NSXとGT-R、限界走行テストはスマホとガラケーぐらい別モノだった!?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:テクノメディア 2
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しかし、もっと驚いたのはハンドリングだ。ミッドシップのNSXに分があるのは明白だが、NSXは低重心なのでフロントタイヤが軋むまでもなく、ステアリングを操舵した瞬間にワープした感じのコーナリングが可能だ。限界ではリヤタイヤのグリップ力とリヤサスペンションの剛性感にすこし物足りなさを感じるが、限界の90%くらいまでなら、前後のバランスは悪くない。
ところで、NSXの特徴であるモーターベクタリングはプロトタイプよりもマイルドにチューンされている。ホンダの話では量産ボディの剛性が高まったことが効いているらしい。実際のハンドリングではどこまでモーターが貢献したのかは観察できなかった。大切なポイントはハンドリングに関しては1.7トンという重量は感じられなかったということだ。
GT-RとNSXは似たような車両重量だが、フロントエンジンのGT-Rはフロント荷重が大きいため、ハンドリングではやや不利だ。GT-Rはタイヤのコーナリングパワーを高めることで、フロントヘビーな特性に対応している。実際のハンドリングも高いタイヤ性能を活かして、限界まで気持ちよく走ることができた。
テストで得られたデータではGT-RとNSXは互角だったが、モーターで加速し、低重心のハンドリングを持つNSXの走りは新鮮だった。ハイブリッド技術はF1からWECまでレースマシンのスタンダードになりつつある。早い話がGT-Rは超高性能なガラケーで、NSXはスマホなのだ。だが、昔のスポーツカーを知っている人にはGT-Rのアナログ的なドライブフィールはありがたい。
結局、この2台のスポーツカーはアナログとデジタルの違いなので、単純に比較して優劣を語るのは難しい。個人的にはNSXの未来を見守りたいし、ハイブリッド化した次世代のGT-Rを夢見たい。
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