アバルト500に試乗!ガソリンが底を尽くまで
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
コーナーが迫る、ブレーキ。ちっこいそのボディは、自分が今どれだけブレーキングしているのかをボディのピッチで明確に示してくれる。そして操舵。フロントがキュッと頑張って食いつき、ノーズをグイグイとインへ引き込む。そこから始まったロールは、剛性もしっかりあって意外や頼もしい。そしてリアがギュッと踏ん張って駆け抜けていく。
FFだけにちょっと無理してもフロントのタイヤが鳴いて知らせてくれるから、どれだけの力が出せるかもすぐに分かる。タイヤを鳴らしたら無駄、と分かっていてもクルマが元気だからこっちもついつい試したくなる。もちろん行き過ぎた操作をして不安定になれば、ESPがお助けしてくれる。新世代のアバルトの思想と哲学においては、「ESPはオフにしない」という誓いがある。でも楽しさは全然削り取られず、不穏な挙動だけが収められるのだ。そう、セーフティにファン・トゥ・ドライブを提供する。これはかなり先進的な考え。スポーツモデルの新たな方向性すら指し示している。
TTCをオンにすれば、コーナーの脱出で踏みすぎてもESPがしっかり内輪を制御してくれてちゃんと前へ前へと進めてくれる。そしていざ踏み込めば、弾丸か! と思う元気な加速。こうした繰り返しに「もっと走っていたい!」と心底思えるのだ。それこそ「ガソリンが底を尽くまで!」てなくらいに。この楽しさ、この気持ち良さ、この痛快さは何なのか? 21世紀の世界において、未だこれほどまでに人間を熱くさせ、夢中にさせるクルマが残っているという奇跡! アバルト500はそんな風に思いたくなる“走りの権化”なのだ。
街中はまだ試せていない。おそらくちょっと硬いところもあるだろう。でもそんなこと、少しもマイナスじゃない。あらゆることを呑み込んで、「イイ!」と思わせる魔力があるからだ。これがきっとアバルト・マジック。かつての僕らにとってのアバルトは、大先輩の吉田匠さんが記した文章を頭の中でイメージするだけの存在だった。しかし今はそれを自分の身体でリアルに体感することができるのである。クルマ好きにとって、なんという幸せ!
そうして再びアバルト500を駆ってコースに出る。すると匠さんが原稿でよく使う、「小粒でピリリと辛い」という表現はこのことか! と、往年のイメージの具現があることに満面の笑みになり、そしてまた夢中になる。みんなと同じハイブリッドで幸せを感じるのもまたひとつの正しい道だけど、そのために楽しさ気持ち良さをあきらめる理由はひとつもない。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
まるで[高級スニーカー]のようなクルマ!? 新型SUV[キックス]はe-POWERのみで2025年日本上陸か
【ポイントランキング】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル後
【ポイントランキング】2024MotoGP第5戦フランスGP終了時点
くるまりこちゃん OnLine 「免許証、更新するとき… 」第96回
ホンダ ZR-V&N-BOX 自動車アセスメントで「ファイブスター賞」獲得【動画あり】
ロールス・ロイス 新型「カリナン シリーズII」 迫力増した「ブラックバッジ」発表
ロールス・ロイス「カリナン シリーズ II」発表 ブランド初のSUVが進化【動画あり】
ドゥカティによる三つ巴の激闘をマルティンが制す。M.マルケスは最終ラップで2位奪取/第5戦フランスGP
ポルシェ「ハイブリッド版911」ワールドプレミアは5月28日、夜10時!オンラインで生配信
【最終結果】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル パワーステージ後
オジエが2連勝。突然の濃霧もお構いなし、自身6度目のラリー・ポルトガル制覇【WRC第5戦最終日】
中古200万円超えにも納得!! 1.5Lターボが超刺激的! コルトの超絶モデル[ラリーアート]
若者も注目するアメ車の“異世界”。「ジープ ラングラー」大幅値下げ戦略と日本で人気上昇の背景
どちらがお好み? コンパクトミニバン対決!「新型フリードvsシエンタ」注目ポイントはココだ
オラオラ系エアーに車中泊クロスター。ホンダアクセスの新型フリード用パーツがなかなかイケてる
【えっ、もう受注開始?】新型「フリード」今日から予約可! 6月の発売待ちは悪手。販売店ナマ情報
レクサスLM“3列6人乗り”ついに発売! 4人乗りと何が変わった? 1500万円でライバルは高級SUV
新型「フリード」は2連ラインLEDの未来顔! 「エアー」登場でまさかのステップワゴン方式に
【まさに次期マツダ6?】マツダが中国で発表した流麗な新型セダンの日本導入が“絶対にない”理由
新型「フリード」5月登場! 「シエンタ」も改良で大激戦。デザイン派かコスパ派かでお勧めが違う
【年内納車も!】CX-80日本モデルは6月発表、8月予約開始。発売が遅れた“嬉しい理由”とは?