アウディ A4 アバント (ワゴン) 「意外に質実剛健な性格のワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

意外に質実剛健な性格のワゴン

2023.6.22

年式

2016年4月〜モデル

総評

「アバント」とはアウディでは「ステーションワゴン」を指す名称。SUVは好きじゃないけど荷物も載せたい。アウディが欲しい。そんな人とマッチングのいいクルマですね。

満足している点

広い荷室による実用性の高さ、安定性が高く安心感のある操縦性、乗り心地の良さ。機械としての質の高さを感じます。

不満な点

「S4」やスポーツモデルの「RS4」を除くと、エンジンにエモーショナル感がないこと。「よくできた機械にエモーショナル感は必要ない」といった考え方があるのかもしれません。また「S4」になればエンジンを回す歓びもしっかりあるので、「A4」と「S4」の差別化をしっかり行なっているということなのかもですね。

デザイン

5

アウディのデザインって都会的でクールな感じですよね、ステーションワゴンでも（RS4を除く）。そんな計算しつくされたクールな感じは、個人的には嫌いじゃないです。むしろ好き。絶妙なフェンダーの張り出し感とか、ボンネットやサイドパネルの尖ったプレスラインとか細かいところまでしっかり凝っているなあ……と感心します。

走行性能

4

どのパワートレインを選ぶかで印象は違いますが、一時期日本で販売していた1.4Lのターボエンジンだと困らないけど時々トルクが薄いな、反応が鈍いなと感じることがありますね。2.0Lターボになれば動力性能的には十分。ただし質実剛健な印象で高回転のエモーショナルな感じはないです。運転する歓びを得たいのなら「S4アバント」もしくは「RS4」がおすすめですね。個人的には、どうせ回す歓びのないガソリン2.0L（S4を除く）を選ぶよりもディーゼルが好き。トルクが厚くて運転しやすいです。

乗り心地

5

アウディの乗り心地の良さはなかなかのレベル。フラットライド感が高く、同乗者にも優しい乗り味です。BMWの「M Sport」で硬さを感じる人もこれなら安心じゃないでしょうか。

積載性

5

後席を畳まない状態での荷室容量は495L。セダンよりも35L多いので、キャンプやウインタースポーツなど荷物が多くなりがちなレジャーに活用したい人は断然ステーションワゴンボディのアバントを選ぶべきですね。ちなみになぜドイツ車にステーションワゴンが多いかといえば「荷物を積んでアウトバーンをかっ飛ばすから走行安定性のために重心は低いほうがいいけれど、バカンスに行くときに荷物をたくさん積みたいからセダンの荷室だと心もとない」からだそうです。

燃費

4

カタログ記載のWLTCモード燃費はガソリン車の「35 TFSI」系が14.3km/L、「45 TFSI」系が12.7km/L。昨今はドイツ車も燃費を重要視しているので悪くはないですね。ただ、燃料代を気にするのであればオススメは断然ディーゼル。WLTCモード燃費は16.1〜17.1km/Lとガソリン車より優勢で、さらには燃料の軽油もガソリンより単価が安いのでお財布に優しいです。

価格

2

一般常識と照らし合わせれば値段は高めですね。でも、プレミアムブランドなのでそのあたりは相場相応という感じで。