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【選ぶなら四駆のVT】ランボルギーニ・ディアブロ 5.7L V12の魔力 英国版中古車ガイド

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【選ぶなら四駆のVT】ランボルギーニ・ディアブロ 5.7L V12の魔力 英国版中古車ガイド

当時最速のイタリアン・スーパーカー

執筆:John Evans(ジョン・エバンス)

【画像】ザ・スーパーカー ランボルギーニ・ディアブロ 初代と最新のカウンタックも 全83枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


華々しく復活を遂げた、ランボルギーニ・カウンタック。その記事を読んで、初代カウンタックの後継モデル、ディアブロを思い出したという読者もいらっしゃるだろう。

ランボルギーニ・ディアブロは、1990年に販売が始まった。クーペとロードスターのボディスタイルが選べ、エンジンは5.7LのV型12気筒をミドシップ。当初の最高出力は492psを誇った。

0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は325km/hと、カタログ上では当時最速の量産車だった。運転は難しく実用性に欠けるが、存在感はとてつもない。ディアブロは典型的なイタリアン・スーパーカーだ。

すでに30年ほど経つ希少なモデルだが、取引価格は想像するほど跳ね上がっていない。執筆時に、1993年式のディアブロが12万5000ポンド(1900万円)で売られているのを英国で見つけた。だが走行距離は約9万6000kmと、この手としては異常に多い。

売り手によれば、路上を走れる状態にするため1万1000ポンド(167万円)を投じているという。ただし、ディアブロには多くの種類が存在する。この例はノーマル・モデルだった。

1990の登場から、アウディがランボルギーニを傘下に収める1998年までの間に、ディアブロには複数の仕様のエンジンが投入されている。5.7LのV型12気筒という基本は変わらないけれど。

ノーマルの後輪駆動のディアブロと、四輪駆動のVTの最高出力は、前述の通り492ps。だが後輪駆動のSVでは517psに引き上げられ、同じくSE30では530psを獲得している。さらにSE30イオタでは、603psにまで増強された。

スペースフレームにアルミ製のボディ

SE30は、1993年のランボルギーニ30周年を記念して発表された、いわばロードリーガル・レーサー。さらにパワフルでサーキット専用モデルとなったSE30イオタは、台数限定のディアブロ最強モデルだった。公道には出られないが。

1999年にフェイスリフト。リトラクタブル・ヘッドライトが固定式になり、新しいメーターパネルを備える、新デザインのダッシュボードが与えられている。

同時に5.7Lエンジンには可変バルブタイミング機構が追加。SVとVTの最高出力は535psへ向上している。サーキットに軸足をおいたディアブロGTの登場で、SE30は交代。GTには、583psを発揮する6.0L V12エンジンが載っている。

アウディの傘下となったランボルギーニは、アップデートしたディアブロVTをリリース。大きなエアインテークが開けられたフロントノーズと、専用デザインのOZ社製18インチ・アルミホイールを獲得している。

このVTにはGTが搭載する6.0Lユニットが転用され、558psを発揮した。さらにVT SEで、ディアブロの最後を飾っている。

すべてのディアブロに組まれたトランスミッションは、5速MT。ボディはスチール製のスペースフレームに、アルミニウム製のパネルが組まれている。エンジンカバーやボンネット、サイドシル、バンパーなどはカーボンファイバー製だ。

サスペンションはウイッシュボーンにスプリング、アンチロールバーという組み合わせ。リアのコイルは片側2本という内容だった。

ドライビングマナーに優れる四輪駆動のVT

ディアブロVTのサスペンションには、4モードから選べるアクティブ・システムを採用している。さらに四輪駆動システムは、最大で25%までエンジンのトルクを前輪に伝えることを可能としていた。

パワーステアリングも装備され、多くの人はドライビングマナーに優れるVTを選びたがる。クーペと同等の剛性感を持つ、VT ロードスターも探せば見つかるだろう。

一般的な所有履歴と走行距離で、不備ない整備記録を持つ状態の良いディアブロは、15万ポンド(2280万円)位からが英国の相場。V型12気筒のエキゾチックモデルとしては手頃といえ、最新のカウンタックよりも遥かに安い。

専門家の意見を聞いてみる

カール・ヴェルディ:ヴェルディ・フェラーリ社代表

「技術的な面では、ディアブロには悩みどころが少なくありません。アクセルペダルはスプリング式で重く扱いにくく、初期のクラッチペダルも重く、すぐに疲れると思います」

「ディアブロは速く走らせるのも簡単ではありません。現代のホットハッチへ簡単に追い越されるでしょうね。幅の狭い郊外の道では、すり抜けるだけで一苦労。しかし、見た目は素晴らしい。雷鳴のように轟くサウンドも」

「ベストは四輪駆動のVTです。パワーステアリングが付きクラッチも軽く、運転は楽なはず。後輪駆動より安全性も高く、挙動も予想しやすいと思います。探すなら、より扱いやすいフェイスリフト後。大きなブレーキに、小さなダッシュボードが特徴です」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

エンジンを始動させ、アクセルオフでガラガラと異音が出ないか確かめる。タイミングチェーンが伸びている可能性がある。シール材が劣化し、エンジンブロックとサンプの間からオイル漏れすることがある。

バルブ・クリアランスは、2万9000km毎のチェックが求められる。エンジンを下ろす必要があり、作業費は高い。

ラジエターの状態と、冷却ファンが正しい温度で回転するか確認する。後期モデルに付く可変バルブタイミング機構は、劣化したオイルが原因でシステムに不具合が出ることも。

トランスミッション

シングルプレート・クラッチの寿命は、長くても4万km。初期のディアブロでは、スレーブシリンダーのプルロッドが壊れやすい。後期モデルではプッシュロッド式に交換されており、信頼性は上がっている。

トランスミッション自体も不具合を抱えがち。シフトレバーは、ゲートに入る時にスナップするような音を立てることがある。

ステアリングとブレーキ、サスペンション

初期のディアブロのブレーキは効きが弱い。シャシー側のウイッシュボーン・ブッシュは壊れやすい。交換費用は安くない。

リアのダンパーは大きなエンジンの重量を支え、放たれる熱で劣化が早い。定期的な交換が必要となる。

ボディ

工場での製造管理が不十分だったため、スチール製のシャシーとアルミ製のボディが触れる部分で、ガルバニック腐食が発生する場合がある。特にドアの下部やホイールアーチ、荷室のフロア、燃料キャップまわりは確認ポイント。

インテリア

車高が低いディアブロだから、乗り降りで内装は擦れやすい。スイッチ類やサイドシルの傷にも注意。レザー内装は品質が高いとはいえず、バラけてしまうこともある。

知っておくべきこと

初期のディアブロには油圧タイミングチェーン・アジャスターが備わっており、チェーンが切れるほどテンションを強く効かせる場合がある。1994年以降のディアブロには、信頼性の高い機械式アジャスターが採用されている。

機械式のアジャスターは前期モデルにも付けることが可能で、現存する多くは交換済みと思われる。購入時は、忘れずに確認したいポイントだ。

英国ではいくら払うべき?

10万5000ポンド(1596万円)~14万9999ポンド(2279万円)

1990年から1994年の初期のディアブロが英国では見つかる。整備記録の一部が欠け、状態の良くないディアブロから、整備済みで内容の悪くないものまで幅広い。

15万ポンド(2280万円)~19万9999ポンド(3039万円)

価格が増えるほどに、状態も良くなってくる。走行距離も短めになる。

20万ポンド(3040万円)以上

走行距離の短いSVや、ロードスターなど選べる範囲が増える。走行距離3万3800kmの2001年式VT 6.0で、23万4950ポンド(3571万円)という例があった。

英国で掘り出し物を発見

ランボルギーニ・ディアブロ 登録:1992年 走行距離:4万200km 価格:14万9000ポンド(2264万円)

走行距離は短めで、オーナーの履歴もはっきりしており、整備記録の内容も素晴らしい。抑えたい内容を揃えている。しかし個人売買ということで、事前の点検は必要だろう。除湿機能付きのガレージに保管され、コンディションはかなり良さそうだ。

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みんなのコメント

5件
  • 筑波サーキットを1速と2速だけで走りきれるロングなギヤ比というのも凄かった
  • ディアブロのレストア日記みたいなウェブサイトがおもろかったなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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