アウディのスポーツカーR8とTTは打ち切り!? 新たに追加されたR8の後輪駆動モデルから見える事情とは
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 169
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 169
フェイスリフトで全体的にシャープな印象になったR8スパイダーに搭載されるエンジンは今時珍しい5.2リッター自然吸気V10で最高出力は397kW(540ps)、最大トルクは540Nmを発生する。トランスミッションは7速Sトロニック(DCT)で、空車重量1695kgとクワトロ版スパイダーより55kg軽いボディを0-100km/=3.8秒、最高速度=322km/hまで引っ張る。
全高わずか1.2mのスパイダーのアルカンターラ張りのスポーツシートに体を落とし込むと、正面には10000rpmまでスケールが刻まれている大径のタコメーターが、コンソールにはアナログスイッチと、グリップの大きなセレクトレバーが配置されている。テクノロジーのトレンドの変化は恐ろしいほど速いもので、「ポルシェ992」や「フェラーリ SF90」などを見慣れた目には、もはやR8のインテリアはクラシックの香りがする。
20秒で開閉可能なキャンバストップを開き、走り出して、改めて自然吸気V10エンジンのピックアップの鋭さと澄んだサウンド、そしてターボラグもトルクステアもない世界を再発見する。40対60の重量配分から想像できるように、スロットルペダルでボディを横に向けたコーナリングも自在だ。
Sトロニックの洗練性にも感銘を受けた。変速時にメカニカルノイズはほとんど聞こえず、どんな運転でもハーシュネスは発生しない。V10のスムースさもあるだろうが、それ以上に制御技術が優れているためだろう。これならばご婦人がショッピングに出かけるのにも十分使える。加速シーンではもう少しアクセル操作への応答性が速ければと思ったが、このクルマは前述のような使用シーンも考えて、敢えてそこまでチューンしていないようだった。すなわち開発者の意図が非常によく分かるセッティングで、エンジニアたちが、時間(とお金!?)を掛けて開発してきた様子が想像できたわけだ。
この魅力的な後輪駆動版R8だが、「ポルシェ 911 カブリオレ」という強力なライバルが君臨する日本市場でもミッドシップスポーツカーとしてユニークな存在になると思うが、残念ながら輸入される予定は今のところなさそうである。
そして私にとって残念なのは、アウディR8 V10のようなシンボリックなスポーツカーが、変革なくしては存続することができなくなってしまう時代がやってきてしまったという事実だった。願わくば「ポルシェ 918 スパイダー」や「フェラーリ SF90」のようなPHEVとしてよみがえってほしいところである。
※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。
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