岡崎五朗がティアナ試乗 おもてなしの完成度占う
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:荒川 雅臣
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:荒川 雅臣
新型ティアナは、日産が大型FF車用として新たに開発したプラットフォームを採用している。おそらく次期型エルグランドにも使われるであろうこのプラットフォームの潜在能力はかなり高そうだ。走り始めて最初に感じたのは静粛性が非常に高いこと。いまの時代、静粛性の鍵を握るのはエンジンよりもボディと足回り。タイヤが発するゴーとかザーというノイズをいかに封じ込められるかによって静粛性は大幅に変わってくる。Dプラットフォームと呼ばれる新しい基本骨格は、高いボディ剛性や徹底した遮音吸音対策とあいまって優れた静粛性を発揮してくれる。
高速道路に入ると、しっかりした直進安定性をもっていることが実感できた。ステアリングに軽く手を添えているだけでティアナは頼もしく直進する。そこから指1本~2本分切り込む修正舵の効きも滑らかで正確だ。高速道路を快適に、リラックスして走る性能にかけて、ティアナは非凡な実力をもっている。
話が前後するが、実はティアナに乗り込んで最初に感心したのはシートの座り心地だった。表面がフワッと軽く沈み込み、次いで体を包み込むようにフィットする。かつてのフランス車のような座り心地は心地よさに満ちている。聞くと、通常は表皮とウレタンの2層で作るところを、表皮の真下にソフトウレタンフォームを挟み込んだという。コストはかかるが、こうした「ひと手間」が効くのは料理もクルマも同じ。もちろん後席の座り心地も極上だ。もしティアナに興味があるのなら、まずはショールームに行ってシートの座り心地を体感することをおすすめしたい。
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