FF追加、PHEVは航続距離が2倍。「XC60」23モデルのポイントを解説
掲載 carview! 文:ピーコックブルー/写真:ボルボ・カーズ・ジャパン 17
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各メーカーが最も力を入れているミドルクラスSUVというカテゴリーのなかで、ダークホース的存在として注目を集めているのがボルボ「XC60」です。
そんなXC60の2023年モデルが登場しました。一般的にはマイナーチェンジに該当する今回の年次改良でXC60はどのように変化したのかをレポートします。
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現在販売されているXC60は、2017年に登場した2代目です。ボルボのSUVのなかでは、「XC40」と「XC90」の中間に位置するモデルです。
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ボディサイズは、全長4710mm×全幅1900mm×全幅1660mmと、ライバルであるメルセデスベンツ「GLC」やBMW「X3」、レクサス「NX」と比較してもややワイドな印象です。このワイドなボディがもたらす堂々としたエクステリアと、安定感のある走りはXC60の大きな特徴ですが、日本国内ではやや使用環境を選ぶという点には注意が必要です。
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2023年モデルでは、グレード体系の変更が行われています。新しいグレードは、ベースグレードに位置する「Plus B4」、上級グレードの「Ultimate B5 AWD」、プラグインハイブリッドモデルの「Recharge Plus T6 AWD plug-in hybrid」とその上級グレードの「Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」というラインナップとなっています。
価格は下記のとおりです。
・Plus B5・・・689万円
・Ultimate B5 AWD・・・819万円
・Recharge Plus T6 AWD plug-in hybrid・・・874万円
・Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid・・・999万円
2023年モデルからは、FWDモデルの「Plus B5」がラインナップに加わっていることがポイントです。
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2023年モデルでは、特にプラグインハイブリッドモデルのパワートレインに大きな改良が加えられています。
まず、バッテリー容量が11.6kWhから18.8kWhへと拡大されたことで、EV走行距離も従来モデルの約2倍となる81kmへと向上しています。また、リアモーターの出力も87psから145psへと強化されており、よりパワフルな走りを実現しています。
加えて、ワンペダルドライブ機能も追加されているため、よりEVに近いモデルになったと言えます。
実際、最上級の「Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」を試乗してみると、市街地を走行している限りでは、エンジンはほとんど始動することはなく、エンジンが搭載されていることを忘れてしまうほどです。
また、2023年モデルからはセンタートンネルにバッテリーを配置したことで、低重心で安定した走りを実現しているのも大きな魅力です。
一方、バッテリーが大型化しているにもかかわらず、居住空間や荷室容量は従来モデルとまったく変わらないのも嬉しいところです。
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XC60の大きな特徴は、インフォテイメントシステムのOS(オペレーション・システム)にGoogle(Android)が搭載されていることです。
Googleが搭載されたことにより、「OKグーグル」と話しかけることで、ナビゲーションシステムを設定したり音楽を流したりすることができるほか、メッセージの送信なども行うことが可能です。
こうした音声認識による操作は、近年販売されているプレミアムブランドのモデルでは決して珍しいものではありません。しかし、ボルボのシステムが優れているのはその反応の精度とクオリティです。
音声認識システムの反応精度が悪いために、ふだんの会話以上にはっきりと発音したり、大きな声を出したりしてしまうことが少なくありませんが、ボルボの場合、極めて自然な発話でも十分に反応してくれます。
また、かなりくだけた表現で話しかけても、その内容を読み取ってくれる点も嬉しいところです。さらに、時にはウィットに富んだ表現で返してくれるのも魅力的です。
これだけの精度がある音声認識システムであれば、「クルマと会話をする」という感覚を持つことはそれほど難しいことではありません。クルマとの会話を続けることで、これまで以上にクルマに対して親しみを持つことができ、本当の意味で「愛車」としてとらえることができるようになるかもしれません。
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このように考えると、ボルボの全車種にGoogleが搭載されたというのは、単なる便利機能の追加ではなく、クルマとの関わり方が変わる大きなきっかけになると言うこともできます。
今後、クルマを選ぶ上でインフォテイメントシステムが占める重要度はさらに高まっていくものと予想されています。
現時点では、ほとんど使い物にならない音声認識システムがあるのは事実ですが、ボルボに関しては、そうしたものとは一線を画していると言えそうです。
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