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GRスープラ 全グレードをテスト! それぞれ明確に異なるフィーリングで魅せる

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GRスープラ 全グレードをテスト! それぞれ明確に異なるフィーリングで魅せる

GR Supra

GR スープラ

GRスープラ 全グレードをテスト! それぞれ明確に異なるフィーリングで魅せる

一般公道での試乗から見えたGRスープラのポテンシャル

GRスープラの開発現場の話を聞いていて、もっとも強い印象として残っているのは、走行テストの約9割を世界の一般公道で行なったという話である。テストコースで作り込んだ後に一般道で確認するのではなく、その逆で、一般道をとことん走り込み、そこで得たデータをテストコースで検証していくという作り方をしたというのだ。

主たる舞台は南仏マルセイユ近郊の、舗装は荒れ、道幅も決して広いとは言えないワインディングロードを含む一般道だが、それだけではなくヨーロッパ全域、アメリカ、そして日本でも様々なシチュエーションを走り込んで仕様を決めていったという。

チーフエンジニアの多田哲哉氏によれば、もちろんサーキットでの運動性能も大事だが、市販スポーツカーにとってはそれより圧倒的に長い時間を過ごすはずの一般道で、どれだけ気持ち良く走れるかの方が重要だということで、このようなプロセスを採ったそうである。

そうしたスープラの実力がしっかり伝わるようにと、トヨタとGazoo Racing Companyのイベントチームは考えを巡らせ、西伊豆のワインディングロードを試乗の舞台として用意してくれた。西伊豆スカイライン方面に向かえば、途中の行程も含めてそれなりに舗装は荒れているし、アンジュレーションもキツく、クルマにとってはハード。つまり、スープラの真価を知るにはもってこいというわけだ。

トップグレードの「RZ」は余裕あるドライブフィールが美点

まず走らせたのはトップグレードのRZ。最高出力340ps、最大トルク500Nmの直列6気筒3.0リッターターボエンジンを搭載し、19インチタイヤ、AVS(電子制御ダンパー)、そしてアクティブディファレンシャルなどが標準装備となる。

クルマを発進させて、それこそタイヤが数回転するかしないかといううちに、何と上質な乗り味かと感心させられた。モンロー製のそのダンパーは微小ストロークからひたひたと動いて、まるで路面が良くなったかのような印象を伝えてくる。短いストローク、そしてホイールベースを意識させないくらいピッチングも落ち着いていて、リラックスして走らせることが可能だ。

それでいて、軽いが節度感のある手応えを示すステアリングを切り込めば、応答性はきわめて鋭く、自分を中心にくるりと向きが変わっていく。この辺りは、ショートホイールベース&ワイドトレッドならでは。

一方、サーキットではアクティブディファレンシャルのセットアップのせいか、たとえVSCオンでもリヤが唐突にブレークする(もちろん電子制御のおかげですぐに収束はするのだが・・・)のが気になったが、さすがに一般道ではタイヤの高いグリップ力もあり、そこまでの領域には至らず、安心してアクセルを踏んでいけた。

直列6気筒らしいスムーズな吹け上がりを示すエンジンは全域で分厚いトルクを発生して、やはり余裕あるドライブを可能にしている。NORMALモードでは8速ATはスピードより滑らかさ重視。SPORTモードに切り替えると排気音のボリュームが高まり、変速も俄然ダイレクトになるから、否が応にも気分が昂揚してくる。

飛ばしても楽しいが、適度なペースで流しても気持ちいい。それがスープラ、特にRZというモデルである。

「SZ」の4気筒は軽やかなビート感

続いてはエントリーグレードのSZに。こちらの直列4気筒2.0リッターターボエンジンは最高出力196ps、最大トルク320Nmを発生する。足元には17インチのランフラットタイヤを履き、AVS(アジャスタブルバリアブルサスペンション)、アクティブディファレンシャルなどは備わらない。

出力数値は見劣りするが、絶対値はともかくトルク特性はこちらもフラットなエンジンと8速ATの組み合わせは、積極的に踏み込んでいけば十分活発に走ってくれる。4気筒の軽やかなビート感も悪くない。

それにしてもノーズの動きの軽さは鮮烈だ。RZでも十分そう感じたのに、微小な舵角から、こちらの気持ちを解っていたかのように素早く向きが変わり始める軽快感、こちらは更に上回る。

惜しいのは乗り心地で、ランフラットタイヤを履きAVSが備わらないことから、荒れた舗装、うねった路面ではRZのようなしなやかさが感じられず、接地感もそれほど盤石ではなくなる。

とは言え、テストコースではそれが大いに気になったものの、一般道のペースでは挙動が乱れて大変・・・というほどではなく、気持ち良く飛ばしていける。最初はこれを手に入れて徹底的に走り込み、徐々に自分の好みのタイヤやサスペンション、あるいは機械式LSDなどでステップアップしていくというのも楽しそうだ。

フロントが軽く旋回性能は随一の「SZ-R」

同じ直列4気筒2.0リッターターボエンジンの最高出力を258psまで高め、タイヤを18インチにサイズアップ。AVS、アクティブディファレンシャルも装備するSZ-Rは、先にテストコースで行った試乗でも素晴らしいバランスの良さを実感させたが、ワインディングロードを含む一般道でも、やはり痛快なドライビング体験をもたらしてくれた。「4気筒でスープラなんて・・・」と思っている方も、実際にステアリングを握ったら、そんな思いは吹き飛ぶに違いない。

SZと較べるとタイヤとAVSの分、乗り心地はやはり上質。初期応答の鋭さはSZと同様だが、そこから先のグイグイとコーナーを抉っていくような曲がり方はRZのそれに近い。これはアクティブディファレンシャルの効果だろう。

いや、むしろRZよりもフロントが軽い、つまりリヤ寄りの重量配分のおかげで旋回性は更に上を行くと言ってもいい。しかも、相当アンジュレーションがキツい路面でも、4輪がしなやかに接地し続けるから安心感もある。人とクルマとの一体感の高さは抜群だ。

エンジンは4気筒でも十分スムーズだし、最大トルクは400Nm出ているから決して力不足には感じない。SZと較べるとトップエンドに向けての伸び感もあって、つい右足に力が入る。一般道でも踏んで楽しめる、ちょうど良い速さという意味では、このSZ-Rが最高だろう。

要改善点もあるが上質さと愉しさを大いに実感

率直に言って、サーキットのような場所に持ち込むと、限界域でのピーキーさが気になるし、そこに至る過程でもハンドリングの一貫性という面ではまだ要改善と思えるスープラ。

しかしながら今回テストルートとして用意されていた一般道での走りは、十分に質高く、愉しさにあふれ、そして独自の個性をもったものに仕上がっていた。世界中の一般道を徹底的に走り込んだというその意味、大いに実感できる試乗だったのだ。

【SPECIFICATIONS】

GR スープラ RZ

ボディサイズ:全長4380 全幅1865 全高1290mm

ホイールベース:2470mm

トレッド:前1595 後1590mm

車両重量:1520kg

エンジン:直列6気筒DOHCツインスクロールターボ

総排気量:2997cc

最高出力:250kW(340ps)/5000rpm

最大トルク:500Nm/1600 – 4500rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

キャリパー:前4ポッド対向アルミモノブロック 後アルミフローティング式

タイヤサイズ:前255/35ZR19 後275/35ZR19

WLTC燃費:12.2km/L

車両本体価格:690万円(税込)

GR スープラ SZ-R

ボディサイズ:全長4380 全幅1865 全高1295mm

ホイールベース:2470mm

トレッド:前1595 後1590mm

車両重量:1450kg

エンジン:直列4気筒DOHCツインスクロールターボ

総排気量:1998cc

最高出力:190kW(258ps)/5000rpm

最大トルク:400Nm/1550 – 4400rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

キャリパー:前後アルミフローティング

タイヤサイズ:前255/40R18 後275/40R18

WLTC燃費:12.7km/L

車両本体価格:590万円(税込)

GR スープラ SZ

ボディサイズ:全長4380 全幅1865 全高1295mm

ホイールベース:2470mm

トレッド:前1610 後1615mm

車両重量:1410kg

エンジン:直列4気筒DOHCツインスクロールターボ

総排気量:1998cc

最高出力:145kW(197ps)/4500rpm

最大トルク:320Nm/1450 – 4200rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

キャリパー:前後アルミフローティング

タイヤサイズ:前225/50R17 後255/45R17

WLTC燃費:13.1km/L

車両本体価格:490万円(税込)

【問い合わせ】

トヨタ自動車

TEL 0800-700-7700

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