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現代を走る神話! ロールス・ロイスのフラッグシップ「ファントム」再考

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現代を走る神話! ロールス・ロイスのフラッグシップ「ファントム」再考

Rolls-Royce Phantom

ロールス・ロイス ファントム

現代を走る神話! ロールス・ロイスのフラッグシップ「ファントム」再考

道路上の豪華客船

「世界最高峰」、「トップ・オブ・トップ」、「ベスト・カー・イン・ザ・ワールド」。ロールス・ロイスのフラッグシップ4ドア サルーンを称える美辞麗句は枚挙に暇がない。車名の「ファントム」は、幻や幽霊といった華やかならぬ意味をもつ単語だが、それはこのクルマがまるで幽霊のように静かで、幻のように走るから、という最大の賛辞でもある。

実に14年ぶりのフルモデルチェンジを受けて2017年に登場した現行ファントムは、BMW以前の本家ロールス・ロイス時代から数えると8世代目にあたる。「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と呼ぶオールアルミの最新スペースフレーム構造を採用し、先代比でボディ剛性を3割高めた。

全長5842mm、ホイールベースが3570mm(ロングホイールベースのEWBは全長5982mm、ホイールベース3772mm)という圧倒的な巨躯を与えられている。メルセデス-マイバッハ Sクラスに比較しても全長で37.7cm、ホイールベースも20.5cm長い。かつ全高も160cmを超えており、道路上に豪華客船が現れたかのような存在感を主張する。

蜂蜜の海を渡るよう

4枚ドアの量産3BOXサルーンとしてはライバル不在の巨艦を推進するのは、6.75リッターのV型12気筒ツインターボエンジン。最高出力460ps/最大トルク720Nmの怪力で、2.5トン超のボディを滑らせるように運ぶ。ロールス・ロイスの慣例で回転計を備えないため想像と感覚に頼るしかないものの、都心部を走っている限り2000rpmに達することすらないように感じられる。それくらいV12の挙動は静かで厳かで揺るぎない。

ロールス・ロイスが「魔法の絨毯」と称する乗り心地は、空を飛ぶというよりは、とろける蜂蜜の海に漕ぎいでるような感触。ある程度の姿勢変化を許しながら、悠然と、粛々と進む。この乗り心地は路面のコンディションにほとんど依存しないため、ファントムで走る道はどこもかしこも舗装したばかりのように思えてしまう。

ファントムは運転しやすい

世界でもっとも静かなクルマを標榜するとおり、二重ガラスを閉めると外界の喧騒はぴたりと止む。130kg以上の遮音材を使っているということで、これだけ前面投影面積が大きく角ばったフォルムをしているのに風切り音の類は一切聞こえてこない。それでいて自然の音やV12のささやき声はほんのりと耳に届くように塩梅がなされている。人工的に音を消しすぎてしまうと、密閉感と閉塞感が生まれてしまう。「静粛」の質にも、ロールス・ロイスならではの官能評価の指標を明確に見てとることができる。

もちろんファントムは究極のショーファードリブンゆえ、特等席はリヤシートに違いないが、ステアリングを握らないのは勿体無いと思うほど実は運転を楽しめる。淀みないV12とスロットルペダルで繋がる感覚、しっとりとした操舵感、一定の制動Gを保ちやすい性格なブレーキ・・・。

日本ではボディの大きさが時に腰が引けそうにもなるが、実際は車体がスクエアで車幅感覚がつかみやすいうえ、スピリット・オブ・エクスタシーのおかげでノーズの位置も捉えやすい。それにこのクルマを運転している限り、すれ違う相手のほうがきっと道を譲ってくれる。それこそがまさにロールス・ロイスの神話そのものなのかもしれない。

【SPECIFICATION】

ロールス・ロイス ファントム

ボディサイズ:全長5770 全幅2020 全高1645mm

ホイールベース:3550mm

エンジン:V型12気筒DOHC48バルブ ツインターボ

総排気量:6748cc

最高出力:420kW(571ps)/5000rpm

最大トルク:900Nm/1700 – 4000rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

乗車定員:4名/5名

最高速度:250km/h

0→100km/h加速:5.3秒

車両本体価格:5570万円(消費税込み)

【問い合わせ】

ロールス・ロイス・モーター・カーズ東京

TEL 03-6809-5450

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