現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 公道を合法的にSSラリー風走行 桜山公園ショート・ヒルクライム 地元との絆を大切にして

ここから本文です

公道を合法的にSSラリー風走行 桜山公園ショート・ヒルクライム 地元との絆を大切にして

掲載 更新
公道を合法的にSSラリー風走行 桜山公園ショート・ヒルクライム 地元との絆を大切にして

憧れの【公道最速】は遠きにあり…

text & photo:Kouzou Ebizuka(海老塚 構造)刻々と表情を変える路面状況の中、サーキットのようなエスケープゾーンもない一般公道を全開走行で駆け抜ける、スペシャルステージ(SS)形式のラリー競技。

【画像】桜山公園ショート・ヒルクライム 全33枚

【公道最速】といわれるその走りには憧れるが、実際に一般公道でそんな走りをすることは法律的にも倫理的にも許されることではない。それこそラリーにエントリーでもしない限りは……。

7月14日の日曜日の早朝、筆者は山奥のワインディングを雨と濃霧のなか走り続けること約3時間、群馬県藤岡市の桜山森林公園にいた。前日の13日と本日14日の2日間にわたって、この公園内の道路を通行止めにして、SSっぽいヒルクライム走行会が行われているということを聞きつけ、取材にやって来たのだ。

【ラリーっぽい】走り 合法的に体験できる機会を

このイベントを主催するのはモータースポーツ・イベントのコンサルティングや参戦サポート、レースパーツの輸入販売などを行っているテルゾマルムラ。

代表の高橋巧氏は200戦を超すラリーにコ・ドライバーとして参戦経験を持つラリーストだ。今回のイベントは自身の経験も踏まえて「ラリーに興味を持っているクルマ好きに、ラリーっぽい走りをお手軽かつ合法的に楽しんで欲しい」との思いで企画したという。

しかしながら開催までの道のりは容易ではなかったという。桜山公園内の駐車場には【ドリフト走行禁止】の看板が立つように、周辺住民の自動車イベントへの印象は決して良いものではなかった。

2日間エントリーの方が安い

そうした中、管轄の警察や地元自治体、そしてなにより地域住民との粘り強い折衝を続け、イベントによる地元経済の活性化という共通の認識を得ることができたことによって、藤岡市観光協会の後援のもと、ようやく開催に至ったという。

そういった経緯もあり土曜日に習熟走行を行い、その晩に地元の旅館に宿泊、2日目に本番走行というスケジュールでイベントは開催された。

なお、「地元への貢献」という主旨から、日曜のみに参加する場合のエントリーフィーは高く設定されている。

深い霧と雨の中、林道を全開アタック

集合場所と聞いていた公園内の駐車場で待っていると、エントリー車両がやって来た。

てっきりランサーとインプレッサの一団とばかり予想していたところに、プジョー106にシトロエン・サクソ、アルファ147にランチア・デルタと、なぜか欧州車の比率が高めだ。

そこへ続いて入ってきたのはIMSA仕様のSA22Cマツダ・サバンナRX-7?…に見まごうスタイルのNAロードスターだった。

ブリーフィングでは一般車通行止め区間以外での交通法規の遵守や、クラッシュなどで生じた道路設備の破損などの原状回復などの弁償は各自の自己責任、あくまでも「ラリーっぽい走りを楽しむ走行会」なので、オフィシャルはタイム計測は行わないといった説明が行われた。

なお、イベント中の事故には通常の任意自動車保険は適用されないため、各自が競技用保険に加入している。

雨音の中に、エグゾーストノートが

これがサーキット・イベントならば中止であろうという霧と雨の中、筆者は道沿いの繁みからカメラを構える。

しばらくすると雨音の中にエグゾーストノートが混じり、その音がもっとも高まったと同時に、霧に霞む林道の奥にライトポッドの光が浮かび上がった。

狭い道の路肩には落葉や小石が溜まり、川のように雨水が流れているなど、かなり酷いコンディションであるにも関わらず、エントラントたちはかなりのペースでコーナーを駆け抜けていく。

節度あるアタックで、安全に楽しむ

ただし、あくまでもこれはラリー“ちっく”な走行会で、通行止めになっているとはいえ公道での走行だ。エスケープゾーンもなく、コースオフすれば崖下にまっしぐらという場所もあるため、エントラントのドライビングにも“節度”が求められる。

今回は道路の使用許可が下りたのがイベント直前だったという事情もあり、告知期間が短かったため、参加台数は決して多くなかった。

しかしながら地元の方々のおもてなしと、走り応え満点の公道での全開走行にエントラントの満足感は高かったようだ。テルゾマルムラでは今後もこのような走行会を検討しているとのことなので、さらなる盛り上がりを期待したい。

こんな記事も読まれています

顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
レスポンス
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
MS&AD新社長の舩曵真一郎氏が会見 代理店への「週末イベントの手伝いはやめる」
日刊自動車新聞
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
【MotoGP】最高峰クラスデビュー以来好調のアコスタ、浮足立たずにいるための鍵は『普通の生活を見ること』
motorsport.com 日本版
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
レクサスLBXが生まれる工場【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
グーネット
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日産、欧州向け「キャシュカイ」に新たな「ニッサンコネクト」を採用
日刊自動車新聞
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
渥美心がボルドールから遂げたル・マンでの成長、新クルーチーフの存在に「速く走らせる方法が理解できてきた」/EWC
AUTOSPORT web
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
ハジャーが総合最速。マルティ2番手でカンポス1-2。宮田莉朋は2日目午後にトップタイム|FIA F2バルセロナテスト
motorsport.com 日本版
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
<新連載>[低予算サウンドアップ術]“超基本機能”を駆使して「低音増強」を図る!
レスポンス
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
GW期間中に多いクルマのトラブルは何? JAFが2023年に救援した出動理由TOP10を紹介!
くるくら
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
レッドブル離脱のニューウェイはどこへ行く……アロンソとホンダが待つアストンマーティン? それともハミルトン加入のフェラーリ?
motorsport.com 日本版
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
「背の低いマツダ」ついに出た! 新「マツダ6」じゃないよ「EZ-6」中国で発表 “電動専用車”に
乗りものニュース
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
マツダが新型「ロータリースポーツ」登場へ!? 美しすぎる「和製スポーツカー」のスペックは?価格は? 期待高まる「アイコニックSP」どうなるのか
くるまのニュース
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
SHOEI「GT-Air 3 SCENARIO」 “REALM”に続くグラフィックモデル登場
バイクのニュース
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
フィアット500/500C、新グレード「ドルチェヴィータ」追加、ブルーカラーの限定車も発売
レスポンス
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
ミツビシが新SUV時代を迎えるSCBに電撃復帰。ランサー以来の『エクリプスクロス』でトヨタ、シボレーに挑む
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0528.0万円

中古車を検索
ロードスターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

289.9368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

22.0528.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村