ジャガーXFに海外試乗! ジャガーの癒しは健在か

五感がリラックスしているのを実感できる

エンジンラインナップは3リッターV6、4.2リッターV8、そして4.2リッターV8スーパーチャージャーの3種類となる。いずれも6速ATが組み合わされる。国際試乗会では、V8の2モデルが用意された。

新生ジャガーは、見た目のみならず、走りにも現れていた。レトロではなく現代風な走りの良さ、精度の高さがありながら、ジャガーネスも色濃く感じることができる。ステアリングの操舵力は軽めだけれど手応えはある。既存のモデルに比べてフリクションがなく、スムースで落ち着いたステアフィールにも好感を抱く。そして、すべての動きがこのステアリングのようにスムースでしなやかであることを、走り出して間もなく実感できた。

スポーティさもある。たとえばドイツ車は、アウトバーンに代表されるハイスピード領域を意識して、ボディの姿勢変化を極力抑えた「フラットライド」を良しとする。その点、XFは、ロールもピッチングもそれなりに許容する。しかし、その動きのスピードが速すぎず、懐深いので不快感や不安感はない。ドイツ車の無機質な乗り味に対して、XFは非常に有機的な、動物的なしなやかさがあるのだ。

V8モデルは19インチタイヤを装着していたが、乗り心地も快適だ。ネコ科の動物の、ヒタヒタと足音を立てずに歩くようなマイルドさとでもいおうか。ドライバーに限らずパッセンジャーシートの乗員もきわめて快適にいられるというのが、ボディの動きがちゃんと制御されている大きな証拠だ。運転していてもパッセンジャーシートにいても、五感が「リラックス」しているのを実感できる。そんな、ジャガー特有の「癒し」は健在なのだ。