力が硬過ぎる」場合が多いです。
（※路面の凸凹による伸び縮み＝高周波。
ロールやピッチングによる伸び縮み＝低周波。）

なので、ダンパーの「高周波減衰力」を見直すとカイゼンされることが多いです。
⇒車高調などに取り付けるダンパーには４ランクあります。
①伸び側縮み側同時調整（高周波減衰力調整はされない場合が多い）
②伸び側縮み側別調整（高周波減衰力調整はされない場合が多い）
③伸び側高周波／低周波、縮み側高周波／低周波の４WAY調整。
④上記③で出た４WAYのベストセッティングの減衰力を固定して、工場特注で一品制作されたもの。

なので、まずは③の４WAYダンパーに交換して、高周波減衰力を調整してみるのがいいかと思います。


バネの硬さは
①バネの役割から言って、柔らかければ柔らかい程いいので、横Gで底付きしない限度の硬さにする。
②バネを硬くしてタイヤが浮いては意味が無いので、どんな操作でもタイヤが浮かない伸び側ストロークを確保する。
③チューニングは「ステアリングレスポンス＝硬いほどステアリングの応答性が良くなる」で決める（ジムカーナなどはレスポンス重視で硬く。フルコースのサーキットは、最大横Gを重視して、底付きしない程度に柔らかく）
但し、バネが底付きしなくてもタイヤが底付きしては無意味なので、
タイヤに十分なストローク（ハイト100㎜以上）あることが必要。
・・・レースカー用のスリックはこの理屈でみんな十分なハイトとエアボリュームがある。