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ニューモデル 2019.11.4

日本車のTVコマーシャル、外国人が海外で運転するシーン 理由は? 多様化で表現にも幅

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日本車のCMなのに外国人が海外で運転

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

    【画像】海外ナンバーのほうがカッコいい? 日本車×海外ナンバー 全100枚

クルマのCMを見ると、日本車なのに外国人が運転していたり、海外で撮影されている映像も多い。

日本国内で売るクルマなら、日本人が日本の街中で運転しているのが自然だと思うが、実際はそうなっていない。

最近発売されたクルマでも、トヨタ・カローラ・セダン&ツーリングやマツダCX-30のCMが、日本を意識させない造りになっている。

CMによっては右ハンドルの日本車が、右側通行の道路を外国人のドライブで走る映像もあり、何となく無国籍的だ。

輸入車のCMには、外国人が左ハンドル車を右側通行の道路で運転していることも多い。これはいかにも輸入車としてわかりやすいが、日本車の場合は、そこまで徹底されていない。

走っている車線が右側なのか左側なのか、判別しにくい映像もある。

なぜ日本車のCMに外国人を起用したり、海外で撮影しているように見せる必要があるのか。

日本車のCMに外国の人達を使う理由

日本車のCMに、外国の人達を使ったりする理由をトヨタに尋ねると、以下のような返答であった。

「有名なタレント等を起用すると、その人物に対する興味の方が大きくなり、クルマに対する注目度が低くなる場合があります。そこでカローラでは、あえてタレントを起用しませんでした」

「今回、カローラのCFに外国人を起用した背景には、カローラがグローバルで統一されたことを印象付けたい意味合いもあります。またいろいろなシーンでの使われ方を表現したいこともありました」

ほかのメーカーにも尋ねたが、外国人を起用する理由は、おおむね同様であった。

確かにCMに有名な俳優とかスポーツ選手を起用すると、その人物に視線が集まり「誰が出ていたかは憶えているが、何のCMだったか忘れた」ということがしばしば起こり得る。

昔話になってしまうが、1980年代に2代目三菱ミラージュが、TVのCMにエリマキトカゲの映像を使ったことがあった。爬虫類が後ろ足だけで立ち上がり、疾走する映像だ。

このユニークなCMを切っ掛けに、多くの人達がエリマキトカゲを知ることになったが、ミラージュの宣伝効果はサッパリだった。

クルマに限らず、CMの表現方法によっては、映像が注目されても商品の訴求効果は高まらず逆効果になってしまう。

その点で名前の知られていない外国人を使うと、顔立ちの個性が注目されにくい。日本人では、顔に目が向いて商品のイメージも左右されるが、外国人では過度な注目を集めず商品の印象が残る。

カローラではグローバルカーであることを訴求することも考えて、外国人を起用したが、人物の個性を抑えるために外国人で表現することも多い。

その一方で、CMに起用する人物で、商品のコンセプトや特徴を表現する場合もある。

CM起用の人物で特徴を表現する場合も

CMに起用する人物で、商品のコンセプトや特徴を表現する場合もある。

例えばスズキ・アルトは、初代モデルでは欧州の街中を走らせたこともあったが、近年のCMはターゲットユーザーにしている若い女性を起用することが多い。

直近のアルトのCMは、母親とお嬢さんが一緒にドライブに出かける設定だ。今は結婚する年齢も高まり、両親と実家で暮らすお嬢さんも増えた。

ダイハツ・ムーヴ・キャンバスも、母親は買い物に、お嬢さんは友人とのドライブに使いやすいことをテーマに含めて開発されている。ただし発売当初のCMでは、若い女性タレントを起用して、スライドドアや収納設備の使いやすさをアピールした。

軽自動車やミニバンのような実用重視の車種では、車内の広さ、シートアレンジ、各種の装備を訴求する実用的なCMも多い。

このようにクルマにはさまざまな訴求点があり、その中から商品コンセプトも考えた上で、内容を選んで効果的に表現している。

商品価値/訴求方法が多様化 表現にも幅

自動車メーカーの広報や宣伝担当者によると、「最近はTVのCMを含めて宣伝がむずかしい」という。

昔の訴求媒体は、TVのCM、新聞や雑誌の広告、自動車専門誌や一般誌の記事程度だったが、今は多種多様だ。

趣味で製作しているブログやユーチューブなどの動画サイト、各種のSNSを含めて、クルマ関連の情報が大小さまざまな媒体で発信され、視聴されたり評価を受けている。

その一方でTVの視聴率や雑誌の売れ行きは低迷して、「多品種少量発信」とでも表現すべき状況になった。どの媒体でどの程度の訴求をするか、という配分もむずかしい。

またCMの内容も商品にとどまらず、商品全般に通じるコンセプトや将来の方向性を示す企業CMも増えた。個々の商品を別々にアピールしていたのでは、効率が悪いこともあり、メーカーやブランドを訴求する戦略だ。

CMが多様化して、外国人の起用や海外での撮影も、この中に含まれる。

同様の理由で、同じ車種のCMが、放映時期に応じて変化することも多い。例えばトヨタ・アクアのCMは、2011年12月の発売時点では、優れた燃費数値と豊富なボディカラーを表現した。

それが2014年のCMでは、外国をロングドライブする映像に変わり、アクアが冒険をするイメージに一変させている(BGMはドラゴンクエストIII)。

その一方で、富士山などの日本の風景と組み合わせた表現も行っている。

CM映像を見るだけでも、アクアという1つの車種をいろいろな角度から切り取り、さまざまなユーザーに向けて発信していることがわかる。

どのようなCMがユーザーの心に響くのか

クルマには運転の楽しさから、荷物の積載などの実用性まで、さまざまな機能と特徴がある。

それだけに訴求点や表現方法も多彩だが、TVのCMは大半が15秒か30秒だ。これだけ時間が短いと焦点を絞る必要もあり、以前のCMには、クルマの外観や内装を美しく見せる映像が多かった。

この見せ方が定着して、今は外国人を起用してアクティブなカーライフを表現したり、芸能人を使ってコミカルに見せる手法が増えた。

そこで改めて最近のクルマのCMを見ると、外観や内装を美しく表現する映像が極端に減ってしまった。そこを追求しているのは、マツダくらいだろう。

「昔は良かった」とは言いたくないが、CM表現のレベルは、クルマに限らず30年くらい前に比べて下がっているように思えてならない。

コカコーラ、サントリー、JRなど、かつてTVのCMを観るのが楽しい時代があった。中高年齢層の読者諸兄は、どのように思われるだろうか。

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