ローパワーのリヤモーターだが雪道での効果は絶大
日産のウインター試乗会が北海道の江別市で開催された。当初の予定では、クローズドの特設コースと一般道での試乗が予定されていたが、あいにくの荒天によりコースはもちろん、周囲の市街地も地吹雪によるホワイトアウトでまったく視界がなくなる場面もあり、途切れ途切れながらコース内のみでの試乗となった。
【ポイントを押さえてリスクを回避】雪道の走行で気を付けること3つ
今回の試乗でのトピックス的車種となったのが、ノートe-POWERの4WD仕様だ。念のためにおさらいしておくと、ノートe-POWERは1.2リッターのガソリンエンジンにモーターを組み合わせたシリーズハイブリッドのパワーシステムを採用する。モーターはフロントが70kW、新たに追加されたリヤモーターは3.5kWとなる。以前キューブなどに設定されていたe-4WDのリヤモーターも3.5kWと同じ出力だった。
このモーターはリチウムイオン電池によって駆動されるが、そのリチウム電池を充電するエンジンが搭載される。このエンジンのパワーは79馬力でトルクは103N・m。エンジンの出力はすべて充電に使われるので、エンジンスペックはあまり気にする必要はないだろう。
もともと電動車両はきめ細かい制御が行われるので、雪道や氷盤路など滑りやすい路面は得意だ。しかし発進という面においてはやはり後輪も駆動し4WDとなるシステムは有効的。アクセルをスッと踏み出したときに滑り感なく前に出てくれるフィーリングはじつに気持ちのいいものだ。滑りやすい路面ではけっこうギリギリのトラクションで発進することも多く、ちょっとした上り勾配でも発進が難しくなることがあるが、そうしたときにはこの4WDシステムが大いに役立つ。
後輪の駆動が走りに影響するのは発進時から低速領域だけと考えてよく、その後の走りには影響を感じない。だが、そこの部分が大切だ。発進の楽さはもちろんなのだが、ゆっくりとした速度で交差点などを曲がるときの安定感も高い。一般的なスタンバイ4WDでは、前輪が滑って(FFベースの場合)から後輪の駆動が始まるが、ノートeパワー4WDは0km/hから4WD状態となるので、安定感はかなり高くなる。
モーター駆動ならではのきめ細かい制御が雪上では有効
ノートe-POWERの駆動力はすべて電気なので、その制御は細かく効く。たとえばVDCの作動も的確で、作動遅れを感じるようなこともない。定常円を走っていると、全輪に微妙なコントロールが働いていて、とにかくクルマを安定して走らせようとしているのがわかる。ノートe-POWERにはe-POWERドライブというモードがある。このモードは回生ブレーキを強く効かせるようにしたもので、上手に走ればブレーキペダルを操作することなく1ペダルでのドライブが可能だ。
同じようなことをエンジン車で行うのは不可能であると同時に、雪道でもしっかりと減速感が出るところが面白いし、使える機能。昔ながらのドライビングフィールというものも魅力的ではあるが、触れたことがない新しいドライブフィールもまた運転の楽しさの幅を広げてくれるものだ。
そして電動車ならではのドライブフィールを楽しめるとともに、エンジンを持つことで航続距離が長くできるのはやはり大きなメリット。
加えて、冬場はエンジンの熱を使っての暖房が得られるのもまた便利なものと言える。リーフをはじめとした純粋な電気自動車は暖房を使うと一気に航続距離が縮まってしまう。ステアリングヒーターなどを使って、効率的に暖を取ることはできるが、北海道のような地域で乗るとどうしても室内全体がポカポカの車内に魅力を感じる。寒い屋外にいたときにクルマの中に戻ったときの暖かさは、何ものにもかえがたいもの。極寒地で乗るとシリーズハイブリッドの優位性を大きく感じた。
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