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BMW X5 xDrive 35d M Sport

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BMW X5 xDrive 35d M Sport

直6、クリーンディーゼル、AWDシステムxDriveなど、長年BMWを支えてきた技術の集大成と言えるX5。そこに3眼カメラを用いた最新鋭の運転支援システムはじめ“これから”の技術が盛り込まれた新型に試乗した。REPORT◉塩見 智(SHIOMI Satoshi)PHOTO◉市 健治(ICHI Kenji)※本記事は『GENROQ』2019年7月号の記事を再編集・再構成したものです。

 先行車両のドライバーに一発でBMWと認識させるキドニーグリル。世代を重ねるごとに大きくなってきたが、現行のX5、X7、7シリーズで一気に巨大化。左右それぞれの中央部が盛り上がって立体的な造形になった。クロームの巨大グリルで威厳を示すやり方は、日本のミニバンが好んで採用するやり方だが、BMWも狙いは同じだろう。買ってくれそうな層の好みを反映しているのだ。日本のミニバンの場合は国内市場の、BMWの場合は世界最大の中国市場の好みを無視できないというわけだ。

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 新型は結構大型化した。先代に比べホイールベースが40mm伸びて2975mmに、全長が25mm伸びて4935mmに、全幅が65mm拡がって2005mmに、そして全高は10mm上がって1770mmにおよぶ。このサイズで6気筒ディーゼルエンジンを搭載することを考えると、2190kgという車重はかなりダイエットに努力したと言えよう。

 軽いドアを開けて新型X5に乗り込むと、BMWの世界が広がっている。ややドライバー側を向いたセンターパネル、水平に長いモニター、そしてどうしてこんなに太いのか疑問に思うステアリングリムといったいつものBMWインテリアが広がる。多面カットのクリスタルのATセレクターレバーが新しい。

 本格的に走らせる前に気になる機能を試した。先日、日本導入された3シリーズにも備わるリバースアシストだ。35km/h以下で走行時、進んできたルートの直近50mを記録し、呼び出せば進んできた通りのルートでバックすることができる。アクセルおよびブレーキ操作はドライバーが行うが、ステアリング操作は自動。試しにだだっ広いスペースでくねくね蛇行し、機能を呼び出してバックするとくねくねバックした。

 駐車場の奥の方へ進んだものの空きがなく、かといって方向転換するスペースもないからバックで戻らざるを得ない場合などを想定した機能だ。現実の交通でどの程度有用かはわからないが、少なくとも楽しい。

 郊外で少し活発に走らせてみる。まずは予想通りの直6ディーゼルのスムーズさに感心する。BMWが孤軍奮闘していた直6エンジンだが、メルセデス・ベンツが復活させ、ランドローバーも新たに開発した。長く重いという理由で一時はV6に取って代わられた直6だが、補機類の進化などによって昔より短くつくることができるようになったようだ。

 ネガが解消されるのであれば、構造上スイートな回転フィーリングを得られる直6を復活させない手はないということか。ずっと使い続けてきたBMWに言わせれば、何を今さらといったところかもしれない。

 実際、回して心地よい。そして速い。実際に使えるのはせいぜい5000rpm弱までだが、その手前の4000rpmあたりまで一気に吹け上がり、同時に怒涛のトルクが4輪を通じて路面に伝わり、乗員の背中を強烈に押す。その感覚はなかなかのエンターテインメントだ。2000~2500rpmの時点ですでに最大トルクの620Nmに達し、そこからは回転馬力を高めていく作業。4000rpmで最高出力の265㎰、今風に言うと195kWに達する。

 乗り心地はほとんどの速度域、道路環境において極上だったが、なぜか60km/h前後で走行中に限り突き上げを感じることがあった。



 X5には3眼カメラとドライバーモニタリングシステムが備わるため、日本で初めてとなるハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能が備わる実力をもつ。現時点では利用できないが、今夏予定されている(ディーラーへ持ち込んでの)アップデートによってその機能を使えるようになる。いよいよここまできた。

 我が国の区切りで言えば、平成の技術が凝縮されて詰め込まれ、令和の技術が法律の範囲内で目いっぱい採用されたX5。内燃機関のみで駆動する最後のクルマとして選ぶのにふさわしい1台だと思った。

SPECIFICATIONS
BMW X5 xDrive35d M Sport
■ボディサイズ:全長4935×全幅2005×全高1770mm ホイールベース:2975mm
■車両重量:2190kg
■エンジン:直列6気筒DOHCディーゼルターボ 総排気量:2992cc 最高出力:195kW(265㎰)/4000rpm 最大トルク:620Nm(63.2kgm)/2000~2500rpm
■トランスミッション:8速AT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡマルチリンク
■タイヤサイズ(リム幅):Ⓕ275/45R20 (9J) Ⓡ305/40R20(10.5J)
■環境性能(JC08モード) 燃料消費率:14.4km/ℓ
■車両本体価格:999万円

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